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カーツワイルの「シンギュラリティ」最新版その1
「シンギュラリティ」という言葉は、ビジネスの世界でも使われるようになりました。
その伝道師レイ・カーツワイルが、シンギュラリティ本の最新版"The Singularity is Nearer"を6/25に出版しました。
個人的に気になったポイントを、今回は序章と1章を中心に書いてみたいと思います。
全体の目次は下記の通りです。(以下全て個人的意訳ですので留意)
Introduction
Ch1. 6つのステージで我々は今どこにいるのか?
Ch2. 知能の再発明
Ch3. わたしは誰?
Ch4. 生活は加速度的に良くなっている
Ch5. 仕事の未来:良くなるか悪くなるか?
Ch6. 健康と福祉におけるこれからの30年
Ch7. 危機
Ch8. カサンドラとの対話
カーツワイルのシンギュラリティ本は、前回2005年(和訳は2010年)ごろに出版されたので、実に20年ぶりです。
はじめにその過去作を振り返っており(基本的には今回もその大枠は変えていません)、それが「6つのステージ」です。
以前に投稿したので、過去本を読むのがあれな方はこちらで。
現在の人類は、このうち「第4ステージ」にいるそうです。
人類の脳は10万年で1cm$${^3}$$しか増加しないが、コンピュータは16か月でコスパが2倍に上がります。(ムーアの法則のことですね)
次の第5ステージに行くと、人類の脳とコンピュータが繋がって、我々の認知能力が拡大します。
そのけん引役がいわゆるAIです。前著では2029年に人間の能力を超える可能性を予言しましたが、今回もそれは変えていません。(良く誤解されますが、カーツワイルの定義するシンギュラリティは、巷間言われる「AIが人類を超える瞬間」でなく、その先の生物とテクノロジーが融合した第5ステージ以降のこと)
AIが人間を超える、の指標として独自の「チューリングテスト」も提案していました。
余談ながら、このテストはある団体(ローブナー賞)が運営しており、2014年に合格者が出ています。が、カーツワイルはそれよりも厳格なテストを提案しています。
参考までに、チューリングテスト含めた今のAIベンチマークについて触れた関連投稿を載せておきます。
いずれにせよ、そのテストに合格して2030年になると、ついにシンギュラリティが発生する「第5ステージ」に突入するわけです。
ポイントは「脳とコンピュータ(AI)をクラウドでつなげる」ことですが、まずは今のAIと脳科学の進歩とそれに影響を与える科学技術について次回紹介します。
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