セッション定番曲その125:Almost Like Being In Love
ジャズセッションの定番曲。歌っても演奏してもヨシ。どんなことを歌っているのでしょう?
(歌詞は最下段に掲載)
和訳したものはあちこちのWebサイトに掲載されているので、ここではポイントだけ説明します。
ポイント1:Natalie Cole
この曲の明るく爽やかな感じにはこの歌唱がぴったりですね。R&B系出身らしい伸びやかな声で歌いきっています。
お父さんはこんな感じ。
ポイント2:恋の歌ではない、と
It's almost like being in love
と歌っているので、今はまだ恋をしている訳ではないようです。
What a day this has been
What a rare mood I'm in
There's a smile on my face
For the whole human race
主人公はどうも気分の良い一日を過ごせたようですね。
最近こんな気分を感じたことはめったになかった、と。
で、思わず誰に対して笑顔を振り撒いてしまいます。
There's a music of life seems to be
Like a bell that is ringing for me
聴こえてくる音楽は自分の為に鳴っている鐘のようだ、と。
気分が高揚して、解放的な気持ちになって、恋に落ちる準備は出来ている、いつでも来い!という感じですね。この歌が歌っているのはここまでです。そんな時は心に隙が多いので、ダメな相手に騙されたり、付き合ってはいけない相手を愛してしまったりします。そこに付け込むのがプロの結婚詐欺師だったりするので、要注意です。
ポイント3:ジャズセッション向きの曲
歌が短くて覚えやすくて歌いきれるし、思わずスイングしてしまうウキウキしたリズムなので、ジャズ(ボーカル)セッション向きの曲だと思います。女性でも男性でも笑顔で歌いましょう。
テンポは速めでも少しゆったりめでもヨシ。下記のようにポップス寄りにアレンジしてもしっくりきます。「黒本2」に収録されています。
ポイント4:発音のポイント
What a day this has been
歌い出しの「w」の音、大事です。思い切って唇を尖らせてから出しましょう。
Why, it's almost like being in love
ここの「why」は単なる感嘆詞です。
ここは「L」音が沢山出てくるので、なるべく明瞭に歯切れよく発音しましょう。
There's a smile on my face
For the whole human race
「face」と「race」で韻を踏んでいます。こういう箇所は同じ語尾音も大事ですが「f」と「r」の違いをちゃんと強調することも大事です。
And from the way that I feel
When that bell starts to peel
ここも「feel」と「peel」で韻を踏んでいるので、上記と同じ注意が必要です。
ポイント5:色々なバリュエーションを聴いてみよう
Jo Stafford、1955年録音
このぐらいのテンポもいいですね。
Nicole Henry、2008年録音
ちょっとお色気溢れすぎかな・・・。
Diana Krall、2020年録音
ちょっとクールな歌唱スタイルがいいですね。
James Taylor、2020年録音
ポップスにアレンジされています。こういう気軽な感じもいいですね。
Michael Johnson、1978年録音
1970年代後半らしいメロウファンクにアレンジされています。
Red Garland、1956年録音
Sonny Rollins with Modern Jazz Quartet
Erroll Garner、1966年録音
独特のクセの強いリズムでの演奏。
◼️歌詞
What a day this has been
What a rare mood I'm in
Why, it's almost like being in love
There's a smile on my face
For the whole human race
Why, it's almost like being in love
There's a music of life seems to be
Like a bell that is ringing for me
And from the way that I feel
When that bell starts to peel
I would swear I was falling, swear I was falling
Why, it's almost like being in love