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天網恢恢(かいかい)疎でなく漏らさず

タイトルは「天網恢恢疎にして漏らさず」を修正しています。
元々の意味は「悪事を行えば、一時的には逃げおおせるなどうまくいったように見えるが、結局は、その報いを受ける」ということです。

結果としての意味は同じですが、今の天網は科学技術の進歩で「疎でなくなって」います。

最近出たこのニュースを見たのがきっかけです。

ようは、
自身は強盗に縛られ妻が殺害されたという夫の証言が、妻のFitBitログデータから嘘が発覚し、夫が真犯人として捕まった、
という話です。

昔のミステリー小説でしたら、陸の孤島や山中に閉じ込められる話が定番ですが、今のデータ社会ではリアリティに欠けます。

現実世界も同じで、既に本人特定でDNA捜査はおなじみですが、こういったライフログからも事実が突き止められる典型的な例です。

今回の事件は屋内ですが、屋外であれば、GPSで大まかにその位置が特定できます。

その「GPS」ですが、厳密にはアメリカが部分開放した位置探知システムで、一部の主要国では国内衛星でその精度とリスクを改善する動きも出ています。

今回は、その日本版GPS、通称「みちびき」について簡単に紹介します。

まず、こちらが内閣府管轄の公式サイトです。

(アメリカが提供している)GPSは、正直時々あれっとおもうぐらいずれます。感覚的には数メートルぐらいは・・・。

なんと、日本版GPSみちびきは、センチメートル単位の誤差を実現します。

投稿時点で4機打ち上げられ、2023年には7機体制になる予定です。もちろん多いほど精度が高まります。

出所:https://qzss.go.jp/overview/services/sv01_what.html

センチメートル級の高精度を実現する秘訣として、地上で国土地理院が保持するデータとも突合させるそうです。

もしこれが低コストで実現出来ると、相当社会生活に影響を与えそうです。

既に、下記のように災害時の情報提供としては稼働中です。

そして、やはりパッと思い浮かぶのが「自動運転」で、実際に実証の動きがあります。(下記以外もいくつか記事をみつけました)

勿論衛星だけでなく、多様なデータ源の1つとして位置付けており、下記がその全体イメージです。

出所:上記サイト

もう自動車というより、「スマートモビリティ」と呼ぶほうがしっくりきます。(またはモビリティロボット)

そして、自動車だけでなく、みちびきを受信できるデバイスすべてがその恩恵を受けるわけで、過去取り上げたドローン(&空飛ぶくるま)も分かりやすい例ですね。

既に活用事例集も下記で公開されており、農業・歩行支援・工程管理など、タイトルだけでも面白そうです。

宇宙を使った産業と聞くと、ちょっと特殊な非日常な響きをまだ受けます。
が、みちびきを通じて「センチメートル単位で屋外観測できる技術」と書くと、我々の日常にもっと利活用出来そうです。

ぜひとも、自身の日常生活改善を「みちびいて」くれるアイデアを考えてみたいと思います☺

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