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セッション定番曲その108:Like a Hurricane by Neil Young

ロック系セッションでの定番曲。ギターを始めてすぐに弾けるコードばかりで出来ている曲。細かいことは忘れてハジけましょう。
(歌詞は最下段に掲載)

和訳したものはあちこちのWebサイトに掲載されているので、ここではポイントだけ説明します。


ポイント1:漢(おとこ) Neil Young

孤高のロックンローラー、という敬称も自ら拒絶して転がり続ける漢。各時代で作風が違い過ぎて、一貫して彼の活動を追い続けているのはごく一部のコアなファンだけかもしれません。

たぶん一番ファンが多いのはソロ初期やCSN&Yでのアコースティックな曲と歌声。繊細で内相的な歌詞をか細い声で歌う印象でした。「Cinnamon Girl」「Down by the River」「Cowgirl in the Sand」「After the Gold Rush」「Heart of Gold」「Helpless」などは今でも人気曲で、カバーして歌っている人も多いですね。

一方で「Southern Man」「Ohio」「Alabama」など政治的なメッセージを込めた曲もありました。米国南部の偏狭さ、米国政府の暴力性を暴くもの。Neil Youngはカナダ人なので、尚更その辺に敏感だったのかもしれません。声は甲高くてか細いですが、ちゃんと通る声で、どんな演奏にも負けません。

そしてCSN&Yのライブアルバムで聴ける「そんなに上手くないけど弾きまくるリードギター」というのももうひとつの特徴でした。

その後、ヒット作を期待するレコード会社を翻弄するような問題作を連発したり、パンクロックやグランジ、ノイズミュージック寄りの作品を制作したり、原点回帰のアコースティック作を発表したり、演劇との融合作を試みたり、ずっと転がり続けています。

ポイント2:Like a Hurricane

1975年作曲、1977年発表。ハードロックというより既にパンクロックです。凶暴に歪んで叫び続けるギター。トレンドになった瞬間に骨抜きになった当時のパンクロックよりもはるかに本物のパンクロック。爆音で聴け!

1979年発表のライブバージョンでは更にすごいことになっています。


ロックに「魂」とか「精神性」とかを形容詞に付けるのはダサいこと、という風潮にいつの間にかなっていますが、本物を語るのはそう言うしかないです。計算ではなく感情、コントロールではなく開放。永遠の「中二病」。ロックもやっているうちに少しずつ上手くなっていって、賢く要領良く、客の喜ぶ曲や演奏をしようとなっていく訳ですが、Neil Youngは媚びない

歌詞の内容は、ある晩に出会った謎めいた女性について。

Once I thought I saw you in a crowded hazy bar
Dancing on the light from star to star

煙(タバコ?ウィード?)で霞んだバーで君を見かけたよ
僕には星を渡り歩きながら光の中で踊っているみたいに見えたんだ

You are like a hurricane
There's calm in your eye

君はまるで暴風雨みたいだ
「中心/目」には静けさが漂っている

And I'm getting blown away
To somewhere safer where the feeling stays

僕が近づくと風で吹き飛ばされそうだよ
飛ばされた先ではなんか気持ちが落ち着くんだけどね

なんか不思議なラブソングですね。彼女についての具体的な形容は無いのに、なんだか魅力的で魔力を持っている女性のようです。周囲に吹き荒れる風を突き抜けて彼女に辿り着けるのだろうか?

ポイント3:Unplugged

この曲のもうひとつのアレンジが1993年発表のアコースティックバージョン。パイプオルガンの響きに乗せて、せつなく歌われています。この振り幅がNeil Youngの面白いところ。


ポイント4:WELD

一方で1991年発表のライブバージョンではスケールの大きな演奏に乗せた、更に逸脱したギターソロが聴けます。もはやノイズミュージック


ポイント5:ギターソロ(スタイル)の分析

この曲のギターソロをコピーしてコメントを付けた動画がありました。指先が見えるので、大体どんなことをしているのか分かると思います。
「Neil Youngは所謂スーパーギタリストじゃないけど唯一無二のスタイルを持っている、聴いたらすぐに彼のギターだと分かる」「Neil Youngのギターは感情を揺り動かす」


◾️歌詞


Once I thought I saw you in a crowded hazy bar
Dancing on the light from star to star
Far across the moonbeam I know that's who you are
I saw your brown eyes turning once to fire

You are like a hurricane
There's calm in your eye
And I'm getting blown away
To somewhere safer where the feeling stays
I want to love you but I'm getting blown away

I am just a dreamer, but you are just a dream
You could have been anyone to me
Before that moment you touched my lips
That perfect feeling when time just slips
Away between us and our foggy trip

You are like a hurricane
There's calm in your eye
And I'm getting blown away
To somewhere safer where the feeling stays
I want to love you but I'm getting blown away

You are just a dreamer and I am just a dream
You could have been anyone to me
Before that moment you touched my lips
That perfect feeling when time just slips
Away between us on our foggy trip

You are like a hurricane
There's calm in your eye
And I'm getting blown away
To somewhere safer where the feeling stays
I want to love you but I'm getting blown away



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