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かわいい子には旅をさせよ

私は、自分の作品にはあまり思い入れがない。

書いている時は、「こんな面白い作品はない」と、自負している。

舞台の台本、戯曲を他の劇団に提供する場合は、

「幸せになるんだよ」

と、別れを告げ、もう次の作品に取りかかる。  

稽古の様子を観に行ったり、

「ちょっと解釈が違いますね」

なんて、偉そうなことも言わない。

戯曲は机の上で完成するものではない

稽古場で、俳優が動いてみてわかることもある。

戯曲が完成するのは、幕が降りる時。

本番中でも、お客の反応によりかえてもかまわないと、私は考える。

劇作家には、珍しいかもしれない。

提供した戯曲は、

劇団の、俳優の

お客のもの

である。

「かわいい子には旅をさせよ」

という諺がある。 

「かわいいい子は、あえて家から出して、世間の苦労や困難を経験させるべきである」

と、いう意味。

それに近いが、どちらかというと

「かわいい子には、楽しいバカンスを味わってもらいたい」

と、いうニュアンスが良い。

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