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ビジョン策定のためのMVP分析

企業のこれからの方向性に関する言葉が氾濫しています。

ミッション、ビジョン、バリュー、パーパス。

これだけあると混乱も止む無しなので、それぞれの概念の定義に基づき、整理するとともに、使い分け方を論じてみたいと思います。

これらの概念は、時間軸上のどの点を参照するのかという観点で整理できます。

遠い先の未来に向けての、自社の使命 ― ミッション
近い未来を、具体的に描いたもの ― ビジョン
現在、会社は社会に何を提供しているのか ― バリュー
原点に立ち返って確認する、自らの存在意義 ― パーパス

この定義に沿って正しく使いましょうね、などという無粋なことは言いません。正しい使い分けができたからといって、ビジネスを上手く運べるようになるわけではありません。

大切なことは、どうしてこんな沢山のワードが必要になったのか、という理由を考えていくこと。

そこからは、企業の未来を見つめていくにあたっては、未来目標も大切だし、原点に立ち返るのも大切だし、今を正しく見つめることも大切だということが分かってくる。それぞれの大切さを強調するなかで、様々な言葉が使われてきている。

これらの言葉の中で、企業戦略上、一回り上の役割を担っているのがビジョンです。企業の中期経営計画の中で、3年先、5年先、あるいは1年先の状態として描かれる、具体的な企業の未来像。内部のメンバーの意思を統一し、外部に向けて自社の目指す姿を語り、投資家を惹きつけ、顧客と信頼関係を結ぶために、数字目標を伴う具体的な少し先の未来へのコミットメント。それが、ビジョン。

このビジョンを作るうえでの参照点となるのが、未来社会創造の使命:ミッション(M)、現在時点で社会に果たしている役割:バリュー(V)、過去を振り返ってさぐる自分たちの原点:パーパス(P)。これらの、M、V、Pを分析する中から、少し先の戦略目標たるビジョンを描いていくことになるのです。

これは、世代や部門をまたいで、皆が目指せるビジョンを描くうえで、とても大切になる考え方です。若いメンバーや、変革を志す人々は、過去をスッパリ切るような戦略を描いてしまいがちです。他方、社内のベテランは過去と現在の延長線で、未来を描こうとする。どちらにも目配せをしながら、皆が納得して向かっていく未来図を描くために、未来・現在・過去すべてを参照点としてビジョンを描く必要があるのです。

そんなわけで、企業戦略を描く上での第一歩としての、MVP分析、ぜひにも取り入れていただきたい考え方です。グループワークとして取り組むのも非常に有効です。メンバー全員で、過去と現在を振り返り、未来の姿を共有しながら、目指すべき未来を構想することができますからね!

この概念をまとめたワークシートPPTも用意してみました!よろしければ、ぜひご活用ください!


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