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はじめに

娘達へ

まず勘違いはしてほしくないのだけど、お父さんは決して2人を信用してないわけじゃない。
きっとカミングアウトしても、とまどいながらも「そうなんだね」と僕に伝え、また毎日を過ごしていく中でどうでも良い事にしてくれると思う。

2人とも、その柔軟な思考で他人を受け入れていくし、良い意味で「そう言うひともいる」とほったらかしにしてくれるし、お父さんはそんな2人を尊敬している。

ではなぜ2人にカミングアウトできずにいるかというと、お父さんが自分自身をいまだ受け入れていないからだ。

昭和に産まれたお父さんのジェンダーの概念は凝り固まっていて、自分の性同一性障害と相まって、男とは、女とはと必要以上に考えてしまう。性同一性障害というのを大学病院で「治療」してもらえるものだと新聞で目にした時「変態」ではないと、これは病気なんだと許された気がした。
女の体だとわかっているのに、声の高さが嫌で喉を傷つけて入院しそうになったり、自傷しても消えないこの気持ちは「変」だと思っていた。

それは実は今も根っこで残っている。

体を切り刻んで男になった偽物。
性自認ってなんだよ?!という自分に対しての怒りと、なんでこんなことが起こってしまったのかとどうすることもできない自分に対しての虚しさが、性別適合手術し戸籍も変えて少しは楽になったがなくならない。

そんな自分が大事な人にカミングアウトすれば「元女」フィルターが大事な人にかけられ、それ越しに僕が見られている事を僕自身が受け入れられていない。
見ないでほしい、僕は元女じゃない!と思ってしまうからだ。

まだ、お父さんは自分を受け入れられていない。だから、これを書いてる今も2人に話せてないない。
これからノートに僕に起こった事を書き溜めていく中で、僕が自分自身を受け入れて、これより先に話せる日がくればいいなと思ってる。

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