見出し画像

大学で勉強する時のワザ その2

注:この文章の経緯についてはこちらをごらんください。その1の続きです。

前回,講義ノートは先生の話と自分の考えていたことの記録にするといい,という話をしました。それは,言い換えると,先生の話のうち,自分の頭で理解できたことをその順で書くといいということです自分の頭で一度納得したことであれば,書いてあることを見て思い出せます。でも,人の言葉のままではなかなか自分の体験として思い出せません。「板書の写真」と近いものになってしまいます。先生が全くわからない話をしていたら,「ここの話はよくわからなかった」と書いておくのです。そうしたら,あとでノートを見返してなんかよくわからないことが書いてあっても,その時もわからなかったのだということを思い出せます。板書以外でも,関連する話を先生がした時に,自分が納得できたのなら書いておいた方がいいです。また,先生が繰り返し使っている言葉はきっと話の幹としてきっと重要になるので,ノートに書いた上で「繰り返し出てくる」とメモしておくと良いでしょう。

ノートをとるときの小わざ

日付を書く
あまりにも基本的すぎて拍子抜けしましたか? でも,私が担当した講義で皆さんがとっているノートを見ると,その日のページの最初に日付を書く習慣がない人は結構いるのです。特に,ルーズリーフなどを使う人はノート整理の時に順番が混ざってしまったりすることがあります。このとき日付が残っていると整理しやすくなります。講義開始前に,日付を書く習慣をつけましょう。ノートは,その日の講義を思い出す鍵です。定期試験前に見直した時,自分で書いたノートのはずなのに「これなんだ?」となることは結構多いのです。いつのノートか,ということがわかっているだけで思い出せることが増えます。他にも,リモートなど教室がいつもと違うとか,大雨とか,虹が出たとか,いつもと違うことがあったらメモしておくとよいです。

表題(タイトル)をつける
その講義がなにを扱っているのか,「第3回 〇〇法について」とかいう形で表題をつけましょう。先生が講義資料に表題を書いてくれている時にはそれをそのまま書きます。講義資料や講義中に言っていなくても,シラバスに書いてある場合はシラバスから引用します。前回の講義で「次回は□□をやります」と予告されている場合はそれを書きます。事前のヒントが何もない時は講義中の先生の言葉から探します。配布資料がある場合でも,表題は一度ノートに手で書いた方がいいです。そうすることで自分の頭の準備ができます。また,話題が変わった時にはその都度自分なりの表題をつけておきましょう。本の目次を作るイメージです。

referenceを残す
特に教科書やスライドを利用する講義の場合,教科書の何ページ,スライドの何ページという情報をこまめに書いておきましょう。教科書,資料が複数ある場合は記号を使って素早くメモできるように工夫しましょう。配布された資料にメモを取る余白が十分ある場合は資料に書き込んでノートの代わりにすることも可能ですが,余白が十分でない場合はやはり自前のノートに書き込む方が良いです。その時は配布資料をノートの方に貼ったりホチキスで綴じ込んだりしてしまえばバラバラにならずに済みます。理系の人で演習問題をやる時は,どの問題を解いているのか必ずわかるようにしておきます。面倒でも問題文を書き写してから解くようにすると復習の時に問題が手元になくても大丈夫ですね。問題を写すことには「問題の内容をしっかり把握できる」という利点もあります。大学以降の勉強では,受験勉強のような時間との戦いという要素は減ってくるので,雑にたくさん解くより少ない問題を丁寧に解く方が力になると私は思います。

余白を残す
ノートを書いていて,あとから修正したくなることは多いにあり得ます。そのためにあらかじめ余白を残すようにしましょう。余白の残し方の流儀はいろいろありますが,例えばノートの下5行は使わない,あるいは右側5cm は使わない,1行おきに書く,一区切りついた時に残っているページはそのままで次のページに移るようにする,などが考えられます。好きなようにしたらいいと思います。大事なのは,特に講義後に後から修正するような場合,元の文言を消さずに残しておくということです。特に数学などの理系教科のノートでは自分の間違いを残してなぜ間違えたかを書いておく方が,正しいことだけ書いたノートより役に立ちます。ここにも書きましたが,シャーペンではなくペンを使うとたくさん消せないので間違いを「ここは間違い」とマークだけして書いた事そのものを残すようになります。

色と記号
先ほど,ノートは板書やスライドをそのまま書き写すのではなく,自分が納得できたことを納得できた順番で書くのが良い,と書きましたが,わからないことのオンパレードになることも少なくないですよね。「わからなかった」といちいち書くのが面倒くさくなった時は,わからない言葉,わからない説明に自分なりのマークをつけるなどしておきましょう。他にも大事なところ,過去に習ったことの復習項目,発展内容などアイコン的な記号をつけていくと良いです。ただし,数式に関しては独自の記号を開発して使うのはやめましょう。数学の記号はなんだかややこしくて,面倒臭く感じてしまう人がいるようで,独自のやり方で簡略化したノートや答案を時々見かけます。これは,後々「その記号が別の意味で使われる」ときに非常に混乱します。一種のあるあるです。だいたい,数学者はものすごく面倒くさがりで効率の悪いことはしません。その人たちがこの記号この記法を使っている,ということはなんか意味があるんだな,と思ってその通りにやりましょう。個性を発揮するところは多分そこじゃないです。先生の言葉と自分の意見を色を変えて書いていくのはいい方法だと思います。

もちろんこれは私の持論ですから,皆さんが気に入ったことだけ取り入れてくれればいいです。
次回は「考えながらノートをとるにはどうしたらいいのか」という点を考えてみたいと思います。

#大学
#初年次教育

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?