2歳のフレンチなスタイル
「あむしたいよ」
2歳のお誕生日を過ぎたころから、したい、という言葉がよく出るようになった。
「ごくごくしたい」訳:飲みたい、「しゅーしたい」訳:すべり台したい、「えしょしたい」訳:階段のぼりたい。
色々としたいことがあるようで、でもやっぱり一番よく聞くのは、あむしたい。
「あむする」訳:あむあむする … 食べる
したいそうなので、自分の思うように食べたい、もっと食べたい、ということなんだと思う。
そんなわが家のあむしたいお方。
ここ最近「あむ」を「じんばんこ」訳:順番こ
でやりたい。
大好きなプチトマトを口いっぱいに頬張る。
晩ご飯で一番最初に手をつけるのは、いつもきまってプチトマト。
早く早く、いっぱい食べたいと、ぎゅうぎゅう口の中にプチトマトを詰め込む。
そしてパーン。収まりきらなかったプチトマトが弾ける。
まいどまいど、口が閉じれなくなるまで詰め込むんだから当然そうなる。
汁と種が溢れて、そこら中に飛び散る。
いっこずつ味わって食べよう、一旦ほかのも食べようか、とすすめてみると
彼女は「じんばんこ!」
訳:プチトマトぜんぶ食べてから、おかず食べますよ、順番こ。
プチトマトお口から出ちゃってるし。そもそもそんなに焦って食べることないよ。
プチトマトと、おかずと白ごはんと、色んなものを順々にゆっくり食べよう。かーさんの言いたい順番こは、そうゆう順番こなんですけど。
彼女には彼女の「じんばん」がある様子。
朝ごはんを食べるときも「じんばんこ」に「あむ」したい。
いつもの朝ごはんは、こんな感じで
・納豆ごはん
・おみそ汁
・牛乳
・バナナなど
・ヨーグルト
最初に出すのは、牛乳までの上から3つ。
ヨーグルトなどは最後に、ご飯を食べ終わってからということで後ろに控えている。
よほどお腹が空いていない限り、半分とすこし食べたら手が止まる。全部平らげなくても、ちょうどよいだけ食べたらいいと思う。
そろそろかなと、もうお腹いっぱいになった?ごちそうさま?と声をかけると、最近はヨーグルトを「じんばんこ」に「あむしたい」という返事がかえってくる。
おみそ汁と納豆ごはんをすこし食べたら、途中でヨーグルトを食べたい。ヨーグルト食べて落ち着いたら、おみそ汁をすすって、最後に納豆をちょっと食べるというのが、朝ごはんのじんばんこ。
フレンチのコースで途中お口なおしのデザートをはさむようなフレンチスタイルじんばんこ。
そのじんばんこ、私にはマネできないなーといつも見ながら思ってる。
ヨーグルトのあとに納豆はちょっとね。ヨーグルト食べたスプーンそのままで納豆いくのどうなんでしょう。同じ発酵食品だから意外と合うのかな。
おにぎりにも、じんばんこがある。
巻いてある海苔を全部剥がして食べて、その後に裸になったおにぎりの米を食べる、というもの。
色んなじんばんこがある。
おかずとご飯を最後まで食べてないのにデザート食べたいなんて、そんな主張はとおるわけないよ、と突っぱねていた時もあった。
そうなると、ギャーギャーと泣いちゃうし、わたしも重ねて、デザートだけ食べようなんざ、そうは問屋が卸さないと強くNOを言い渡していた。
でもこれは、デザートだけを食べたいご飯はいらない、ということではなくて、同じものを続けて食べたくないということなんじゃないか。
「じんばんこ」が言えるようになって気がついた。
後で食べるから、ちょっと待って、ということが言いたかったのかも。
子ども自身にもこだわりの食べ方があるっぽいことが分かるようになってきた。
といってもこのじんばんこ、裏切られることもある。
彼女のじんばんこを信じて、海苔だけ先に食べることを黙認していたのに、裸のおにぎりをごろごろ残されたときは、おいおい、じんばんこはどした?となることもある。
でも、わたしも毎日清く正しく食べてるじゃない。欲しいものをちょっとだけ食べたい気分のときだってある。
だからたまには、海苔だけ食べたい日があってもいいのかな。