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認知度の高いお店ほど集客が難しいわけ

企業にしろ個人のお店にしろ、ビジネスを興している人は、自分たちの知名度をあげるためにさまざまな方法で宣伝活動を行いますよね。

飲食店だと、チラシを配ったり、クーポンを発行したり、SNSを頑張ったりして、少しでも人々に認知してもらう努力をします。まずは多くの人たちに自分たちのことを知ってもらわないとお話にならないからです。

では、認知度が上がれば集客は容易になるのでしょうか。実は一概にそうとも言えないのが商売の難しさなんです。

今日はこの点について、老舗の飲食店を経営する女将目線からお話します。



みんな知ってるのに暇な店

私たち夫婦が営んでいる飲食店(休業中ですが)は、戦前に創業しています。途中で隣の市から移転しているため、今の地域での営業は50年ほどになると夫から聞いています。

東京のベッドタウンなのでそれなりに人の入れ替わりもありますが、一方で昔からこの地に暮らす住民も多い土地柄とあって、うちの店の知名度はかなり高いほうです。

じゃあ集客にはなんら困らないでしょ?と思われるかもしれないのですが、実は大違い。

なぜかというと、「店の存在は知っているけどいろんな理由であそこには行かない」と決めている人が一定数いるからです。

このことについて、「逆境を『アイディア』に変える企画術(著:河西智彦・宣伝会議)」という書籍には、このように書かれていました。

「人は商品情報や広告に接した瞬間に、その商品やブランドや場所やサービスを、「行かない/買わないフォルダ/ ◯◯しないフォルダ」「行ってもいい/買ってもいいフォルダ/ ◯◯してもいいフォルダ」「行きたい/買いたいフォルダ/ ◯◯したいフォルダ」という「心の中にある3つのフォルダ」に素早く、無意識に仕分けしているのです。」(以下、太字は筆者による)

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