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折紙のような朝顔が面影となってから、幾晩過ぎただろう。南極大陸が緑化しはじめたという噂を耳にするなかで、窓の外ではことしも秋が音連れた。それは木の葉の合唱で、そして虫の音の靜かさ。私はふと想い出した。昔から秋が好きだったことを。陽から陰へとそこはかとなく移ろっていく黄金の哀愁を。
お神籤は平安時代、百首の漢詩から吉兆を視たのが始まりとされる。元々、神籤のミは御であり、御籤であったのだろう。そこからより丁寧に御々籤としたのでは、さすがに妙なので、ミを神にしたのではなあるまいか。兎にも角にも、神籤と申せば彼方が占え、お神籤と申せば此方が觀えるだけのことである。