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テントウムシ


この地球上で

いくつもの生命が

生と死を繰り返しては歴史というものを作り上げている


そこには

生きたくても生きることができない命もある中で

自分の愚かさあっても

今日という日を

自分は当たり前のように迎えられ

矛盾を感じながらも

生きる為に他の命をいただき

命の尊さとは何かを学んでいる


歳を重ねるにつれ

いつしか

自然の素晴らしさというものにも

出会えるようになった

ときおり

緑豊かなところに行っては

そっと目を閉じ

花や草木の匂いを感じとったり

鳥のさえずりや水の音などを聴いてみる

心が洗われる

そんな思いにつなげてくれたのも

小さな生命との出会いだった


鮮明に作られた羽は

赤美カリに黒の斑点模様

完璧と言わんばかりに作られた体は

高性能を漂わせている

どこに行けども彼は

転倒無視で七転び八起き

その姿に僕は魅了され

ジーッと見入ってしまったのだ


“そういえば子供の頃

自分も同じように転んでは立ち上がり

自然を駆け巡ってたな

転ぶことより目の前にある楽しさに無我夢中で

楽しさばかりを追いかけていたな…”

そう心でつぶやいた



そうして子供の頃

転倒無視しながら進んだその先には

七転び八起きのテントウムシの姿があった

けれど

僕はそのテントウムシを見ているようで

       実は自分を見ていたのかもしれない…






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