見出し画像

"黒猫"に再注目!ブランドロゴ 一新のカフェ・ベローチェを分析

 こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。

 以前“ネコノミクス”や猫キャラクターコラボについて分析しましたが、今回は「カフェ・ベローチェ」のブランドロゴが新しくなり、黒猫ちゃんモチーフのものになったというニュースを見つけました。かわいい‥!

Knowns Biz調べ:ポジショニング分析 カフェ・コーヒーチェーン

 Knowns Bizでカフェ・コーヒーチェーン全体のポジショニング分析の「カフェ・ベローチェ」を見てみると、認知度・満足度ともに大体平均の位置にいることがわかります。
 今回はそんな「カフェ・ベローチェ」について分析してみたいと思います!

≪Knowns Bizについて簡単にご紹介≫


カフェ・ベローチェ

カフェ・ベローチェの歴史

 「カフェ・ベローチェ」は1986年にセルフサービス型のコーヒーショップとして、代々木に第1号店をオープンしました。「ベローチェ」とはイタリア語で「迅速」を意味し、「カフェ・ベローチェ」もスピーディーなサービスっと落ち着いた雰囲気、おいしい食事でお客様に心地よい日常を提供し続け、現在では全国約160店舗を展開しています。
 また「カフェ・ベローチェ」前身は1965年創業の「珈琲館シャノアール」で、フランス語で「黒猫」を意味する名称はフランス・パリにある同名の喫茶店に由来しています。創業者である中村脩氏の、カフェ文化を日本に根付かせたい、という思いからこの店名になったそうです。

カフェ・ベローチェの特徴

 「カフェ・ベローチェ」の特徴は多くの店舗は都心を中心に駅から徒歩5分圏内に立地しながらも、クラシックなインテリアや、温かみのある落ち着いた内装や照明など、昔ながらの喫茶店の雰囲気が味わえるところです。またブラジルサントス市の商工会議所認定のクラシフィカドール(珈琲鑑定士)が在籍し、ブラジル、コロンビア、グアテマラなどの豆をバランスよく配合したコーヒーの提供やロングセラー商品のコーヒーゼリーをはじめ、ナポリタンや店内手作りのサンドイッチなど、フード・ドリンクにもこだわっているそうです。

利用者層は?

Knowns Biz調べ:ブランド認知率・好感率 カフェ・ベローチェ
Knowns Biz調べ:カフェ・ベローチェ 現在購入者のデモグラ(ウェイトバックあり)

 カフェ・ベローチェ現在利用者のデモグラ構成比をみると30代後半~50代前半が多く、特に50代後半が多く出ています。
 男女比では男性がやや多いです。

Knowns Biz調べ:カフェ・ベローチェ 現在購入者の居住エリア(ウェイトバックあり)

 また現在購入者の居住エリアを見てみると、圧倒的に関東が多いです。全国158店舗のうち東京だけで95店舗あるので、店舗数に比例した結果だと思います。

Knowns Biz調べ:カフェ・ベローチェの7 Journey (居住エリア関東・ウェイトバックあり)

 「カフェ・ベローチェ」の7 Journeyを見てみると、未認知が高く、潜在顧客層が多いことが分かります。しかしながら離反は低いので一定のファンがいそうです。
 居住エリア関東で絞ると関東がメイン市場であることもあり、認知率が上がり、ロイヤル層も多くみられます。

Knowns Biz調べ:カフェ・ベローチェのファネル分析(居住エリア関東・ウェイトバックあり)

 ファネル分析では認知からの購入意向が79.2%、購入意向から現在購入は32.5%と低めではありますが、現在購買⇒リピート意向は97.1%とリピーターが多いようです。
 関東のみで見ると、認知率は43%まで上がりますが、転換率はあまり変わらないようです。今回のリニューアルが転換率の上昇に影響するでしょうか?

どんな人が利用している?

Knowns Biz調べ:カフェ・ベローチェ 現在購入者の個人価値観
Knowns Biz調べ:カフェ・ベローチェ 現在購入者の社会価値観
Knowns Biz調べ:カフェ・ベローチェ 現在購入者の消費価値観

 サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は"都会派”"アウトドア派”"倹約家”な方が多いです。
 社会価値観は"出世優先”"ワーカホリック”“ゴーイングマイウェイ”と、仕事熱心で積極的な人が多いのでしょうか。多くの店舗が都心の駅から徒歩5分圏内に立地とのことなので“都会派”やビジネスパーソンが多いのは納得です。
 消費価値観は"ノスタルジー消費”“ハラオチ型消費”“ブランド消費”が高いです。懐かしいものや自分が納得、気に入っているブランドのものを購入する傾向があるようです。

Knowns Biz調べ:カフェ・ベローチェ 関東居住の現在購入者の消費価値観

 また居住エリア別で見てみると個人価値・社会価値の上位3つは変わらない結果でしたが、消費価値観は“直感消費”が高いことがわかりました。

ネコノミクスで再活用?
カフェ・ベローチェのシンボル

 「カフェ・ベローチェ」の前身「珈琲館シャノアール」の由来を元に、黒ねこのシンボルは生まれました。黒ねこシンボルはこれまでも「カフェ・ベローチェ」で引き継がれ、今回のブランドロゴ刷新前にも猫にちなむその店名を強調したキャンペーンや宣伝戦略を実施し、愛されてきました。

猫好き界隈に人気「ふちねこ」

引用元:C-United株式会社公式サイトよりカフェ・ベローチェ「ふちねこ」サマーキャンペーン

 2015年に50周年を迎えた際に登場した「ふちねこ」はSNSでも話題となり、多くの猫好きの間で話題になりました。「ふちねこ」とはカップのふちにかけられる猫をかたどったフィギュアで、コーヒーなどのドリンク3杯分ごとに1つ、店頭でレシートを提示すればもらうことができるキャンペーンで登場しました。以来、時期は決まっていないものの、年に1回のペースで開催されていましたが、2019年のクリスマスを最後に「ふちねこキャンペーン」は行われていませんでした。コロナ禍などが理由でしょうか。
 そして今年、ファン待望の「ふちねこキャンペーン」が、5年ぶりに帰ってきました!今年は6月10日〜8月18日までキャンペーンが実施されています。2週間ごとにもらえる夏のふちねこが違うそうです。

福袋やエコバッグなど黒猫グッズ販売

引用元:PR TIMESより『カフェ・ベローチェ』“猫の日”特別記念の黒ねこグッズを発売

 また2023年年末には黒ねこデザインのオリジナルグッズやフードメニュー引換券などが入った「冬の福袋」を販売、2024年2月22日には“猫の日”を記念し黒ねこをデザインしたエコバッグ、3月9日の“サンキューの日”には日頃のご愛顧に感謝の気持ちを込めて「黒ねこまみれグッズ」を発売しています。

 以前、ローソンのコラボ分析で触れた「ネコノミクス」ですが、カフェ・ベローチェ利用者層の消費価値観でも“ノスタルジー消費”が高く、やはり猫と懐かしのコラボは猫関連市場との相性が良さそうです。

Knowns Biz調べ:カフェ・ベローチェ 時系列分析(ファネル・1か月ごと)

 「カフェ・ベローチェ」のファネル分析を1か月ごとの時系列で見てみると、福袋発売後の2024年1月認知とチャンス層が、2月には現在購入・リピート意向が上がっています。
 そして今回のロゴ刷新ではロイヤル層が上がっています。前身の歴史を大切にした新ブランドロゴはこの先もお客様にとって⾝近で癒しの存在でありたいという想いが込められているそうなので、ロイヤル層の方にその想いが届いているのではないでしょうか。

今すぐ自社・競合の顧客構造を見てみたい方へ

他のカフェ・チェーンと比べると?

未認知層はどこを利用している?

未認知 現在購入

 認知が低めに出ている「カフェ・ベローチェ」ですが、未認知層はどこのカフェ・チェーンを利用しているのか見てみると、「スターバックス」「コメダ珈琲店」が多く出ていました。

Knowns Biz調べ:スターバックス 現在利用者のデモグラ
Knowns Biz調べ:コメダ珈琲店 現在利用者のデモグラ

 他のカフェ・チェーン2社の現在利用者のデモグラを見ると、スターバックスは40代後半が多く、コメダ珈琲店は40代後半​​と60代後半と、カフェ・ベローチェに比べると限られた層によく利用されているようです。
 またカフェ・ベローチェとは違い、どちらも女性の利用者が多く出ています。

引用元:日本ソフト販売株式会社飲食店チェーン店舗数ランキングよりカフェ・チェーン店別店舗数

 日本ソフト販売株式会社飲食店チェーン店舗数ランキングのカフェ・チェーン店舗数によると、1位は「スターバックス」2位「ドトールコーヒーショップ」3位に「コメダ珈琲店」がランクインしています。
 一方「カフェ・ベローチェ」は現在157店舗展開と、上記カフェよりも店舗数は少ないです。

生活の一部としての存在

 「コメダ珈琲店」はフルサービスタイプのコーヒーチェーンですが、「スターバックス」は「カフェ・ベローチェ」と同様、セルフサービス型のカフェです。なぜ、利用者層は別れるのか?調べたところ、「カフェ・ベローチェ」は次に移動する時に“ちょっと立ち寄る”といい場所として『ファーストプレイス』や『セカンドプレイス』に選ばれ、「スターバックス」は自宅や職場とはまた別の『サードプレイス』として選ばれているようです。
 「カフェ・ベローチェ」は目的来店でなくとも、消費者の生活の一部として存在し、何気なく毎日を支えている存在のようです。


Knowns Biz調べ:カフェ・ベローチェ利用者 ロイヤル層顧客の意見

 実際にカフェ・ベローチェ利用者でサービスに対する意見を、「ロイヤル層顧客」に絞って見たところ、仕事などの合間に利用しやすい、との意見が多かったです。また価格帯が他のカフェ・チェーンと比べ低価格なので利用しやすい、との意見も多く、消費者にとって気軽に立ち寄りやすいカフェであることが見受けられました。

Knowns Biz調べ:カフェ・ベローチェのイメージ(現在利用者)

 カフェ・ベローチェ現在利用者のブランドイメージでは「リラックス・リフレッシュ」「カジュアル・プチリラックス」「コスパ・経済性」がカフェ・チェーン全体の平均(赤丸)よりも高く出ていました。カフェ・ベローチェ利用者のサイコグラの“倹約家”や“ハラオチ型消費”にも合っている結果だと思いました。

まとめ

「カフェ・ベローチェ」利用者の特徴
・30代後半~50代前半​​、男性がやや多い
・都会派・アウトドア派・倹約家
・仕事熱心で積極的な方に利用されている
・ノスタルジー消費・ハラオチ型消費・ブランド消費

 店舗数は多くはないものの、手頃な価格帯や利便性の高い立地など、気軽さが「カフェ・ベローチェ」の強みであることがわかりました。
 今回のロゴ刷新や“ふちねこ”の復活によって、猫好き層や未認知層へのアピールをし、より多くの利用者層の取り込みを狙っているのではないでしょうか。

 また「カフェ・ベローチェ」利用者のイメージで「タバコ臭い」などマイナスの意見もありましたが、基本的に全席禁煙か喫煙ブースと加熱式たばこ専用喫煙室ありとなっています。さらに同ブランドの中に、20歳未満立ち入り禁止にした喫煙目的店もあり、2020年11月に立ち上げた新ブランドである「THE SMOKIST COFFEE」では「煙草と珈琲という文化を大切にすること」を謳い、大人の嗜好品を楽しむ場所として全席喫煙可能(一部禁煙席あり)な喫煙目的店​​も展開しているそうです。

 そして今年も話題になったコミックマーケット開催時の“精鋭部隊”を集めたベローチェ有明店では、7月末にリニューアルも実施したそう。入り口近くに今回刷新した「黒ねこ」ロゴの大型看板を新設し、ブランドイメージも強化。​​コミケ期間限定のオリジナルグッズやメニューの発売も行ったそうです。
 (『月曜から夜ふかし』で観たのですがコミケ時のベローチェ有明店はコーヒーが3秒くらいで出てくるそうです!すごい!!)

筆者のひとこと

 私も大学時代の就活時や営業職だった頃に「カフェ・ベローチェ」をよく利用していた記憶があります。落ち着いた雰囲気なのに低価格で、コーヒーゼリーがおいしかった思い出です。
 “ふちねこ”は私がベトナムに移住してから登場しているので、まだ手に入れたことがないですが、猫好き&実家に最近黒猫の家族も増えたので、いつか私もキャンペーンに参加できたらな、と思います…!

引用元:PR TIMES 株式会社ナビット「コーヒーチェーン店」についてアンケート

 ちなみに株式会社ナビットの「コーヒーチェーン店」についてアンケートによると、カフェ・チェーンを利用する理由が「休憩したいとき」が最も多く、次いで多いのは「気分転換がしたいとき」「友人などとおしゃべり」とのことでした。
 子供の頃は大人が「コーヒー飲みたい」と騒ぐのが不思議でしたが、気付いたら自分もそちら側でした(笑)。
 みなさんはどんな時にカフェを利用しますか?

≪本記事は新しいバージョンのダッシュボードを利用しております≫
 この記事を読んで「面白かった!」「参考になった!」と思っていただけたら、スキを押していただけると嬉しいです。
 他にも色々なジャンルの記事がありますのでフォローもお待ちしてます!

Knowns Bizを使った資料を見てみたい方へ
実際に資料で使うイメージがつかない。
戦略策定にはどのように活用するのかを見てみたい。
そんなときに参考になる「戦略策定フォーマット」をご用意いたしました。

無料でお渡しいたしますので、気になる場合は是非気軽にお申し込みください。

Knowns Bizとは?

Knowns Bizは、「消費者のイマ」を知ることができる、消費者データを大量にストックしているデータプラットフォームサービスです。ブランドやアニメ、タレントなどのデータが揃っているのでデータ取得の手間なくすぐに使用することができ、デモグラや価値観の属性データと掛け合わせることで、あらゆる切り口で分析可能です。データサイエンスを扱いやすく、もっと身近にすることで、思いもよらないマーケティングの文脈を創出し、新しいマーケティングアイデアを生み出します。

詳細・お問い合わせは

いいなと思ったら応援しよう!