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需要予測をDXしたい方必見!今注目すべきDXツールとは?

こんばんは。

先日の地方高齢化の記事をまとめた後に伺った企業にて、「現場感としてすごく困っていて共感した」とコメントいただきました。

やっぱり数字で見ると流してしまいがちですが、現場に行って現実を見て原理から変えていく必要があることを感じます。

中でも作業に追われて今を改善する新しい取り組みにかけるパワーがない、というのは多くのところで聞こえる悩みなのではないでしょうか。

そのうちの一つが、在庫ビジネスでの需要予測です。今日は需要予測におけるDX化についていくつか解説していきたいと思います。

余れば「在庫」足りなければ「欠品」

そもそも、需要予測とは、需要計画を作り出すために行う「将来売れる量を前もって過去データから推測する」こと。

なぜ「予測」をしないといけないのか、というところから理解していきたいと思います。

こちらの記事でも紹介しましたが、まず需要予測を捉える前に「在庫」という概念を理解する必要があります。

この「在庫」という概念は、商品を事前に製造して「在庫」とし、将来来る受注で商品を販売することでお金に変わり、売上を得ることができます。

この在庫、そもそも受注を小売/顧客からいただいてから作ればいいんじゃないの?というシンプルな質問も出てくるかと思います。

「はい」そう思います。

ただ、それではお客様の手元へ届くまでに時間がかかってしまい、キャンセルや競合商品に顧客が流れるなどの「機会損失」になりかねません。

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そこで、受注をいただいたときに確実にお届けができるように事前に「在庫」として商品を配送できるように準備をしておく、ということが求められます。

その中で、必要な在庫だけを構えておくために「いくつ」在庫をしておけばいいのか、というのが需要予測なわけです。

倉庫内の在庫だけではなく、輸送中の在庫も考慮に入れる

この需要予測を考える上で、倉庫がすぐ横にあるケースというのはほぼ少ないと思います。大半が国内の遠方にある倉庫や海外の倉庫であるケースが大半と思います。

ここでよくあるのは、「倉庫の中の在庫」だけを最適化すればいい、と思いがちですが、考慮しないといけないのは輸送中の在庫も頭に入れないといけません。

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下記の図を例に見ていきましょう。例えばとある物流倉庫1では工場から完成品を輸送するのに2日かかる場所を想定します。このときには3日目に倉庫に着くわけですが、3日目の当日にはその日分の受注数に相当する製品在庫があることが必要です。となると、3日目に入荷する製品は荷物から見ると翌日出荷される分が倉庫に届くことになります。同様に翌々日、3日後に着く分ということになります。

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ここでのポイントは、「当日」の製品在庫に「3日後」の受注数が届いている必要はない、ということになります。

このN日分の在庫が必要、という考え方は掘ると深いのでまた別のタイミングで記事でまとめていきたいと思います。ここではひとまず輸送中の日数を含めて在庫必要分は考慮する、ということで覚えていただけたらと思います。

需要予測をDXで実現

そんな需要予測はこれまで現場担当者の知見や経験などを生かして設計をされてきました。もしくは、営業や経営トップの「希望」数字の積み上げで出されてきたのも多いかと思います。

そこでここではそんな担当者ベースの需要予測にメスを入れていく、DX化していくツールをいくつかご紹介していきます。

<Datarobot>

DataRobotとは、「優れた予測を素早く誰でも」という理念のもと開発された機械学習を自動化するAIプラットフォームです。

世界最高のAIプラットフォームと言っても過言ではないDatarobotでは、「Kaggle」と呼ばれるコミュニティにて好成績を納めたデータサイエンティストのデータ分析ナレッジが組み込まれています。

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データロボットのメリットは、「ワンプッシュ」でデータから最適なモデルを決定し、機械学習によって答えを算出するシステムとなっています。

つまり、専属開発者のようなプログラミングガリガリやる必要もなく、結果を見て需要予測に対する意思決定をサポートしてくれます。

このDatarobotは多くの企業で採用されており、化粧品で有名な資生堂社も使用しています。

トライアル版は無料なので、まずは使ってみて使用感を試してみるのでもいいかもしれませんね。

<日本気象協会>

次は、天気や温度などに需要が左右される商品の需要予測についてです。こちらは日本気象協会がサービス提供をしており、気温や天気などの予測と各需要の予測を連動させることにより精度の高い予測を算出します。

例えばアイスなどの商品を販売する際に、冬と夏では予測値は異なることはなんとなくわかります。さらには天気予報によって各季節の中でも寒暖の波があり、こちらを捉えておかないと機会損失や不必要なコストになりかねません。

導入事例で森永社が挙げられていますが、こういった季節や天候変動における需要予測には向いているかもしれませんね。

<NetBase>

最後はSNSなどでの自然言語における需要予測です。自然言語とは人間が普段何気なく使っている言葉であり、これらは主にSNSで言語化されています。いわゆる「バズった」はこの自然言語処理を一つの定量化として捉えることで突発的な売り上げと前後関係を見つけ出します。

これまでCMや著名人のtwitterなどでの何気ない一言から売り上げが立つことで売り上げは上がるものの、製造や流通が間に合わないということが近年増えました。

インフルエンサーが増えたおかげで?突発的に売れることが発生し始めたことが需要予測をかなり難しくしているのは間違い無いでしょう。

こういったSNSでyoutubeやInstagramなどで売り上げとの関係のある言語を見つけ出し、売り上げとの再現性が高い場合には事前に見つけ出し製造・流通に準備をすることができたら機会損失を最小限に食い止めることができるかもしれません。

予測はあくまで予測 数値の確認を

需要予測のDXということで需要予測ツールを紹介してきました。ただ、これらのツールを使う際の注意事項は、「必ずしも100%正解ではない」ということです。

読み込ませたデータにたまたまキャンペーンなどの異常値が入っていた。増税前駆け込みなどの売り上げが入っていた。いろんな要因が考えられています。それらを踏まえた上で、出された数値の検証は必要であると考えます。

数値算出はDXツールで、その数値にこれまで培った経験をアドオンして需要予測精度を向上させていきましょう。


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