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Chief Creative Officerの仕事: 組織づくり

日本の事業会社のチーフクリエイティブオフィサー (CCO)は何をしているのか?外資系企業では一般的になりつつある役割ですが、まだまだ日本では認知が低い職業だと思います。最近は経営層にもCCO・CDO・CXOとしてデザイン人材が参画しているケースも増えているようですが、その役割や責任範囲も明確に定義されていないように思います。
私も就任時は前任者もロールモデルもおらず、手探りな状態からのスタートでした。4年目に入り、所属するメンバーの視座も上がり、クリエイティブ品質も目に見える形で向上し、国内外でのクリエイティブアワードの受賞など、具体的な変化もありました。
CCOとしての日々は正直かなり大変ではあるのですが、徐々にその知見も溜まってきているので、こちらに書き留めてみようと思います。

2017年5月にLIFULLに入社して以来、CCOとしては「個人ではなく、集団だからこそ生み出せる価値」にこだわってきました。主語が「私」ではなく、「私たち」で成果をあげるにはどうすべきか。日本発のグローバルブランドとしての組織づくり・採用・育成・品質管理をどのようにチャレンジしてきたのか。
今回は「組織づくり」についてまとめてみたいと思います。

クリエイティブとは何か

入社当初、デザイナー職は「制作」と呼ばれ、ブランド戦略やコミュニケーションプランニングといった役割は「プロモーター」「マーケター」という枠組みで整理されており、ブランドづくりに必要な役割が曖昧な状態でした。
CCOのミッションは、LIFULLグループ全体のブランド価値を最大化させることだと思っています。もちろん短期視点の売上利益とのバランスを取りながらにはなりますが、日本企業では中長期でのブランディング・ブランド投資に苦手意識がある企業が多いように思います。
日本企業では今も昔も、ビジネスモデルやサービスの機能性、技術開発力で事業成長してきた企業がとても多いのですが、サービス・テクノロジーの同質化、類似事業が多く登場する中で「生活者から選ばれる価値」をどう設計していくか、差別化を生み出すことが企業成長には不可欠な時代になりました。
また各事業で個別最適型の価値創造をしていては中長期で大きな飛躍は見込めないため、グループとしてブランド総体で創造する必要があると考えています。
ブランドとは、人格を持った生き物のような存在で、人の脳ではなく心や意識の中に記憶として蓄積されていきますし、近い将来「ブランドが自分自身をWell-Beingにしてくれるかどうか」という視点で、生活者は企業に投票するように、プロダクトやサービスを手に取る時代がくると思います。
そうした長期視点でのブランド構築を目的に、プロダクト・コミュニケーションからR&Dなどあらゆる領域において、最上流の戦略から出口のアウトプットまで、各領域のプロフェッショナルが専門性を発揮し、さらに各領域のプレイヤーがワンチームで一気通貫で業務遂行できる体制が必要だと考えました。

入社後にゼロから組織づくりを行い、現在LIFULLのクリエイティブ組織には、ブランド戦略立案・ブランド管理、コミュニケーション戦略立案・メディアプランニング・パブリックリレーション、プロジェクトマネジメント・リソースマネジメント、アートディレクション・ブランドデザイン・サービスデザインの各領域のプロフェッショナルが所属しています。またPRについては、経営企画室などに所属している会社が多く、クリエイティブ組織に含まれている会社はまだ少ないかもしれません。LIFULLも以前はそうでしたが、様々なサービス・コミュニケーションを行っていくうえで、出口となるメッセージの一貫性はとても大切だと思います(日々のプレスリリースの最終確認・フィードバックも私の業務です)。

一貫性のある選択ができる組織

もちろん企業の戦略やフェーズ・状況によって、とるべき組織のあり方は変わると思いますが、どんな粒度のプロジェクトであっても、どんな外部パートナーと仕事を共にするとしても、一貫性のある企業姿勢はとても重要だと思っています。
メディア露出が確実に見込めるブランデッドコンテンツ、短期的な売上が見込める打ち上げ花火のような広告だとしても、ブランドらしさが損なわれるアイデアは選ばずに、一貫性ある方向性を選ぶことが出来る。そういう組織でありたいと思っています。

次回は「Chief Creative Officerの仕事: 人材育成」というテーマでまとめてみたいと思います。

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LIFULL 執行役員 Chief Creative Officer。社会課題解決に取り組む事業のクリエイティブディレクションをしています。 http://koheikawasaki.com/

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