JUICEが遂に木星に向けて出発間近!
JUICE(ジュース)という野心的な探査プロジェクトが、遂に4月13日(日本時間夜)に地球を離れます。
JUICEとは、Jupiter Icy Moons Explorerの略で、欧州の宇宙機関ESAが主導する、史上最大級の外惑星探査ミッションです。
4月12日に、その直前の集まりでなかなかほほえましい集合写真付きでESAが投稿しています。(タイトル画像もここから引用)
JUICEのターゲットは太陽系最大惑星にあたる木星の衛星「エウロパ」・「ガニメデ」・「カリスト」で、直接天体に降りずにフライバイまたは周回観測を行います。
SF好きな方なら、これらの衛星はおなじみかもしれません。逆に言えば地球外生命体の可能性がある衛星だからこそ、作品で引用されたとも言えます。
このJUICEはいろいろな先端観測機器が搭載されており、JAXAも部分的に開発に支援しています。
今回は、このJUICEの概要について紹介します。
その根拠は、ざっくりいえば地下に「水」があると見込まれています。
例えばガニメデ。ここを一番時間をかけて念入りに調べる予定です。
個人的には、やはりこの作品がぱっと思い浮かびます☺
JUICEは1年かけてこの周回軌道上(数百km程度)から、GALA(レーザー高度計)と呼ぶレーダー観測を行います。その反射波が場所によって高度が異なると(1m程度まで解析可能)、潮汐力がある、つまり海があるということです。
次がエウロパ。
もしかしたらこの衛星が、一番生命可能性が高いと思われているかもしれません。
過去に、ハッブル宇宙望遠鏡が地上に噴水の如く水を吹き出す画像をとらえたこともあります。
しかも、理論的に100km(地球の最深部マリアナ海溝の10倍!)もの深い海が地下にあるのではないかと見込まれています。
このエウロパをどう探査するかというと、探査機からサブミリ波を送り、その反射から水素成分(特に硫化水素)を予測します。
これは、生命の存在する可能性を示す(バイオマーカー)化合物です。
どういうことかというと、もし生命体がいれば、硫酸と水素を吸収してエネルギーにし、それを硫化水素として吐き出しているのでは?と予測しています。
上記以外にもプラズマ観測など最新鋭の機器が搭載されていますが、目的はとにかく地球外生命、特にその母ともいわれる「液体の海」です。
なんとなくこれで、JUICEと名付けた理由が分かった気がします。
では、いつその生命のジュースを飲むことが出来るのか?
生憎到着は8年後の2031年で、まだまだ先となります。
どうしても有人探査は月面だと数週間・数か月でつくと錯覚しがちですが、
月までは約37km、次に目指す火星が7500万km、そして木星は8億9000万kmという文字通りスケールが違います。
ただ、期待値は高く、JUICEに続いて2024年には「エウロパクリッパー」という計画で打ち上げが予定されています。
まずはJUICEの打ち上げ、いや成功の乾杯を皆でやりたいですね。
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