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Starlinkの上場まぢか? SpaceXの新たなローンチ予測。

次世代宇宙船Starshipの余韻がまだ冷めません。

1つだけ、うまくまとめた動画を載せておきます。数分なので、LIVE見てない方はぜひ☺

ややこじつけですが、ちょうど100年前の同日に生まれたのが「アラン・シェパード」。アメリカ人として初めて宇宙に行った方です。

SpaceXの競合の1つ、Blue Originが彼から宇宙船の名前を付けたことでも知られています。最新版の名前は「ニューシェパード」。


ただ、ある意味産業界にとってはもっとインパクトのあるSpaceXに関する噂が出回っています。

ようは、
Starlinkの上場が早ければ2024年に行われるかもしれない、
という話です。

通信衛星Starlinkは最近コストコでも地上用アンテナを販売していて、身近になってきました。

ただ、穿っていえば、特に日本では山中や沖合でない限り高速なネット回線は普及しています。その意味では産業界へのインパクトは感じにくいかもしれません。

ということで、あまりビジネスしすぎない範囲で、SpaceX事業全体像と今後の動向を予測してみたいと思います。

まずは、今の事業構成を大別してみます。

1.輸送サービス
シンプルに言えば、宇宙へモノとヒトを運ぶ宅急便ですね。
既に200回以上も打ち上げ実績を誇り普及機となったFalcon9とその上位互換のFalcon Heavy(搭載可能な量約3倍)です。

今回のStarshipはさらにHeavyの上位ですが、火星到達まで見据えておりその設計思想と搭載技術は大きく異なります。

なお、現時点では宇宙だけですが、いずれは飛行機同様大陸間輸送も検討していることは以前にも触れました。


2.通信/観測サービス
通信衛星Starlinkと、通信/観測環境をシステムとして販売するStarshieldの2本柱。
後者は政府向けを意識しており、地上ネット設備が機能不全になっても衛星を通じた通信環境を提供します。これは今後の世界情勢によっては大ブレする可能性を秘めています。(政治リスクもありますが・・・)


2つの事業種別はいずれも新規性が高く、そもそもSpaceXは非上場でもあることから、全体としての事業見通しは外からでは難しいかもしれません。

最近CNBCがその評価額を推定し、1500億ドルとはじいています。

今の収益はファルコン9が中核と想像できますが、これから第二の柱となるのがStarlinkです。

今月に、イーロン自らが単体で損益分岐点を超えたことを明かしました。

上記事内でも触れていますが、過去にイーロンはStarlinkg単体事業見通しが立った時点で上場する、とも発言しています。

個人的な意見ですが、伸びしろが大きいのはロケット輸送よりもこのStarlinkだと思います。

例えば、Falcon9は超ざっくり言えば貸し切りかライドシェアの方式を提供し、飛行機事業のように、積み荷率と打ち上げ回数に依存します。
エンジン再利用可能(最大10回程度)とはいえ、売上はほぼ製造能力によると考えられるため、直線的な成長にとどまります。

一方で、Starlinkは現状B2Cに依存しており、加入者は投稿時点で200万名を超えています。
が、冷静に鑑みて、都市部は既にネットは普及しており、宇宙だけでなく地上の競合も技術革新を進めています。宇宙事業でのライバルの話は過去にも少し触れました。(下記)

参考までに2023年のネット人口情報を添えておきます。単に通信環境を提供するだけでなく、それを通じて収益を確保することもセットですので、消費者向けでは収益性を長期的に維持するのは難しくなるのでは、と予想しています。(この数年は嗜好性での契約が多いので大丈夫でしょうが)

中期的な視点で化ける可能性があるのは消費者向け以外です。

以前からStarlinkはB2Bにも進出していますが(飛行機や船舶向け)、まだ未進出でかつ最もビジネスとしての期待値が高いのが「金融サービス向けの超高速環境の提供」です。

現在、金融取引の多くは自動化システム(いってしまえばAI)に依存するHFT(High Frequency Trade)と言われています。1つだけ参考情報を。

ようは、いかに早く安く買って高く売りつける、という理屈です。アルゴリズムと通信能力がすべてといっていいかもしれません。

その通信能力ですが、大陸間になると取引所は数千km(太平洋だと数万km)も離れているため、海底に敷設された光ファイバー(屈折しながら進む)よりも、真空に近い宇宙空間経由のほうが早く情報を得る可能性があります。

現時点ではまだそこまでの性能には遠く及びませんが、Starlinkは2023年のバージョンアップで既に光通信機能を搭載しています。

現時点で5千機(稼働衛星全体の5割に相当するのでは?との憶測も)ですが、4万機の打ち上げを公言しています。

このスケールになると、中継機能の高度化も含めて、地上よりも高速な通信環境が提供できるかもしれません。

そうなると、サブスク型の消費者向けよりも収益の桁が変わってきます。

ということで、3年以上先を見据えると、
・B2B:金融サービス向け超高速環境
・B2G:情勢が不安定な組織向け安定的な通信環境
が今後のStarlinkの躍進を支えていくことが予想されます。

イーロンからすると、火星到達という大きな目標があり、そのためにはまだまだ投資が必要です。
そのための虎の子にあたるStarlinkをどのタイミングで上場させるかは、相当考えながら次の駒を進めているのだろうと思います。

国際情勢が揺れていることもあり、2024年もイーロン・マスクの挙動が世の中を大きく動かしそうです。

改めて激動の時代に生きているのを実感します。

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