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#114 プロジェクトマネージャーはピッチ内外の監督
こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。
サッカーに例えたマネジメントシリーズの続編です。
このシリーズの最新記事はこちら。
iwasakiさんから「スクウェア・エニックスの河津さんは、ドンピシャでそうですね。」と補足をいただきました。ありがとうございます!!
さて、今日はプロジェクトマネージャーについての私見を述べます。
iwasakiさんのサッカーで例える「なんたら長」シリーズの最新記事で解説いただいている下記がキーポイントになります。
目先のことだけで考えないこと。
味方を理解すること。
皺寄せを考えること。
〇プロジェクトをサッカーのリーグ戦に例えると
プロジェクトとは、特定の目的を達成するためや、新しい事業・業務などを成功させるための明確な期限が定められた業務のことです。
つまり、リーグ優勝が特定の目的、1シーズンが明確な期限となります。
また、スクラム開発 (Scrum) という少人数のチームに分かれ短期間の開発サイクルをくり返し行うフレームワークがあります。
ここでは、リーグ戦の中の1試合をスクラム開発の1サイクルとして考えます。
プロジェクトとサイクル毎の目的をこのように整理します。
プロジェクトの目的:リーグ優勝
1サイクルの目的:1試合ごとの勝ち点の獲得
〇プロジェクトマネージャーの仕事
プロジェクトマネージャーは基本的にはマネージャーであり、パサーの役割です。
加えて、プロジェクトの目的達成に責任を持ちます。
ピッチ外では1シーズンを通してどのように勝ち点を積み上げるのかを計画し、シーズンの中での変化に対応しながらチームをリードします。
ピッチ内では味方と敵のプレイヤーと向き合い、試合をコントロールしパサーとして勝ち点獲得に貢献する役割を担います。
ピッチ外の監督であり、ピッチ内のパサーです。
非常にに重要な役割です。めちゃくちゃ大変なですが。。。
〇1試合のマネジメント
1試合ごとの役割は、チームが勝ち点を獲得できるように試合をコントロールすることです。
プロジェクトの1サイクルの目的を達成することでもあります。
そのために試合中には下記をこなします。
人に合わせた良いパスを出す
マネージャーはパサーです。
チームのメンバー一人一人に合わせたパスを出せるように味方の理解が欠かせません。
1サイクル内のタスクを人に合わせてアサインし、人に合わせてプロジェクトの情報をインプットし、人に合わせてフォローします。
何が出来て、何が得意で、どういう仕事の進め方をするかなどを把握すると良いパスが出せます。
コーチングとカバー
皺寄せを考えることです。
攻撃の途中でボールを奪われたらカウンターをくらいます。
失点の可能性を予見し自らがカバーに入ったり、適切なプレイヤーにコーチングをしてポジションを修正させることでカウンターによる失点を減らすことができます。
これは、攻撃陣のチャレンジによる守備陣への皺寄せを考えるということです。
1サイクルのメンバーの進捗を確認し遅れが出ないように進め方のアドバイスをしたり、遅れが出そうであれば手助けしたりと、進捗が滞らないようにコーチングとカバーを行うことで、誰かの遅れによる皺寄せを防ぐことができます。
試合の流れのコントロール
試合中に攻められ続けるような「悪い流れ」に陥ることがあります。
流れが悪いことを察知したら、チームに声をかけたり、ファールでプレーを止めて落ち着く時間を作り悪い流れを切ったり、流れを変えることが必要です。
逆に押せ押せムードの時は相手の弱点を徹底的つくなど、相手に流れを渡さないようにチームを導きます。
1サイクルの中では、チーム全体の進捗が止まるような事態に陥ったら、冷静に状況を分析し、改善策を考えて実行するなど、流れをコントロールすることと言えます。
ゲームプランの遂行・リカバリー
1シーズンを通した中の、目の前の1試合をどのように戦うべきかは変わってきます。
相手が格上の場合や怪我人などの影響でベストメンバーが揃わない時には引き分けを狙うなど、相手や状況に応じたゲームプランを立てて試合に臨みます。
チームがゲームプランを遂行できるようにコーチングすることは必須です。
守り切って引き分けを狙った試合で開始早々に失点するなどの不測の事態が起きたときはリカバリーしなければなりません。
プロジェクトにおいても1サイクルのプランを立て、プラン通りの進行を促し、遅延が起きる時にはリカバリーするのもプロジェクトマネージャーの役割です。
〇1シーズンのマネジメント
1試合ごとだけでなく、1シーズンを通してのマネジメントには、目先のことだけで考えないことが大切です。
長いシーズンの間には、連敗が続くことや、怪我人の離脱などネガティブな状況に陥ることもあります。
逆に長いシーズンの中でエースの台頭や新たな才能の発見、戦術の浸透などによってチームのレベルが上がるなど、ポジティブな変化を起こすことも必要です。
そのためには、各メンバーに適切にチャンスを与えて成長を促したり、コンバートによって新たな可能性を引き出すようなチャレンジも必要です。
チームの補強も考えないといけません。
シーズン全体を視野に入れるために遠くに目線を伸ばし、どのように勝ち点を積み上げるかのストーリーを描き、着実に遂行していくことが求められます。
その難易度についてはこちらでも触れています。
プロジェクトマネージャーはものすごいプレッシャーの中での難易度の高い課題との戦いになります。
それでも、これまでの経験を基に得た手法を駆使し、様々なチャレンジができる非常に面白い役割です。
ということで、ピッチ内外の監督であるプロジェクトマネージャーについて、サッカーに例えてみました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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