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アナログ&デジタルのクロスオーバー広報

マンションメーカー広報担当15年、PR会社経営15年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.マスメディア報道をきっかけにWeb検索へ導く

マーケティングにおいて、今やWeb戦略が欠かせないものになっていますよね。中小企業がブランドづくりをしようとするとき「PRとWebの連動が勝負のカギ」ともいわれています。

もはや企業PRは、既存のマスメディアに向けたプレスリリースの発信だけでは成り立ちません。同時にニュースサイトやSNS、自社Webサイトによる情報発信をクロスオーバーさせて、いかに相乗効果を高めるかが、中小企業の発展の鍵を握るのです。

アナログとデジタル、文字と音声と映像、VRなど、表現の仕方や伝え方のバリエーションは無限に広がっています。情報の収集、加工、発信、拡散などあらゆる面でネットの使い方を習得していくことが、中小企業にも求められています。

2.PUSHとPULLの両面から考える

いま、リアルタイムでテレビ番組を見る視聴者がどんどん減っており、視聴率という概念は意味を持たなくなっています(ビデオリサーチは2016年から、番組を録画して見る「タイムシフト視聴率」の測定も始めていますが)。かなり以前から、企業CMは視聴率ではなく最後に出す検索(「続きはWebで」といった見せ方)をどれだけクリックしたかで費用対効果を計る企業が増えてきています。

この場合、マスメディアでの広告は、自社Webサイトや通販サイトへ誘導するきっかけという位置づけです。広告で押し(PUSH)ながら、Webサイトに引き込む(PULL)のです。

PRでいえば、「テレビや新聞に取り上げられた翌日に店の前に大行列ができる」というのは遠い過去の話。今は、マスメディアの記事やニュースを目にして興味を持ったら、パソコンやスマホで店や商品名を検索して、WebサイトやTwitter、まとめサイト、口コミサイトなどを確認して、関連情報を手に入れた後に、買うか買わないかを判断するという過程を経ていきます。すぐに極端な行動には移らなくなったのです。

今あなたの会社がすべきことは、マスメディアにプレスリリースを届けて報道を獲得し、それをきっかけとしてネット内にちりばめられた自社情報を見つけてもらい、さらにネット上の口コミなどの情報連鎖を誘発するようにすること。つまり、「PUSH型」のアプローチと「PULL型」のアプローチの両面からすすめていくことです。

「マスメディアに取り上げられれば、客が増える」ではなくて、「マスメディアの報道は、Webメディアへの引き金となる。だからまず、マスメディアに向けて情報発信しよう」、という意識改革が必要になります。

3.自社Webサイトに必要なコンテンツ

 あなたの会社が配信したプレスリリースを記者が目にして、内容に興味を持ったら、次は必ず、その会社のWebサイトを確認します。

その際、プレスリリースには書かれていない、あなたの会社の歴史や経営理念、事業方針、商品群と特長、社長のプロフィール、社員紹介、顧客の声などが、詳細かつ明快に掲載されていると、この会社を取材すべきかどうかを判断しやすくなるんです。

さらに、社内のメディア受け入れ態勢が整っていることを示すために、メディアからの専用問い合わせフォームと受付電話番号(代表や総務の電話でも可)を明示しておくとよいでしょう。また、過去に発信したプレスリリースや掲載実績のアーカイブを自社Webサイトにもアップしておくことで、記者がキーワード検索からプレスリリースを見つけ、忘れたころに取材につながるケースもあります。

4.デジタルネイティブに任せよう

あなたの会社が「地方発・全国ブランド」を目指すなら、地元のテレビ、雑誌、新聞だけをターゲットとするアナログ一本のPR戦略では明らかに不十分です。

ニュースサイトや動画サイト、まとめサイトや読者の多いブログにURLが勝手に貼り付けてあったり、SNSで口コミが拡散したり・・・。そういったネットメディアの中に、自社の情報をいかに多くちりばめ、いかに広げられるかが、今後の地方中小企業の成長のカギになってきます。

そうした多彩なWebメディアを戦略的に使いこなすには、デジタルネイティブ(生まれたときすでにインターネットやパソコンが身の回りにあった世代の人たち)の感性が欠かせません。もしも、経営者であるあなたが「ネットやスマホは苦手」と感じる世代なら、その部分だけは早めに全権委譲し、若い人たちに引き継ぐほうが得策でしょうね。

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