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月へのバトルが過熱する模様

地球を除く最も近い天体「月」は、多くの国が視線を注いでいます。

ただ、ロマンというよりは争奪戦の意味合いが強く、そんな「月合戦」についてふれてみたいと思います。

宇宙開発レースの中で、急成長を遂げているのが中国です。

ただ、人を送るというテーマだと、NASAが率いる「アルテミス計画」が話題になりがちです。

実は中国は、単独で月に人を到着させる計画も以前から練っており、早ければ2027年に実現すると発表しています。

中国が設計した新たな有人宇宙船は、すでに2020年に一度宇宙へのテスト飛行に成功しています。タイトル画像がその一部で2021年に公開されました。

現時点の要員計画では、まず3名が乗船して月軌道に乗ります。
ちなみに、昨年末管制した中国独自の宇宙ステーション(地球軌道)には、4名から7名の宇宙飛行士が滞在できます。

月への情熱を注ぐ理由は、その資源可能性が高まってきたこともあります。

まずは水です。20世紀後半の調査ではおもったほど存在しない、との報告もありトーンダウンしましたが、日の当たらない南極部を中心にその存在が改めて期待されています。

次がレアアースメタル、スマホのバッテリーで有名ですが、この可能性もまだ捨てきれてないです。

最後がヘリウム3と呼ばれる地球では微小にしか存在しない物質です。名前の通りヘリウムという元素に中性子が1つしかない状態のことを指します。(安定的に多く存在しているのは2つ)
なぜこれが大事かというと、実は核融合反応させる原料として使われる可能性が高いからです。

以前核融合の基本について書いた記事を引用しておきます。

上記記事(及びそのリンク先)では、2重水素と3重水素を融合させるのが主流(下図の上の反応式)ですが、それ以上に反応のしやすさとそのエネルギー出力(質量欠損)かもと期待されています。

Wiki「ヘリウム3」内の図

ただ、地球上には過去に宇宙空間に逃げていったらしくほぼ存在しません。ということで月面で調達するという可能性もあるわけです。

まだ核融合は数十年かかるといわれていますが、技術革新は思ったより早く進むという経験則はまだ生きています。

少々きなくさい話が続きましたが、できれば人類共通の資源として有効活用できるルール作りを待ちたいところです。(経済成長の論理だとリアリティがないのがつらいところ)


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