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実際に氷が溶けているのは山だった!

前回、南極の氷解に関する日本の取り組みについて紹介しました。

「地球全体の氷の9割が南極にある」という衝撃的な数値がありましたが、では実際氷が解けている地域はどこでしょうか?

丁度、NHKの科学番組でそれについて触れていたので紹介します。

2019年の実績では、地域別にみると南極ではなくアラスカが最も解けた氷の量が多く、実に世界全体の3分の1をしめています。

もう1つ驚いたのが、氷の所在が(南極90%に対して)ほんの「0.56%」に過ぎない「山岳氷河」が多大な影響を与えています。
山岳氷河とは、その名の通り山の斜面に形成される氷河のことです。(下記がイメージ例)

地球全体の海面上昇割合のうち、実に26%がこの山岳氷河の融解によるものだそうです。
しかもこの数値は2004年〰2015年の間での累積値で、今はもっと割合が高くなっていると予測されています。

なぜかというと、地球温暖化によって、特に斜面のふもと寄りの氷が溶けやすい性質とのことです。

そんな山岳氷河のうち、特に危機的な場所の1つがケニア山です。

赤道直下の地域ですが、5千m超と高度が高いため氷河残っています。この表が今の温暖化の推移だと2030年代になくなってしまうと予測されています。

氷河が消失することによって、その付近の住民の生活にも影響がある可能性が指摘されています。例えば、まだ仮説ですが、干ばつにも影響があるとされています。

少なくとも、動植物の生態系には影響を与える可能性は高いです。
これは他の地域でもいえることで、生態系が変わることによる影響は具体的に被害が描きにくいところがあります。

番組ではある国での興味深い取り組みを紹介していました。オランダです。

オランダという国は海抜が低く、海面上昇の影響を受けやすい地域です。

上記記事によれば、オランダは国土のほとんどが200メートル以下の標高でその4分の1が海面より低いとのことです。

そこで、海の上に浮かぶ家、通称「フローティングハウス」がというものが既に建てられています。

将来の避難としてやむを得ずというよりは、新しい生活設計として積極的に取り組んでおり、既に入居者は一杯だそうです。

上記記事内に動画も載ってますので、ぜひご覧ください。

この家はその場で建設するのでなく、この地域の65km北にある造船所で建築されたものを運河を渡って移送します。まさにオランダの特性を生かした方法です。

価格は地上よりも抑えられているようで、勿論船の停泊と同じようにしっかりと家は固定されているので、沖に流されることはありません。

むしろ上記記事を読む限り、新しい生活空間を芸術的な面も含めて楽しもうとする雰囲気を感じさせて、大いに学ぶところがありそうです。

特に、環境問題は極めて重い課題ですので、幾世代にもわたって取り組み続けないといけません。

そのためには、ある程度の精神的なゆとり、もっといえば遊び心が必要であることを強く感じさせる取り組みです。

冒頭のNHK番組は他にも自分事化する取り組みが紹介されてましたので、少しでも関心を持った方はお勧めです。

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