見出し画像

”イケてる””カッコいい”チョコレートは30円のあのブランド?!

 knowns インターンのKakizaki Hanaです。
 バレンタインチョコレートには、本命チョコ、友チョコ、社交チョコ、自分チョコなど様々な種類がありますが、皆さんはどのようなお相手にどのような想いを込めてチョコレートを渡しましたか?

 今回は、チョコレート菓子の中でも、様々なブランドとコラボしている「ブラックサンダー」と「小枝」を取り上げたいと思います。

各ブランドの公式リリースより

 「ブラックサンダー」も「小枝」も認知率が87%を超え、好感度・満足度ともに5点満点中、”4”を超える人気のチョコレート菓子です。

各ブランドの認知率・好感度・満足度(ノウンズ調べ)

 しかし価格帯は全く異なり、ご存じの通り「ブラックサンダー」は1個30円(税別※2023年3月20日から35円に値上げ)と大変手頃、「小枝」は1箱200円(税別)とブラックサンダーと比較すると高めです。また、発売時期も1994年と1971年と離れています。
 それぞれのブランドが狙っている客層も違うのでしょうか? 
 両ブランドをそれぞれの歴史とキャッチコピーの観点から、どのような理念を持ち、どのような取り組みをしてきたのか、見ていきたいと思います。

みんなを笑顔にするバズりの”ブラックサンダー”

 ブラックサンダーは、見た目の黒さから「ブラック」、子供に人気なもの=戦隊モノから「サンダー」から「ブラックサンダー」と名付けられ、1994年に発売しました。
 しかし、わずか1年で販売不振のため、一時生産終了。しかし、1996年に九州地区の一部店舗で復活を望む声があり、地域限定で復活しました。

画像は公式サイトより

 そして、2000年パッケージをリニューアル。「おいしさイナズマ級!」のコピーが追加されました。30円でイナズマ級なんて、とても惹かれるコピーですよね。
 2003年、3代目パッケージへリニューアル。「おいしさイナズマ級!」のコピーの上に「若い女性に大ヒット中!」が出現しました。普通なら商品にこのコピーは入れにくい気がするのですが、とても斬新です。公式サイトでみつけられなかったのですが、ブラックサンダーの派生商品であるブラックサンダーゴールドでは「本場の味」と書いてある時代もありました。
 ともかく「ブラックサンダー」には、見たら最後、「どういうこと?」とつっこんでしまいそう、そして食べたくなってしまうユーモアがあるコピーが記載されています。
 また「ブラックサンダー」は、世の中の空気感を読みつつも、それをユーモアに変えた、バレンタインイベントを独自のキャッチコピーで楽しく展開をしています。

キャンペーンコピーまとめ(ブラックサンダー公式サイト ニュースから抜粋)

 今年は、"ダイバーシティーが加速し、かつてのご褒美チョコや友チョコにとって代わったカニ(クラッブサンダー)を送りあっている未来"、を先取りしたB級バレンタイン未来博が2/3、2/4に開催されました。

多様化が過ぎるバレンタインカニ 公式サイトより

 気軽に買えるチョコとして人気の「ブラックサンダー」だからこそ、ユーモアたっぷりのバレンタイン企画でもみんなをハッピーにしてくれます。

名実ともにヒーロー

 では、実際にブランクサンダーのブランドイメージはどうでしょうか?
チョコレート菓子のブランドイメージの平均と比較した数値を(青字・赤字)で示しています。

ブラックサンダーのブランドイメージ上位項目

 ブラックサンダーがチョコレートブランドと比較してダブルスコアとなっているイメージは、「コスパ・経済性」「爽快元気・エネルギッシュ」「カッコいい・イケてる」「インパクト・衝撃的」のなんと4項目もありました。ブラックサンダーは、消費者の中で他のチョコレートにはない独自のポジションを築いていると言えます。

チョコレート菓子 ブランドイメージマップ

 手頃な価格だけではなく、個性的でユーモラス、何よりもかっこよくて元気をくれるブランドが「ブラックサンダー」です。まさにヒーローですね!

初志貫徹!50年間サスティナブルな「小枝」

 1971年の日本は、工業化の反動で自然破壊、環境破壊が社会問題になっていました。「小枝」には、高度成長の影に隠れた環境破壊の面に着目してほしいという想いがこめられています。誕生して以来、環境に配慮したパッケージを利用したり、カカオ農家の暮らしを支援するためにサステナブルカカオを使用したりなどマイナーチェンジを繰り返し、51年間「高原の小枝を大切に」というキャッチコピーを貫いています。

発売当時の「小枝」公式サイトより
「小枝」のサスティナブルな取り組み 公式サイトより

変わらず傍にある

 次に、イメージ分析を用いて、どのようなブランドイメージを築けたのかを見ていきたいと思います。

「小枝」のブランドイメージ

 「小枝」が、チョコレートブランドの平均イメージと比較し、特徴的に高い項目は、「ノスタルジー・懐かしさ」「青春・甘酸っぱい」「可愛い・萌え」「絆・親近感」が上位項目です。環境に対するメッセージのイメージは、消費者イメージとしては感じられません。「小枝」というかわいらしいネーミングや、50年もの間変わらないところで、ノスタルジーや青春、親近感というイメージにつながっているのでしょう。

   イメージ分析では、小枝の場合はキャッチコピーに関連するイメージは見られませんでした。小枝を購入している人はキャッチコピーに共感している人があまりいないのか気になったので、ブラックサンダーと小枝の消費的価値もみたいと思います。

ブラックサンダー・小枝 消費的価値

    ブラックサンダーは、消費的価値1位にトレンド・限定消費が来ていて、流行に対して機敏に反応している人に買われています。
    小枝は、4位エシカル消費が来ていて、環境意識の高い層にはキャッチコピーが届いていて購入に繋げられていると考えられます。

コラボに有利?!厚い支持年代層

 ブランドイメージと消費的価値の面では「ブラックサンダー」と「小枝」では差があることが確認できました。しかし、共通ブランドとのコラボもありますし、両商品の顧客の属性に差はあるのでしょうか?
 現在、「小枝」とマクドナルドの「マックフルーリー」がコラボし、「マックフルーリー® 小枝™」が発売され話題になっていますが、ブラックサンダーも2021年にマックフルーリーのフレーバーになっていました。また別ブランドとのコラボでは、どちらもコメダ珈琲店ともコラボ商品を出していました。

画像はマクドナルド公式リリースより

 そこで、実際の顧客層を比較するために現在購買者層のデモグラフィックで両商品を比較してみました。
両者の比較で、性別・婚姻の有無・子供の有無では大きな差は見られませんでした。一方で、年代構成比でわずかに差が見られます。どちらも20~50代まで幅広い年代に支持されていますが、50年の歴史がある「小枝」が45歳以降でやや高めになっています。この幅広い年代に支持される両者は、コラボとして引っ張りだこなのも納得です。

「ブラックサンダー」「小枝」の現在購買者デモグラフィック

 マクドナルドの利用者が、買いがち(アンケート回答全員の購買率と比較して)なチョコレートブランドのランキングをみると、両者は上位であるものの10位以下の結果になっているので、マクドナルドからやや離れているお客さまを引き戻すいいきっかけになってそうです。

マクドナルドの顧客の購入率が平均比より高いチョコレートブランドランキング

まとめ

 コラボ先として人気のチョコレートブランド「ブラックサンダー」と「小枝」は、ブランドイメージや顧客価値観は違えど、幅広い年齢層に支持される認知率抜群のブランドでした。

この記事を読んで「面白かった!」「参考になった!」と思っていただけたら、スキを押していただけると嬉しいです。
他にも色々なジャンルの記事がありますのでフォローもお待ちしてます!

Knowns Bizとは?

 Knowns Bizは、「消費者のイマ」を知ることができる、消費者データを大量にストックしているデータプラットフォームサービスです。ブランドやアニメ、タレントなどのデータが揃っているのでデータ取得の手間なくすぐに使用することができ、デモグラや価値観の属性データと掛け合わせることで、あらゆる切り口で分析可能です。データサイエンスを扱いやすく、もっと身近にすることで、思いもよらないマーケティングの文脈を創出し、新しいマーケティングアイデアを生み出します。
詳細・無料お試しはこちら


この記事が参加している募集

マーケティングの仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?