車なしで暮らしてみようか
車のない暮らしから見える景色のこと。
手放すきっかけ
結婚を機に、夫は学生時代から持っていた車を手放しました。
正しくは、当時ミニマリズム思考にハマっていた私が、夫に手放すよう迫った、だけど。
夫婦ともに車通勤ではないから、週5日は車を使わずにいたし、コロナ禍のステイホーム。
地方在住なので、車はあるに越したことはないんだけど、手放しても大丈夫なタイミング。
どうせコロナ禍でお出かけは減っている。今だって駐車場にただ停めているだけ。しばらく車なしで生活するのも面白いかも。
こんなことを考えて始まった車なしの生活。
そこから子どもが生まれて、コロナ禍が明けた今も、わが家の車なし生活はゆるく続いています。
寒空の下、公園
車がないことで、生活のリズムがすこし変わりました。
朝は美味しいと評判のパン屋さんまでお散歩したり、子供を外へ連れ出しがてら、花屋さんへ行って花を買ったり。
ただ単に遠出へのハードルが上がったと言えばそれまでだけど、目線が下ったというか、目が身近なところへ向くようになりました。
車があると、毎度同じようなルーティーンで過ごしてしまっていたので、ちょっと新鮮。
地方だと、車でショッピングモール行きがち。郊外のカフェでお茶しばきがち。
そして、最近の予定のない週末の過ごし方はというと、公園三昧です。
滑り台という楽しみを覚えた1歳の子どもが
「しゅーある?」「しゅーある?」(訳:滑り台でシューッと滑りたい)
と言うようになったので、寒い中公園に通っています。
公園に着くなり、「しゅだ!」(訳:滑り台だ!)と滑り台にかけ寄って、滑っては登って、また滑る。
この年齢の滑り台で遊ぶ姿の可愛さ。
背中をピッと伸ばして、短い手足は前ならえ。バランスを取りながら、慎重に、滑る。滑り出すと、ふわりと前髪がそよぐ。
あああ、1歳のそよぐ前髪の尊さといったらない。
そんな前髪を愛でながら、私は私でストレッチをしたり、動いていないと寒いので、スマホでラジオ体操第一を流しながら運動したり。
以前はボディーガードさながらにピッタリくっついて、怪我しないように見守っていたけど、そろそろ大丈夫そうで、私もすこし離れて、自由に朝活を楽しむ。
寒いんだけど、朝から外で活動すると頭がスッキリしてきて、その日一日が活動的になります。
車があったら、こんなに公園に通い詰めてなかったかもしれません。車でアクセスできる室内の大型遊び場で、ぬくぬく過ごしていたかも。過ごせていた、というべきかな。
実際そうしたいと思うほど、寒くて辛い日もあるんだけど。
これもまた、車を持たない暮らし。
特殊なレジャー
車なし生活の中で見つけた、お気に入りの緑地があります。
シロツメクサが一面に咲いていて、その上は木陰、夏もそこそこ涼しい。
だけど駐車場が無いので人気がなくて、いつも空いている穴場スポットです。
子どもが歩くようになった頃から、暖かい季節はこの緑地でピクニックをしています。
ピクニックともなると、レジャーシートにお弁当、虫よけスプレーは必須。
途中子どもが昼寝をするので、ベビーカーと薄いタオルケットもいる。
あれもこれも、と準備をするうちに、ちょっとした小旅行の荷物。
そこで、何度か通ううちに、タクシーを使うようになりました。ワンメーターくらいのものだし、早い。
大きなバッグへ詰めた大量の荷物と子どもをタクシーへ突っ込んでGO。
駐車場は無いので、緑地へ横付けしてもらいます。
これはわが家なりの工夫なんだけど、なんだろう。ちょっと特殊なレジャーになっちゃってる。
やっぱり車って便利だよねー、要るよねーと、改めて思うのはこんなとき。
子どもが物心つく頃までには買おうかな、とぼんやり計画中です。
私も夫も、子どもの頃のレジャーといえば、車でどこかへ出かけるスタイルでした。いつかはマイカーのある暮らしも楽しみたい。
と思いつつ、いますぐに買う予定はないので、今年の春もタクシー横付けピクニックをすることになりそう。
車を持たない暮らし
車を持たないという選択が、今のわが家の暮らしを作っています。
こんなに子供と公園に通うようになったのも、ご近所に目を向けるようになったのも、その選択があったからこそ。
とはいえ、手放した物の方が大きかった気が、しないでもない。でも今の生活は嫌いじゃなくて、そこそこ気に入っています。
子供がもう少し大きくなったら、近所の公園だけでは満足いかなくなる日が来る。
それまでは、この狭いエリアでの生活を楽しみたいと思っているところです。