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#126 もやもやは境界から生まれる

こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。

昨日はプロセスにこだわりを持つことの難しさと、こだわるためには境界を無くすことが有用という話をしました。

先日、チームの若手エンジニアとの1on1で「もやもやしている」という話を聞いたのですが、まさに境界から生まれたもやもやでした。

今日はもやもやが境界から生まれる理由について考えてみます。

〇もやもやの正体とは?

若手エンジニアSさんは現在開発している機能の要件に対してもやもやしていました。
私達のチームでは顧客が1000項目以上におよぶ情報を登録するシステムを運用しており、Sさんは入力チェック機能を実装中です。どういうケースでどの項目のどういう入力をチェックするのか、その要件に腹落ちしていないということでした。

大量の項目を複数の担当者が順番に登録し最後に責任者が登録内容を確認するのですが、入力が完了していない状態で責任者に確認依頼を出せないようなチェックが求められていました。
「入力が完了していない状態」がケースバイケースであり、すべてのケースで正しくチェックすることは開発コストが大きくなりすぎてしまいます。
そのため、確認が漏れると業務影響が大きい需要な項目に絞ってチェックするように営業担当が顧客と調整してくれました。

システムとしては中途半端なチェック機能となること、チェック対象とチェック対象外の項目の基準がよくわからないことにもやもやしていたようです。

〇視座が低いともやもやする

こちらの記事で、「情報整理ができず,合理的な意思決定ができない人」は視座が低いという話をしています。

今回のチェック機能については、下記の点を考慮すると、合理的な要件に落とし込めていたと感じます。

  • 開発費用に対するかけられる開発コスト

  • 機能提供までの期間

  • 実際に登録業務を行う担当者にとっての重要度

Sさんの気持ちも非常に良くわかります。エンジニアの視点で見ると、厳密なチェック機能を作りたいものです。ユーザ、顧客、営業、エンジニアの境界で決まった要件にもやもやが生まれていました。

しかし、システムを利用するユーザーの視点、顧客の視点、営業の視点、プロダクトオーナーの視点など様々な視点で情報を整理することが出来ると、要件が決まった背景も理解でき、もやもやが減るはずです。


〇コミュニケーションが不足するともやもやする

ただ、視座を上げろ。というだけで視座は上がりません。
様々な視点からの情報や意図を知り、意思決定を繰り返すことで視座を上げることが出来ます。

様々な視点からの情報や意図を知っていくにはコミュニケーションが欠かせません。
今回のケースでは、ユーザー、顧客、営業の視点を持つ営業担当とエンジニアのSさんで要件を落とし込みました。
その際に、営業側の持つ視点や情報をもっと引き出せると良かったのだと思います。(その旨をSさんにお伝えしました。)

視座を高めるために、異なる視点の情報を交換し合えるような密なコミュニケーションが必要です。
前回の記事では、役割の異なるメンバー間の境界をなくし目的を共有できるように小さなチームを構成すべきと書いていますが、小さなチームはコミュニケーションの量を増やし、質を高めることにもつながります。


ということで、境界からもやもやが生まれること、密なコミュニケーションにより様々な視点からの情報や意図を知ることで視座が上がりもやもやを解消できることについての話でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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