マガジンのカバー画像

不易流行の経営学:ビジネスの今を知る

42
運営しているクリエイター

2021年7月の記事一覧

転売屋はなぜ悪なのか

転売屋はなぜ悪なのか

雑誌『ホビージャパン』を手掛けるホビージャパン社は、2021年7月26日、Twitterアカウントでプラモデルなどの買い占めや転売を容認する発言を行った編集者1人を退職処分にしました。その上司にあたる常務取締役など3人も降格となり、世の中に衝撃を与えています。

そのツイート内容はこんな感じでした。
「転売を憎んでいる人たちは、買えなかった欲しいキット(商品)が高く売られているのが面白くないだけだ

もっとみる
組織のミッションと自分の思いが一致しない。それは、あなたが一人前である証であり、組織が確固たる理念を持っている証でもある。

組織のミッションと自分の思いが一致しない。それは、あなたが一人前である証であり、組織が確固たる理念を持っている証でもある。

組織のミッションと、自分の思いとが、一致しない。

すごくつらい状態ですよね。組織に対して不満を感じてくるし、上司や同僚にも腫物扱いされたり、自分も心苦しくなったり。これって、どうしたらいいのでしょうか?

その解決の糸口は、組織ミッションと個人の思いは一致しないのが「自然な状態」だということを認めてしまうことです。

あなたは、全人格的な存在だ。独立した個人なのだ。そうであるならば、その個人のあ

もっとみる
ビジョン策定のためのMVP分析

ビジョン策定のためのMVP分析

企業のこれからの方向性に関する言葉が氾濫しています。

ミッション、ビジョン、バリュー、パーパス。

これだけあると混乱も止む無しなので、それぞれの概念の定義に基づき、整理するとともに、使い分け方を論じてみたいと思います。

これらの概念は、時間軸上のどの点を参照するのかという観点で整理できます。

遠い先の未来に向けての、自社の使命 ― ミッション
近い未来を、具体的に描いたもの ― ビジョン

もっとみる
どうして志高いビジネスパーソンほど、怪しい扇動者になびいてしまうのか

どうして志高いビジネスパーソンほど、怪しい扇動者になびいてしまうのか

「怪しい扇動者が跋扈する中で、アカデミアの知の領域を広げることがAPSの使命」という内容に対して、真摯なご質問をいただきました。プライベートなことも含むので詳細は控えますが、以下が概略です。

「私の知り合いの、とても志高く事業に取り組まれていた人も、変な扇動者にはまって、人生の最後がとても悲しい形になった。どうして人は怪しい扇動者にはまってしまうのか」。

こちら、とても重大な問題だと思いました

もっとみる
健全に疑ってみるダイバーシティ経営。

健全に疑ってみるダイバーシティ経営。

ダイバーシティは、これからの時代の企業倫理であり、イノベーションのための手段である…そんな言葉が、この言葉を前に人々を思考停止に陥らせます。

倫理であるにせよ、事業戦略であるにせよ、理屈で腹落ちしなければ、実施すべきではないし、したところで効果は上がらない。ビジネスなんだから、そこには明確な理由がなければ。

かくして、全力で疑ってかかったうえで、ダイバーシティというものの値踏みしてみましょう。

もっとみる