うつろひ、とは
転居だったり
枯れて散っていくもの
色づいていくもの
のこと。
変わっていくことに美しさを見出だして
変わったり
変われなかったりするおはなしを
ここに。
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掌編小説「ガラシャ殺し」
ーー侍女清原糸曰く
ガラシャ殺しーー清原糸曰く
こい瀬伊音
その茶碗を、「夫」は時々取り出して眺めた。正座した膝のまえに置き、ぬかづくようにしながら眺める。曲線、粒だった肌。釉の加減でくるまれたところと地肌を剥き出しにしたところ。ゆっくりと愛でたあと手に取った。つるりと丸みを帯びた側面から指のはらを這わせ、ざらりとの境目を撫でる。そのときには目を閉じていて、いえ、