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記者という不思議な人々

マンションメーカー広報担当15年、PR会社経営15年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.記者をあなたの会社の応援団にするために

企業の広報やトップがメディアの記者たちとどんな付き合い方をするかは、PRの重要なカギ。ひと月に何人の記者と面談できたか。その積み重ねは企業の情報発信力につながっていきます。

相手は新人記者から中堅のデスク、支局長級と幅広いですが、まずは自社を担当してくれる若手の記者を大事にすること。また、各社の記者に対して、発行部数の多さや肩書きで対応を変えない、極力フラットな姿勢を心がけることも重要ですね。

そして、彼らが取材に来たときには明るく迎えて、聞かれたことに明確に答え、記事に盛り込むのに十分な情報を提供すること。これらができたら、記者が企業の応援団となって、プラス記事をどんどん書いてくれるようになります。

ともあれ、記者と付き合うにはまず、記者の気質を知っておかなくてはなりません。

2.記者とは、こんな人たち

記者とは、簡単にまとめるとこんな感じの人たちです。

①面白い話を欲しがる
面白いといっても、単に「笑える」だけの話には興味がなく、「目新しい」「社会的関心が高い」「今、旬な」情報で、頭の隅に「!」や「?」が湧くモノ、コトであれば食いついてきます。

②根拠(数字・事実の裏づけ)を欲しがる
彼らは原則として、客観的な第三者の視点で記事を書かなくてはいけないので「本当のこと」「情報の根拠が明らかなこと」しか書けません。誤った情報を真に受けて、事実と異なる記事を書いてしまえば責任問題になるからです。一度は疑ってかかり、その確証を得ようとします。

③早熟に見えて未熟
新聞記者は若いときから企業のトップと互角に渡り合うので、早熟な印象がありますが、社会人としては未熟な面もたくさん持っています。時には年長者として、人としてのルールや礼儀などを諭すことがあっても、彼らは聞く耳を持っています。

④なんでも知りたがり
記者は「知りたい欲」のかたまり。知らない世界を教えてくれる人には尊敬の念を抱き、親しくしたいと思っています。

⑤締め切りに追われ、慢性的に忙しい
マスメディアは毎日、新しい情報を発信し続けなくてはなりません。しかし、新聞社やテレビ局は、他の業種以上に人員削減が急速に進んでいます。少ない記者で同じエリアや領域をカバーしなくてはならず、慢性的に時間に余裕がないまま日々を送っています。

⑥反骨精神と大衆迎合の間で悩む
彼らは社会的公正な立場で記事を書くという使命を持っています。彼ら一人ひとりが反骨精神、批判精神を持って社会の問題に挑みますが、新聞社やテレビ局という組織で見ると、大衆への迎合傾向が見られます。記者はその間で悩みながら仕事をしています。

⑦短時間で集中的に事に当たる
彼らは常に複数の記事を並行して準備しています。興味のある情報は短時間にぐっと集中して取材し記事を書く。その集中力は素晴らしいですが、切り替えも早いし、忘れるのも早いんです。

⑧常に他社の動向を気にしている
自社以外のメディアはすべてライバル。担当分野で自分の知らない大ニュースを他紙に抜かれるほど悔しいことはありません

⑨みんな優秀だけど所詮シロウトである
記者はみんな、有名大学を出た秀才ぞろいです。会話を聞くと頭の良さがわかりますが、業界紙の記者でもなければ、初めて取材する業界のことはほとんど知りません。話すときには業界用語や専門用語を使わず、極力わかりやすく説明してあげましょう。

⑩企業に雇われたサラリーマン
記者であろうと新聞社、テレビ局という企業に雇われたサラリーマンとして組織の中で一生懸命生きている、人間性豊かな人たちばかりです。取材が終わったらプライべートな会話でお互いの共通点が見つかったり、共感が生まれたりもします。人間対人間として心を開いて付き合えば、必ずこちらの思いに応えようと努力してくれます。

3.相手を尊重し、誠実に、人間臭く付き合おう

普通の会社員とは違う、ちょっととっつきにくい彼ら。こんな個性的な記者たちと良好なコネクションを築くには、平等の関係を保った上で、相手を尊重し、礼儀正しく、誠実に、正直に、そして人間臭く付き合うのが一番です。

怖がらずに、積極的に話しかけ、情報を提供しましょう。

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