トランス男性のこぐま

2023年、性別適合手術を受けて20年。 2024年、戸籍の性別変更して20年になる。…

トランス男性のこぐま

2023年、性別適合手術を受けて20年。 2024年、戸籍の性別変更して20年になる。 この区切りで何か始めようと思いたった。娘達は僕がトランス男性だと知らない。いつか娘達が知ってしまった時、カミングアウトできなかった弱さとその言い訳として、僕の歴史をここに残していく事にした。

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    ここから広げていく場合もあります。頭によぎった事をつぶやいておく所

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はじめに

※2024.5.25(娘たちへカミングアウトする理由) 娘たちへ(2023.7.) まず勘違いはしてほしくないのだけど、お父さんは決して2人を信用してないわけじゃない。 きっとカミングアウトしても、とまどいながら「そうなんだね」と僕に伝え、また毎日を過ごしていく中でどうでもいい事にしてくれると思う。 いつもその柔軟な思考で他人を受け入れていくし、お父さんはそんな2人を尊敬している。 ではなぜ2人にカミングアウトできずにいるかというと、お父さんがいまだ自分自身を受け入れ

    • 長女の生物学的な父の母から長女に食料などの仕送りをいただいたようだ。変わらずその場面になると気持ちは複雑だが、娘らを大事に思ってくれる人がいると思うと、ぐっと堪えてきた事も正解だったと思える。 一人でも多くの人が娘らに関わっていただければそれでいい。

      • 親の愛を知らない父に子から無償の愛情を押しつける

        僕が家族や友人を大事にする大きな理由は父の生い立ちにある。父は3歳の時に病気で母を亡くし、妻の死に立ち直れなかった夫である父の父はアルコールによる階段から落下して亡くなった。父は小5か小6(本人はよく覚えてない)で両親を失い、無償の愛情を受ける事なく大人になった。 両親を亡くした父の子供の頃の写真は10枚もない。父を引き取って育てた叔母。当時はとても貧しく、子供ひとり引き取るのも大変だっただろう。中学生から瓦を運ぶ仕事をしながら学校へ行き、その収入は叔母へ。 そんな貧しい

        • 「こうでなければならない」「根拠のない正しさ」で自分自身を追い込んでいく姿を見てきた。 人と違う事で責める人が多いが人は多面性があり一面で判断できない。マジョリティに流されるな!と言ってきたけど一人で戦うにはまだ幼いのかもしれない。自分の意思を優先にと娘へ会って言いたい。

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        • 長女の生物学的な父の母から長女に食料などの仕送りをいただいたようだ。変わらずその場面になると気持ちは複雑だが、娘らを大事に思ってくれる人がいると思うと、ぐっと堪えてきた事も正解だったと思える。 一人でも多くの人が娘らに関わっていただければそれでいい。

        • 親の愛を知らない父に子から無償の愛情を押しつける

        • 「こうでなければならない」「根拠のない正しさ」で自分自身を追い込んでいく姿を見てきた。 人と違う事で責める人が多いが人は多面性があり一面で判断できない。マジョリティに流されるな!と言ってきたけど一人で戦うにはまだ幼いのかもしれない。自分の意思を優先にと娘へ会って言いたい。

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          18本

        記事

          平日の昼間から心許せる友人と贅沢な時間🍻 いくつになっても変わらないなぁ。できるだけ早く到達できるようにもうひと踏ん張り頑張るから、もうちょい待ってて。

          平日の昼間から心許せる友人と贅沢な時間🍻 いくつになっても変わらないなぁ。できるだけ早く到達できるようにもうひと踏ん張り頑張るから、もうちょい待ってて。

          ゆっくりした夜の時間に、妻が奏でるピアノを愛犬と聴く事も積み重ねられた日々があるからこそで。

          ゆっくりした夜の時間に、妻が奏でるピアノを愛犬と聴く事も積み重ねられた日々があるからこそで。

          自分にも人にも優しくなりたい

          つぶやきにはおさまらなかったので記事にすることにした。 「悔しいくらいかっこいいー」 この友人にnoteを教えた。 数年前、僕はある事(記事にしました-親の愛をー)があり生きる事に疲れ切っていた。ずっしりのしかかる責任。僕にしかできないと思い込んでいた日々。コロナ禍もあり、孤立してどんどんと考えられなくなった。 なんとかそのしんどい日々を乗り越え、時が過ぎて昨年から娘達へのカミングアウトの件もあり人生を振り返る事を始めた。すると「俺ってめちゃくちゃ頑張ってきたやん!偉す

          自分にも人にも優しくなりたい

          カウンターの向こう側のひとびと

          今までオープンキッチンのカウンターでお客様と雑談しながら料理を出してきた。2店舗は修行で、今は自分の店舗でカウンターに立つ。 カウンターの向こう側にいるたくさんのお客様の人生の一部を聞かせていただいてきた。僕の財産のひとつはこのたくさんのお客様の時間。 自分の店を出した時、お客様ノートと名付け、お客様に好きな事を書いてもらうノートを置いた。表紙には僕からお客様へのメッセージとして「私の老後の楽しみになります」と書いた。そのお客様ノートも12冊になった。 お客様のひとりに

          カウンターの向こう側のひとびと

          人生の優先順位を決めたあとは

          僕は人の数倍頑張ってきたとはいえない。 近しい友人に高校の時から大人顔負けで働き、親の借金2000万を完済する人もいれば、会社を何社も設立する人もいれば、二人の子育てシンママで誰の援助もなく看護学校に通いながら看護師になり、家を建てた人もいる。 僕の苦労なんて大した事ないのだ。ギリギリに生きている人らはどんな事に対しても他責思考にはならない。ならないというより、なる暇がない、か。これは僕の周りだけの話だが100%そうであり、良い事悪い事丸ごと引き受けていく。 だから、こ

          人生の優先順位を決めたあとは

          引き受ける覚悟の先は安寧の地だったのかもしれない

          「僕は全ての手術が終わってー」で書いた様に、手術を全て終わらせた25歳に実家に帰った。弟が結婚し家を出る事になる時、僕は母に帰る約束をしていた。 「全部終わったら帰るけん、心配せんでいいよ」 誰も僕の過去を知らない土地で、自由に生活していた僕は実家に帰る事をすごく悩んだ。当時、長く付き合っていた彼女もいたし、ここで帰る選択をすれば、彼女とは一緒にならないだろう。彼女も親をみなければならない状況だったし、そこから離れられないと話し合っていた。 そして実家に帰るという事は、

          引き受ける覚悟の先は安寧の地だったのかもしれない

          https://note.com/koguma_f_jp/n/n2bdb839f1900 追記しました。 またひとつ、答えが出た気がしてます。

          https://note.com/koguma_f_jp/n/n2bdb839f1900 追記しました。 またひとつ、答えが出た気がしてます。

          代弁者と呼ばれる者への怒りから得られた意識

          「シンプルにー」では、僕という性同一性障害者の一例についてざっくりとわかりやすくかいたつもりだ。 そして今までのnoteで書いてきた様に、僕はたまたまこの時代に生まれ、若い時に医療や法律が整い人生を「普通の人」の様に過ごしてこれた。性同一性障害をもって生まれたが、実にラッキーだと思う。 とはいえ1999年頃、地方の医療機関では連続で拒絶され、気が遠くなる日もあったが、前向きな医師に出会い、ともに歩んでいき、大学病院へ繋いでくれた。 地方の情報のなさに嘆く時間があるならと、

          代弁者と呼ばれる者への怒りから得られた意識

          親へカミングアウトしたのは18歳の初夏だったのは覚えてて、猛烈な拒否反応があったが何を言われたかどうしても思い出せない。その後親に黙って注射を始め、偽名を使い逃亡生活に。

          親へカミングアウトしたのは18歳の初夏だったのは覚えてて、猛烈な拒否反応があったが何を言われたかどうしても思い出せない。その後親に黙って注射を始め、偽名を使い逃亡生活に。

          シンプルに僕にち◯こがあればそれでいいという話

          僕にとって性別適合手術は覚悟や努力などで行ったわけではなく、そうしなければ生きていけないと思ったからだ。 この感覚はそう感じる人にしかわからないもので、これは他の事にもいえると思うけど、その人にしかわからない感覚がある。 僕にはわからないあなたの感覚があるように、僕のこの気持ちは僕にしかわからない。 僕が受けた当時、性別適合手術は数百万かかった。23歳から手術を受け始め25歳まで2回にわけて100万以上のお金をかけて行なった。若く、定職もなく、一人暮らしの僕にその金額を貯

          シンプルに僕にち◯こがあればそれでいいという話

          娘達にカミングアウトをする理由

          ある日、家族で海外旅行に行くために新規のパスポートを申請すべく戸籍謄本をとった。そこには僕が戸籍の性別を変更した事(法律番号)が記載されていた。 パッと見はわからないが、これ何?と検索すれば、性同一性障害特例法とわかる。 数年後、長女がパスポート更新時に取り寄せた戸籍謄本見て検索したら?きっと長女はびっくりするだろう。しかしあの子は偏見はもたない。 ただ「気になって検索してごめんね」と、僕が知られたくない事を知ってしまった事の申し訳なさで長女は傷つくだろう。知った事を抱え

          娘達にカミングアウトをする理由

          僕には弟がいるんですが、思い出したのでその弟から言われた言葉も書いておく。 僕が戸籍変更した時 「よっしゃ!俺、長男やなくなったんやん!(家のことよろしくねー)」と喜んでいた

          僕には弟がいるんですが、思い出したのでその弟から言われた言葉も書いておく。 僕が戸籍変更した時 「よっしゃ!俺、長男やなくなったんやん!(家のことよろしくねー)」と喜んでいた