オオカミ少女_002

ミュンヒハウゼン症候群の少女

これから、わたしが手がつけられない程のひどい躁状態に陥り、入院を余儀なくされた時に経験したこと、出会った人について語っていきたいと思います。

よく、巷では近親者(母親の子供に対するケースが多いが、配偶者などのケースもある)を病気に仕立て上げ、他人の興味をひきたがる代理ミュンヒハウゼン症候群の方が、取りざたされていますが、

今回は、自分自身に自傷行為を繰り返し、同情を誘う「ミュンヒハウゼン症候群」の女の子のお話です。




入院時わたしは極度に躁転していました。


どれくらいかというと、

「あともう少しで手足の拘束、監禁個室行き」

くらいでした。

最初は男女混合の病棟にいたのですが、
色々事情があって女子だけの病棟に転棟することになりました。

そこで、出会った子が、「ミュンヒ」でした。

なぜか懐かれてしまい、行動を共にする事が多かった気がします。

PTSDの振り。

リスカ。(なぜかナースが剃毛のためと剃刀を渡してしまった)

過呼吸の振り。

気絶した振り。

その他もろもろ。

いちいち彼女の虚偽に付き合うのは大変でした。

しかし、わたしは彼女の承認欲求を満たしてあげるために、常に騙された「フリ」をしていました。それが彼女にとって果たして良い事なのかはわかりませんが、わたしは彼女の病気を受け止めようと思ったのです。

そんなある日の夜、喫煙所の横の病室で、おそらく自殺を図った子が重体で、病棟内が騒然としておりました。

その時、わたしは喫煙所でタバコを吸っていたのですが、まず、隣に座っていた子が、急にてんかんの発作を起こし、泡を吹いて倒れました。

わたしたちがナースをすぐに呼んで、適切な処置を行っている中、ミュンヒの子がまさかの過呼吸の振りをし始めました。

ナースに連れられて、ミュンヒの子はロビーへ。

わたしはただぼーっとタバコを吸いながらも、隣の病室では相変わらず
「ご家族と連絡が取れません!」などとナースたちがバタバタしている
様子を覗ってました。

すると、補助さん(雑用をしてくれる人)が喫煙所にやってきて、わたしをご指名するではないですか!

ナースに聞くとミュンヒの子がわたしを呼んでいるから、相手をしてやってくれとの事…

あのー、わたしも患者の一人なんですが、何故他人の世話を?

周りの皆もそれはおかしい、担当の先生に言ったほうがいいといわれました。

でも、仕方なく彼女の相手をしていたら、この状況下では、早めに眠剤を貰わないと、貰えなくなるというので、わたしはそこでやっとお役御免。

周りにつられて、自分の存在をアピールしたかったんでしょうか。

わたしにとってはその日は特に厄日でしたね。


さすがに、入院生活の最後の方は、いくら躁転しているとはいえ、
ミュンヒの子に付き合うのはしんどかったです。

その子、自分の悪口を喫煙所のみんなが言っていないか、喫煙所の外で、
立ち聞きしてた事もありました。

彼女がそうなってしまったにはそれなりの理由があるとは思います。

ほぼ、生い立ちに関係しているのでしょう。

入院していた少女たちの多くは親の「DV」経験者でした。

このお話、退院後編もあるので、よろしくです。

いただいたお金は、海外で、性が<女>というだけで虐げられながら生きている「女の子」達を支援している国際NGO、「公益財団法人 プラン・インターナショナル・ジャパン」の寄付金に充てさせていただきます。 https://www.plan-international.jp/