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カンブリアの前に爆発していたかもしれないエディアカラ紀

生物が一気に多様化した「カンブリア爆発」とも呼ばれる「カンブリア紀」。生物史最大級のミステリーとして今でも取り上げられます。

時期としては約5億4千年前ですが、念のため生物年表を引用しておきます。

出所:https://www.jamstec.go.jp/sp2/column/04/

このように、カンブリア紀以前を「先カンブリア」と呼ぶほど生物にとって重要な時期としています。
因みに、カンブリア紀以降を「顕生代(けんせいだい)」と呼びます。肉眼で生物が見える時代という意図です。

なぜ生物多様性がこの時期に一気に広がったのかは厳格にはわかっていません。少なくとも地球環境に大きな変動があったとされてますが、なかには、それ以前から生物多様性の下地はあったという仮説もあります。

カンブリア紀の1つ前(原生代の最後の紀)を「エディアカラ紀」と呼びます。

カンブリア紀を定義づけるきっかけの1つがこの時期に「三葉虫」というなんとなくお茶の間に知れ渡った甲殻系の化石が見つかったことにあります。

ただ、実はエディアカラ紀にも化石は見つかっており、要はその時期の生物の生態がよくわかってないです。
これらは「エディアカラ生物群」と呼ばれます。

その中でも、「ディッキンソニア」と呼ぶ、1mを超える巨大生物(少なくとも肉眼で見える生物)も見つかっており、「最古の動物」とする説もあります。
※タイトル画像は上記Wiki内にあるディッキンソニア画像

ちなみに、「動物」の定義は厳格にはやや曖昧で、一般的には19世紀後半にエルンスト・ヘッケルが定めた後生動物の定義だそうです。あまり深堀しても楽しみは得られなそうですが、一応Wikiだけ引用しておきます。

そして最近の研究では、進化生物学の発展でそのエディアカラ生物群の構造が徐々にわかっており、下記の発表もされています。

ようは、エディアカラ生物群の化石を調べて、摂食や代謝の仕組みがある程度わかり、ディッキンソニアは外部消化を利用して栄養を摂っていた、という話です。

こういった情報を聞くと、カンブリア紀から文字通りゼロから何かが一気に生物が噴出した、というのはやや誇張なのかもしれません。
このあたりはまだ定説がないので、もうしばらくこういった研究の趨勢を見守るしかないのかもしれません。

このカンブリア紀に向かうあたりに酸素濃度が大きく変わったことはほぼわかっており、その原因はまだ諸説あります。

1つだけ言えることは、生物が大きく進化するきっかけには、ほぼ地球規模での環境変化が起こっています。
やや情緒的な表現ですが、過酷な生存環境に耐えるために進化圧がかかったのかもしれません。

それを踏まえても「カンブリア紀」だけはあまりにも唐突すぎるので、現実的にはその直前にあたるエディアカラ紀(かその前)でのミッシングリンクがまだ地球上のどこかでに眠っているのかもしれません。

それが、前述の研究発表のように、進化生物学の発展によって明らかになる日が来るかもしれません。

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