【物語で心理学!】セルフイメージを高めることと、その危険性
昔あるところに、人気のサーカス団がありました。
ところがこのサーカス団は、大きな悩みを抱えてました。それは目玉の空中ブランコの主役の女優さんのことです。
サーカス団の悩み
そのサーカスの女優さんは、とても上手なのですが、いつも自信がなく、口にする言葉は
「自信がない、自分にはできない」
と言っています。
サーカス団の団長は、そんな彼女を心配しながらも才能を高くかっていて飛べるだけのスキルがあることを知っていたので、いつも心の中で応援していました。
ですが、毎回、空中ブランコを飛んでいても、最後の大技だけは失敗してうまくいきません。安全ネットの上に落ちてしまいます・・。
そのように、いつも恐る恐る飛んでいるため、それは観客にもつたわり、みんな心配しながら見ていたのです。
そして、ついに観客から、見てられないから演目を変えてくれと、クレームが入ってしまいました。
サーカスの女優さんは落ち込みました。そして私がみんなに迷惑をかけているのかもしれないと思いサーカスを退団することを考えるようになりました。
そして、最後にその大技に挑戦して、引退することを決意したのです。
本当の気持ちを思い出す
その前日の夜、周りが寝静まったころ、1人サーカスのテント見上げながら、今までの自分のサーカス人生を思い出していました。
はじめて空中ブランコを飛んだ時の嬉しさや興奮したことを懐かしく思い出し、しっかりと噛み締めていると、いつの間にか涙が混み上げてきて、
心の奥から「まだやめたくない」という声が聞こえてきました。
サーカスの女優さんの本当の気持ちは
「まだやりたい、もう一度チャレンジしたい」
だったのです。
その時、夜の見回りをしていたサーカスの団長が、彼女を見つけて、近づき話しかけてきました。
団長は彼女が入団した時からとても可愛がり、彼女の才能を見出した人でもあったのです。
サーカスの女優さんは団長に感謝の気持ちを伝えながら、まだやめたくない自分がいることも話しました。
団長は少し考えて、こう言いました。
「空中ブランコを飛べたときの嬉しかったあの時の気持ちでやってみたら」と伝えました。
思い出した感覚
サーカスの女優さんは、飛べる時は「なんでもできる」って心から思えていたことを思い出し「楽しみながらやります」と答えました。
すると・・・
彼女の頭の中で、何かがはじけるよう音が聞こえ、なんでもできるあの感覚が蘇ってきたのです。
彼女は思い出しました。飛べている時のあの自信に満ち溢れていた感覚を。飛ぶのが大好きで楽しかった感覚を。
そして次のサーカスの日
・・・
彼女は大技を成功させました。
最高のパフォーマンスを見せたのです。
会場は拍手喝采で観客も感動してました。
そして彼女は自信を取り戻し、あらたに看板女優として活躍するようになりました。
セルフイメージの危険性
このお話しには後日談があります。
何かというと
何でもできる自信を持った彼女は、一度もやったことの無い「綱渡り」をやると言い出したのです。
綱渡りはたくさん練習を重ねないとできない技。
ところが彼女はほとんど練習してないのに、
「自信があるから、できるできる!」
と言いだしたのです。
そして練習をないがしろにして、どこからくるのかわからない自信だけで綱渡りをしたのです。
・・・もちろん失敗して、そのまま落ちていきました。
幸い安全ネットがあって、捻挫程度ですみましたが、彼女はとても危険なことをやっていたことに、あとになって気づいたのです。
スキルの練習と、自信、これはどちらも大切だったのです。
それ以降、彼女は、日々、スキルを磨きながら、自信を持つことで、最高のパフォーマンスを見せれるサーカスのトップ女優になれたのです。