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これはお勧めしません!と発信する人たちーーデ・インフルエイシングの流行に、お店はどんな対策をすればいいのか

インフルエンサーと呼ばれる人たちの発信が、これまでの「私はこの商品をお勧めします」といったものから、最近は「私はこの商品をお勧めしません」といったものに移行しつつあるそうです。

池辰彦さんの記事で知りました。

英語圏のTkiTokユーザーの間では #deinfluencing (デ・インフルエイシング)というハッシュタグですでに2億万回ちかくの再生回数を突破しているのだとか。

う〜ん、なんだかまたひとつ厄介な流行が生まれつつあるのだなぁという印象です。

一体このトレンドがお店の運営にどんな影響を及ぼすのか、そんなことについて今日は考えてみたいと思います。


お勧めしないものを紹介する意図とは?

そもそも、特定の商品やサービスをお勧め"しない" ことをあえて発信する意図はどこにあるのでしょうか。

ひとつは、インフルエンサーたちが消費者の「消費疲れ」に気づき始めたから。

莫大な数のフォロワーを持つインフルエンサーは、しばしばその影響力を生かして、特定の商品やサービス、お店などをネット上でレビューし、拡散させる活動を行います。

ところが昨今は、物価高の高騰などによる景気の減速が著しくなってきていることもあり、そうしたインフルエンサーたちの「買え買え消費しろ」という意味にも取れる発信に、多くのフォロワーが疲れを見せ始めているそう。

不景気でお金がないところへ、流行を追わなければならないプレッシャーが次から次と与えられることに、耐えきれなくなっているのでしょう。

こうした空気を敏感に察知したインフルエンサーたちが、今度はこぞって「お勧めしない商品」を発信し、消費者のリアルな生活状況に寄り添う姿勢を見せているのです。

もうひとつは、商業的に活動するインフルエンサーへの不信感や不快感からくるものです。

インフルエンサーが紹介する商品の中には、企業から無料で贈与されたものや、紹介することによって金銭が発生するPR案件などがあります。有償で商品を紹介するとなれば、彼らは当然マイナスな評価をするわけがない。だから消費者からしてみると、本当にそれが良い商品なのかどうかがわかりにくいのですよね。

お金のためなら気に入らない商品でも平気で紹介していること、一見するとただのルーティーン動画に見えるコンテンツの中にも広告商品を巧みに登場させていることを、消費者はすでに気づいていて、不快に感じている。

だからこそ、インフルエンサーたちは今あえて「お勧めしない商品」を発信し、フォロワーからの信頼の再構築を図っているのです。


日本でも増えてくると思う

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