価値観に合うリブランディングで100年続く高級ハンカチブランド分析
こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。
以前、北海道の銘菓「ロイズ」の分析をした際に「FEILER(フェイラー)」とのコラボ商品も少しご紹介したのですが、さまざまなコラボや可愛らしい柄の商品が多く驚きました！
今まで「フェイラー」といえば黒地に花柄モチーフで年齢層高めの女性に人気のイメージ？だったのですが、今はそんなことないのかも…？
今回はそんな「フェイラー」について分析をしてみたいと思います！
こんなブランドもある？分析してみてほしいなど
リクエストいつでも受付中📪
今後の参考にしたいので是非気軽にコメントくださいね♪
FEILER(フェイラー)
フェイラーの歴史と商品特徴
1948年創業の「フェイラー」はドイツ・ババリヤ地⽅の伝統⼯芸織物「シュニール織」に創意⼯夫を重ね、美しい⾊柄と優しい質感のハンカチ、インテリアクロス、ポーチやバッグなど、上質な暮らしを彩る商品を幅広く展開するライフスタイルブランドです。
フェイラーのシュニール織はエコテックス認証を受けた綿100%の天然素材を使用し、丈夫で柔らかい構造をしているそうです。
そのため、
・洗濯を繰り返すことで吸水性、速乾性が増す
・型くずれせず、色褪せしにくく、耐久性がある
・軽さ、丈夫さ、使いやすい
上記がフェイラーのシュニール織の特徴であり、長く愛される製品の魅力となっています。
日本ではいつから販売？
株式会社モンリーブが1972年に総輸入元として販売を始めたことがきっかけ日本での販売を開始し、住友商事株式会社のグループ傘下などを経て、2022年度にはフェイラージャパンの売り上げは初めて100億円を突破しました。
現在は主力の百貨店インショップに加え、銀座には路面旗艦店を開設するなど、全国109店舗を展開(2023年5月時点)の他、ECも強化するなど顧客とのタッチポイントを拡充しているそうです。
購入者層分析
フェイラー購入者のデモグラ構成比をみると30代後半～50代前半・60代後半が多く、特に60代後半が多く出ています。
男女比では圧倒的に女性が多いです。
フェイラーの7 Journeyを見てみると、認知率は低いですが、離反が低く一定のファン層がいるようです。
ファネル分析では認知からの購入意向は68.9%と比較的高く、また現在購買⇒リピート意向は100.0%とリピーターがかなり多いようです。
どんな人が購入してる？
サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は"健康志向”"一徹凝り性”"アウトドア派”な方が多いです。
社会価値観は"トライブ重視”"ワーカホリック”“おりこうさん”と、他者との関わりや仕事などに真面目な方に多く利用されているようです。
消費価値観は"プレミアム消費”“トレンド・限定重視消費”に次ぎ、“ハラオチ型消費”が高いです。
現在購入者のサイコグラフィックからもリピート意向100%の傾向が伺えますね。
フェイラー購入者のワードクラウドや注目の意見を見てみると、商品のものの良さとデザインに関する意見が多いです。
サイコグラフィックの消費価値観でも“プレミアム消費”“ハラオチ型消費”が高く出ていましたが、フェイラーの商品は比較的高いものの、付加価値が高い商品であるブランドイメージが確立しているのでしょう。
また「期間限定商品」や「コラボ」についての言及も多いことから、“トレンド・限定重視消費”にも合っています。
≪Knowns Bizについて簡単にご紹介≫
リブランディング
ワードクラウドや購入者の意見でも「デザイン」に関する声が多かったですが、実はフェイラー・ジャパンは2014年からリブランディングを行なっているそうです！
発売当時のターゲットは富裕層の女性でしたが、年を追うごとに年齢層が高齢化し、2012年には年齢構成の平均が65歳を超える結果だったそうです。
既存の購入者を引き続き大切にしていくことを踏まえた上で、若い世代の新規獲得に向け、リブランディングに着手したそうです。
人気ブランドやキャラクターとのコラボ
リブランディングを機に商品面では、黒地に花柄を基調とする伝統的なデザインの他に毎年新作を投入し、売り場の変革も進めるなど全体的な見直しを進めたそうです。
またサンリオやドラえもん、スヌーピーなどの人気キャラクターを始め、企業や人気ブランドとのコラボを次々と展開を開始しました。
コラボ商品は即完になることも珍しくなく、毎回注目を集めているそうです。実際にHPのコラボ商品を見たところ、売り切れが続出していました！ (2024年8月時点)
LOVERARY BY FEILER(ラブラリー バイ フェイラー)
注目の意見でも出ていた「LOVERARY BY FEILER(ラブラリー バイ フェイラー)」は、2015年に立ち上げたフェイラーの上質なシュニール織の質感はそのままに、ポップでキュートな色柄を揃えたギフトコンセプトショップです。
デザインもフルーツや動物、ラーメン、お相撲さんなどクスッと笑える柄も取り入れているそう。
これまでのフェイラーは百貨店が主な出店先でしたが、百貨店以外のファッションビルや駅直結の商業施設でも販売をスタートすることで、若い年齢層の目にも触れやすくなったのではないでしょうか。
ファンマーケティング
2015年4月にインスタグラムを開始しましたが、始めてからの1年半はフォロワー3,000人程度で、投稿に対してもいいねがあまりつかなかったそうです。
その時にお客様側が購入したものをアップした“#フェイラー”の投稿が多くあることに気づき、それに対して地道にコメントをしていくことでお客様とつながりができ、交流を深めていったそうです。
ブランドとファンがつながる顧客イベントを開催なども行い、現在ではインスタグラムのフォロワーは18万人を超え、1日150件を超える「＃フェイラー」の投稿があるそう。
2020年からはファンと一緒に作り上げた商品の発売、現在もインスタによるライブ配信で新商品のアイデアを募る場を設けるなど、ファンマーケティングを深めています。
フェイラー現在購入者のブランドイメージでは「ラグジュアリー・贅沢」「上品・優雅」「映え系・いいね」が靴・バッグジャンル全体の平均(赤丸)よりも高く出ていました。
特に「映え系・いいね」はファンマーケティングの影響も大きそうです。
また「ハマる・依存する」「可愛い・萌え」「ユーモアがある」は昔からあるフェイラーのイメージからリブランディングによって、高まったのかもしれません。
今すぐ自社･競合の顧客構造を見てみたい方へ
まとめ
「フェイラー」購入者の特徴
・30代後半～50代前半・60代後半、女性が多い
・健康志向・一徹凝り性・アウトドア派
・他者との関わりや仕事などに真面目な方に利用されている
・プレミアム消費・トレンド・限定重視消費・ハラオチ型消費の傾向
リブランディングによりターゲット層の若返りに成功している「フェイラー」ですが、根本に商品の良さ(柔らかで厚みのある肌触りと吸水・乾燥性や使うほどに肌になじみ長持ち)があるからこそだと感じました。
ここ最近のコラボは？
最新のコラボ情報では親子でリンクして学校生活を楽しめる「＃学校フェイラー」アイテムを発売や長い間愛され続けている文具「クーピーペンシルⓇ」、「マルマン」とのコラボ、雑誌VERYとの初コラボが予定されています。
公式オンラインショップでも売り切れ続出していたディズニーキャラクターコラボグッズですが、実際にディズニーに好感がある人のデモグラを見てみると40代が多く、「フェイラー」の購入者層と合っています。
またいくつかのディズニーコラボはオンライン限定販売にすることによって、希少価値も高くなるので推し活との一環として購入したりする層もいそうです。
また自分用以外にもそのキャタクターが好きな方に贈り物として購入しても喜ばれそうですね。オンライン限定販売は巻き戻し層や普段買わない層にもアピールにもなっているのかもしれません。
また今回初コラボとなる雑誌「VERY」の現在購入者のデモグラを見ると30代後半～50代前半・女性が多いので、ディズニーと同じくフェイラーと購入者層がマッチしています。
相関分析では、VERYロイヤル層・巻き戻し層ともに現在購入ブランドに「フェイラー」が上位にきているので、リピーターから最近購入していない層までアピールできそうです。
既存の購入者層の好みのものから若い世代向けのデザインやコラボ。
SNSマーケティングを行う「フェイラー」は世代を越え、時代を越えて愛され続けるブランドになっていくのではないでしょうか。
筆者のひとこと
今回フェイラーの分析を経て、すごく可愛いらしいデザインやコラボアイテムが多く、自分へのご褒美やちょっとしたプレゼントにもとても良さそうだと思いました！
また“ハンカチ”のイメージが強かったのですが、ECサイトを見るとバッグやトラベルアイテム、メンズやベビーアイテムも豊富で売り切れ商品も続出していました。
「フェイラー」、みなさんもチェックしてみてくださいね！
≪本記事は新しいバージョンのダッシュボードを利用しております≫
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