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カルダシェフとセーガン:宇宙文明を測る新たな視点

前回まで、エネルギー消費量で宇宙文明を分類したカルダシェフスケールをもとに、現代科学をストレッチしてその可能性について妄想しました。

ただ、これだとエネルギー効率性の視点が抜けてしまいます。つまり、高度な文明は、より省エネな仕組みを作るのではないか、という至極まっとうな意見です。

例えば、目下最先端のスーパーコンピュータは、1エクサスケールに到達したことは以前にも触れました。

フロンティアと呼ばれますが、その消費電力は21M(メガで100万)Wです。
一方で我々の脳は20Wで、実に百万倍の開きがあるわけです。それほどエネルギーを使っても、いまだに我々の脳を目指した人工知能は出来ていないわけです。

と、このような問題意識を背景に、宇宙文明の分類には、もう1つ有名なものがあります。

カール・セーガンが唱えた「情報の消費量」で分類する方法です。

情報量はデジタル化でそのカウント方法はわかりやすいと思います。

セーガンは$${10^6}$$ビットの情報量にAの文字を割り当て、続く各アルファベットで情報量が一桁ずつ上がるものと定義しました。アルファベットなのでレベルZが最後でその文明は$${10^{31}}$$ビットを持つことになります。
言い換えると、いかなる文明もそれ以上の情報量を持つことはできないと推測しました。

この分類に従うと、1973年の地球は0.7 H文明であり、$${10^{13}}$$ビットの情報にアクセスできます。

ただ、それ以降PCやスマホ化で幾何級数的にデータは爆発しています。

1つ統計データを引用しておきます。

上記サイト内の図。

横軸のゼタバイトは$${10^{21}}$$です。

つまり、2025年には1.8 Rに達していることになります。

仮に、2020年から2025年の伸び率が今後も一定(計算すると約1.23倍)とすると、2111年にはセーガンの定めた最後のZに到達してしまいます。

もちろんセーガンの推測は20世紀後半での知識・観測に基づくものなので、そこまで深刻に取り上げなくてもかまいません。

ただ、この情報量に着目しただけでも慧眼だと思います。

このカルダシェフとセーガンの2つを組み合わせたものが現実的な尺度になるのだろうと思います。

以前はタイプⅡ文明が見つかる可能性は低い(少なくとも1つも見つからなかった)と思われてましたが、その候補が出てきたのが今回の記事のきっかけです。

セーガンの情報量による宇宙文明分類も、今の状況から再定義してみてもよい時期かもしれません。

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