田村耕一

田村耕一

記事一覧

第26回「クレイジー関連本 いろいろあるよいろいろね」

クレイジーキャッツ関連本は数多く出版されており私の書棚も一杯になっていますが、今回はその主なものを紹介したいと思います。 ◯「ハナ肇とクレージーキャッツ物語」198…

田村耕一
6日前
6

第25回「夏に聴きたい!植木さん、谷さんの平成の名盤」

1970年代以降、クレイジーキャッツのメンバーは個々の俳優活動などが中心になっていましたが、平成に入ってから植木等さんは「スーダラ伝説」「スーダラ外伝」など次々とCD…

田村耕一
1か月前
9

第24回「日劇や宝塚劇場を沸かせたクレイジーキャッツ」

クレイジーキャッツは、映画、テレビ、音楽、舞台というエンターテイメント全ての分野で活躍した稀有な存在ですが、今回は舞台での魅力について紹介したいと思います。 私…

田村耕一
1か月前
7

第23回「平成にブレイクした植木等コンサート」

1991年(平成3年)の今日、6月10日、全国縦断してきた「植木等 ザ・コンサート"いろいろあるよいろいろね」のラストステージが、東京NHKホールで開催されました。 パンフレ…

田村耕一
2か月前
15

第22回「クレイジーのラプソディ・イン・ブルー」

今年2024年は、アメリカの作曲家ジョージ・ガーシュウィンがピアノ独奏と管弦楽のために作曲した「ラプソディ・イン・ブルー」がニューヨークで初演されて100周年にあたり…

田村耕一
3か月前
2

第21回「GWはマフィアも黙った超大作"クレージー黄金作戦"を」

いよいよゴールデンウイーク(黄金週間)が始まりましたが、4月末から5月初めにかけての大型連休を黄金週間と名付けたのは、集客目的を狙った映画会社と言われています。 196…

田村耕一
3か月前
5

第20回「山田洋次監督とクレイジーキャッツ後編」

1966年、「なつかしい風来坊」でブルーリボン賞の主演男優賞、監督賞を受賞した後も、ハナ肇さん、山田洋次監督コンビの作品は続きます。 1967年の「喜劇 一発勝負」は、…

田村耕一
4か月前
2

第19回「山田洋次監督とクレイジーキャッツ 前編」

現役の日本を代表する監督と言えば、山田洋次監督をあげる方も多いと思います。「男はつらいよ」をはじめ数々の名作を送り出し、92歳の今も活躍を続けておられますが、喜劇…

田村耕一
5か月前
6

第18回 「1960年代東宝のドル箱だったクレイジー映画」

1962年から1971年まで続いた東宝クレイジー映画は30本で、その一つ一つに笑ったり、落ち込んだ気分を救ってもらったり、植木等さんのような有言実行の大人になりたいと思っ…

田村耕一
6か月前
6

第17回「谷啓が誘う美の壺」

先日、NHKのアーカイブで谷啓さんが、ジャズにのめり込むきっかけとなったデュークエリントン楽団演奏の「りんごの木の下で」のレコードを探してアメリカを訪ねる番組が放…

田村耕一
7か月前
13

第16回「紅白歌合戦と新春かくし芸大会」

2024年は能登地震、日航機炎上というショッキングな出来事で平穏な日常生活の大切さを実感する波乱の幕開けとなりました。 テレビ全盛の頃、昭和の穏やかな年末年始には国…

田村耕一
7か月前
7

第15回「布施明とクレイジーキャッツ」

2023年12月16日、神戸国際会館こくさいホールで開催された「布施明コンサート 刹那の夢がたり」を鑑賞、会場は老若男女で満員、12月18日で76歳になるとは思えないパワフル…

田村耕一
8か月前
23

第14回「ハナ肇邸での忘年会」

師走に入り、忘年会の季節になりましたが、私には忘れられない忘年会の思い出があります。 1970年代以降クレイジーキャッツは個々の活動が中心になっていましたが、もとも…

田村耕一
8か月前
9

第13回「クレイジー映画のミューズ(女神)はボンドガール」

全30作ある東宝クレイジー映画には、団令子さん、池内淳子さん、草笛光子さん、白川由美さん、淡路恵子さん、浅丘ルリ子さん、野川由美子さん、司葉子さん、内藤洋子さん、…

田村耕一
9か月前
8

第12回「最後のクレイジー ありがとう犬塚弘さん」

2023(令和5)年10月27日、ハナ肇とクレイジーキャッツのベーシストで俳優としても活躍した犬塚弘さん、愛称「ワンちゃん」が亡くなられたことがニュースで流れました。翌日…

田村耕一
9か月前
8

第11回「地域ドラマの傑作 名古屋嫁入り物語」

「お祝い事好き」な名古屋では、結婚式にもお金をかけ、周りと一緒に盛大に行う独特の風習があります。例えば、たくさんの嫁入り道具をトラックに乗せて(ガラス張りのトラ…

田村耕一
10か月前
14
第26回「クレイジー関連本 いろいろあるよいろいろね」

第26回「クレイジー関連本 いろいろあるよいろいろね」

クレイジーキャッツ関連本は数多く出版されており私の書棚も一杯になっていますが、今回はその主なものを紹介したいと思います。
◯「ハナ肇とクレージーキャッツ物語」1985年10月、山下勝利著、朝日新聞社
週間朝日の連載が本になりました。

○結成35周年記念「クレージーキャッツ55ー90」1990年6月、編集アドリブ、発行清水弘文堂
ヒット曲35曲の楽譜も掲載されています。

◯「ジ・オフィシャル ク

もっとみる
第25回「夏に聴きたい!植木さん、谷さんの平成の名盤」

第25回「夏に聴きたい!植木さん、谷さんの平成の名盤」

1970年代以降、クレイジーキャッツのメンバーは個々の俳優活動などが中心になっていましたが、平成に入ってから植木等さんは「スーダラ伝説」「スーダラ外伝」など次々とCDアルバムをリリース。スチャラダパーのアルバムに参加するなど若手のミュージシャンとの共演機会を増やしていた谷啓さんもソロアルバムを発表しました。その中から、夏聴くのに最適なお二人のCDアルバムを紹介します。
○「植木等的音楽」(1995

もっとみる
第24回「日劇や宝塚劇場を沸かせたクレイジーキャッツ」

第24回「日劇や宝塚劇場を沸かせたクレイジーキャッツ」

クレイジーキャッツは、映画、テレビ、音楽、舞台というエンターテイメント全ての分野で活躍した稀有な存在ですが、今回は舞台での魅力について紹介したいと思います。
私が初めてクレイジーの舞台を見たのは、1965年(昭和40年)前後、小学生か中学生の頃だったと思いますが、広島県立体育館でクレイジーのショーが開催されることになり、東芝の電気製品を一定額以上購入した人が観覧できるというシステムで、母親にせがみ

もっとみる
第23回「平成にブレイクした植木等コンサート」

第23回「平成にブレイクした植木等コンサート」

1991年(平成3年)の今日、6月10日、全国縦断してきた「植木等 ザ・コンサート"いろいろあるよいろいろね」のラストステージが、東京NHKホールで開催されました。

パンフレットの中で、志村けんさんは、植木さんに次のような言葉を贈っています。
「ウンジャラゲ」の時はいろいろお世話になりました(植木さんのヒット曲を志村さんがカバーしています)。それにしてもあなたはどういう人ですか。64歳でレコード

もっとみる
第22回「クレイジーのラプソディ・イン・ブルー」

第22回「クレイジーのラプソディ・イン・ブルー」

今年2024年は、アメリカの作曲家ジョージ・ガーシュウィンがピアノ独奏と管弦楽のために作曲した「ラプソディ・イン・ブルー」がニューヨークで初演されて100周年にあたります。

この曲は、ジャズとクラシックが見事に融合した作品として、今も高い人気を誇っていますが、私は、この曲を聴くと、1967年12月28日に放映された、「植木等ショー24回"われもし指揮者なりせば"」(TBS系)でのクレイジーキャッ

もっとみる
第21回「GWはマフィアも黙った超大作"クレージー黄金作戦"を」

第21回「GWはマフィアも黙った超大作"クレージー黄金作戦"を」

いよいよゴールデンウイーク(黄金週間)が始まりましたが、4月末から5月初めにかけての大型連休を黄金週間と名付けたのは、集客目的を狙った映画会社と言われています。
1967年4月29日、黄金週間に合わせ東宝創立35周年記念映画として、当時としては珍しい一本立て、上映時間2時間37分、製作費1億8千万円という破格のスケールで封切られたのが「クレージー黄金作戦」です。
脚本家の田波靖男さんの著作、「映画

もっとみる
第20回「山田洋次監督とクレイジーキャッツ後編」

第20回「山田洋次監督とクレイジーキャッツ後編」

1966年、「なつかしい風来坊」でブルーリボン賞の主演男優賞、監督賞を受賞した後も、ハナ肇さん、山田洋次監督コンビの作品は続きます。
1967年の「喜劇 一発勝負」は、夏目漱石の「坊ちゃん」と落語の「山崎屋」をヒントに作られた作品で、ハナさん扮する家出した老舗旅館の放蕩息子が十数年後に帰郷、温泉掘削という起死回生の一発勝負を図るが、娘に反抗され、親不孝の因果は巡るという話。

この作品のヒットで「

もっとみる
第19回「山田洋次監督とクレイジーキャッツ 前編」

第19回「山田洋次監督とクレイジーキャッツ 前編」

現役の日本を代表する監督と言えば、山田洋次監督をあげる方も多いと思います。「男はつらいよ」をはじめ数々の名作を送り出し、92歳の今も活躍を続けておられますが、喜劇の監督として山田洋次監督が脚光を浴びたのは、ハナ肇さんと組んだ数々の作品がスタートです。
1961年に「二階の他人」で監督デビュー、1963年に倍賞千恵子さん主演の「下町の太陽」を撮った山田監督に、監督第3作として藤原審爾さん原作の「庭に

もっとみる
第18回 「1960年代東宝のドル箱だったクレイジー映画」

第18回 「1960年代東宝のドル箱だったクレイジー映画」

1962年から1971年まで続いた東宝クレイジー映画は30本で、その一つ一つに笑ったり、落ち込んだ気分を救ってもらったり、植木等さんのような有言実行の大人になりたいと思ったり、とにかく見終わった後、爽快な気分にさせてくれました。東宝クレイジー映画の詳細は、娯楽映画研究家・音楽プロデューサーとして活躍の佐藤利明さんたちが編集した「クレージー映画大全 無責任グラフィティ」(フィルムアート社)で紹介され

もっとみる
第17回「谷啓が誘う美の壺」

第17回「谷啓が誘う美の壺」

先日、NHKのアーカイブで谷啓さんが、ジャズにのめり込むきっかけとなったデュークエリントン楽団演奏の「りんごの木の下で」のレコードを探してアメリカを訪ねる番組が放送されました。

谷啓さんはクレイジーキャッツでトロンボーンを担当、クレイジーに入る前から「スイングジャーナル」誌などのトロンボーン奏者人気投票で常に上位にランクされる一流のジャズマンです。中央大学在籍時から日劇などに出演、舞台と舞台の合

もっとみる
第16回「紅白歌合戦と新春かくし芸大会」

第16回「紅白歌合戦と新春かくし芸大会」

2024年は能登地震、日航機炎上というショッキングな出来事で平穏な日常生活の大切さを実感する波乱の幕開けとなりました。
テレビ全盛の頃、昭和の穏やかな年末年始には国民的番組と言われる番組がありました。このいずれにもクレイジーキャッツは関わっていました。
年末の番組は、今でも続いている「紅白歌合戦」(NHK)。最高視聴率は1963年の81.4%。
植木等さんの「スーダラ節」は1961年8月に発売され

もっとみる
第15回「布施明とクレイジーキャッツ」

第15回「布施明とクレイジーキャッツ」

2023年12月16日、神戸国際会館こくさいホールで開催された「布施明コンサート 刹那の夢がたり」を鑑賞、会場は老若男女で満員、12月18日で76歳になるとは思えないパワフルな歌声に魅了され、元気をもらいました。

布施明さんは1965年にクレイジーキャッツと同じ渡辺プロダクションから歌手デビュー、渡辺プロ制作の人気音楽バラエティ番組「シャボン玉ホリデー」(日本テレビ系)にもたびたび出演し、次々と

もっとみる
第14回「ハナ肇邸での忘年会」

第14回「ハナ肇邸での忘年会」

師走に入り、忘年会の季節になりましたが、私には忘れられない忘年会の思い出があります。
1970年代以降クレイジーキャッツは個々の活動が中心になっていましたが、もともとジャズマンのハナ肇さんは、1985年55歳の時、音楽への強い気持ちから、「ハナ肇とオーバー・ザ・レインボー」というジャズバンドを結成しました。メンバーは、ハナさんがリーダーでドラムを担当、ピアノに宮川泰さん、テナーサックスに稲垣次郎さ

もっとみる
第13回「クレイジー映画のミューズ(女神)はボンドガール」

第13回「クレイジー映画のミューズ(女神)はボンドガール」

全30作ある東宝クレイジー映画には、団令子さん、池内淳子さん、草笛光子さん、白川由美さん、淡路恵子さん、浅丘ルリ子さん、野川由美子さん、司葉子さん、内藤洋子さん、酒井和歌子さん、若大将のマドンナ星由里子さんなど多くの華やかな女優さんが出演しています。その中でも、植木等さんの相手役として最も出演作が多いのが浜美枝さんです。植木さんやハナ肇さんの紫綬褒章や映画賞受賞などのお祝いの会ではいつもお見かけし

もっとみる
第12回「最後のクレイジー ありがとう犬塚弘さん」

第12回「最後のクレイジー ありがとう犬塚弘さん」

2023(令和5)年10月27日、ハナ肇とクレイジーキャッツのベーシストで俳優としても活躍した犬塚弘さん、愛称「ワンちゃん」が亡くなられたことがニュースで流れました。翌日のスポーツ新聞に目を通すと全紙ほぼ一面、サンケイスポーツなどは見開き二面を使って、犬塚さんと、これで全員が天国に旅立ったクレイジーキャッツを偲ぶ記事が掲載されていました。

犬塚さんの祖先は三河武士の系譜で、祖父の代まで新橋第一ホ

もっとみる
第11回「地域ドラマの傑作 名古屋嫁入り物語」

第11回「地域ドラマの傑作 名古屋嫁入り物語」

「お祝い事好き」な名古屋では、結婚式にもお金をかけ、周りと一緒に盛大に行う独特の風習があります。例えば、たくさんの嫁入り道具をトラックに乗せて(ガラス張りのトラックもあります)、紅白帯などの縁起の良いデザインを施し、新婦の家から新郎の家まで運ぶ「嫁入りトラック」。結婚式当日、新婦の家の屋根からお客様に向かってお菓子をまく「菓子まき」。結納品の一つとして送る、反物で宝船や鯛などの縁起物を模した「呉服

もっとみる