『詩』虫取りの朝
虫取りの朝
牛乳配達の瓶の音
朝顔の 花びらの上の朝露
その朝顔の観察日記
ラジオ体操の出席カード
水着を入れたビニールバッグ
駄菓子屋の前の氷旗
店先の竹床几
電信柱のミンミンゼミ
アイスキャンデーと排気ガスの臭い
ちゃぶ台の上の計算ドリル
そうめんの赤い糸緑の糸
タオルケットと額に貼り付いた髪の毛
甲子園のサイレンと竹製のうちわ
網戸の向こうの入道雲
出さなかった暑中見舞い
出すつもりの残暑見舞い
扇風機になびく細い布地と
蚊取り線香の匂いと麦茶
りんご飴を照らすアセチレンランプ
すぐに破れてしまうポイ
落としてしまった水風船の飛沫
提灯の列とアニメの音頭
おもちゃの打ち上げ花火が鳴って
落下傘が落ちてくる
お囃子の陰に取り残された
決して覗いてはならない
神社の裏の吸い込まれそうな暗がり
昔の夏のイメージ。詩と呼べるかどうかわかりませんが。
昔の扇風機の全面カバーには、なぜあんな細い布地のようなものがついていたんでしょう?
あと、昔の排気ガスは今よりいい臭い?だったような気がします。
今回もお読みいただきありがとうございます。
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