太陽系の惑星たちは銀河レベルでは礼儀正しくなかった!
我々が所属する太陽系の並びが実は他と比較するとレアだった
という興味深い論文が2023年に発表されています。
元論文はこちらからアクセスできますが、タイトルは、
”Framework for the architecture of exoplanetary systems”
つまり、太陽系の外にある惑星構造を整理した、ということです。
我々が所属する太陽系の外にもすでに5千以上もの系外惑星が見つかっています。
その経緯や発見方法については過去に投稿したので、そこに興味のある方はアクセスください。
で、肝心なのはそこから見えてきた事実です。
地球含めて太陽系に属する惑星群を大きさをイメージして並べた画像を張ってみます。
特徴は、太陽(一番左。大きすぎて図に収まらない)から遠いほどサイズが大きいことがわかります。(一部例外あり)
この理由について、太陽(恒星)に遠いほうがその引力から免れて、引っぺがされないのかなと今までは何となく思い込んでいました。
つまり、自身の重力で回りのガスや岩石・氷などを引き寄せて巨大化した、という推測です。
が、冒頭の論文ではそれを全否定する結果となりました。
つまり、他の惑星系と比較すると、太陽系のように小さい順での並びはむしろレアであることがわかりました。
一番多いのは、星も類似のサイズまたは質量をもつパターンで、次がバラバラ、そして恒星に近いほど大きいパターンです。
冒頭の論文で使われた図を引用しておきます。ちょっと読み解きにくいですが(縦軸は類似性係数という発表者たちの開発した統計数値)、おそらくはプロットした数が頻度を示しているのかなと思います。
あえて和訳すると、下記のとおりで、Orderedが一番レアであることがその数で視覚的にわかります。
Similar:類似
Anti-Ordered:反秩序
Ordered:秩序(太陽系はここに属する)
Mixed:混合
そもそもですが、太陽系における惑星の形成仮説は、日本の京都大学グループが育てた「京都モデル」が有名です。
こちらについては過去にもふれたので張り付けておきます。
上記の趣旨は、従来モデルと違って、地球型惑星にはもともと(遠い場所からでなく)周囲に水があったのではないか?
という新説です。
太陽系でさえこういった状態なので、まだ惑星の形成過程には謎が多いというわけです。
冒頭の実験も、コンピュータシミュレーションによって実験されました。
過去も同様の試みがありましたが、それぞれが独自の考え方に基づいて設計しています。
今回は、特に隣接する惑星の数の比率を重視しているようです。
今後も系外惑星探査は続いていき、より精緻な値が届きます。
それに応じて今回のモデルが確からしいかどうかも評価されると思います。
が、今回の仮説をいったん受け入れて、
「レアな太陽系惑星とそこから生命、しかも人類というレアな知的生命体が誕生したことに関連はないのか?」
秋の夜長にそんな妄想に浸るのもありかも、と思う今日この頃でした。
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