認知率No.1!進化し続ける「味の素ギョーザ」を消費者データから分析
こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。
以前「お弁当用の冷凍食品」について分析しましたが、その際に調理済み冷凍食品の認知率で「味の素ギョーザ」が唯一75%以上だったことに驚きました。
時々無性に食べたくなる餃子。今回はKnowns Bizを用いて「味の素 ギョーザ」について調べてみたいと思います!
前回のお弁当用冷凍食品分析はこちらから
味の素 ギョーザ
味の素冷凍食品から「ギョーザ」が発売される1年前の1971年、当時の家庭における電子レンジ普及率は5%未満でした。
そして当時、味の素の冷凍食品のコンセプトは以下の3点でした。
(1)家庭の食卓にのぼる頻度が比較的高い
(2)家庭で手づくりしにくい
(3)家庭の調理器具で解凍調理が容易にできる
それらの開発コンセプトを基に開発され、翌年の1972年に発売された12品の中に「ギョーザ」がありました。
その後1997年に独自製法の開発により油なし調理が可能に、2012年に油・水なしでさらにパリッと焼ける”羽根付き”の実現。2018年にはギョーザに使用される全ての具材が国産になり、新定番として「しょうがギョーザ」が登場しました。
2021年には発売50年目を迎える「ギョーザ」がさらにおいしく進化。餃子に対するお客様のニーズにお応えする幅広いラインナップを展開しています。
時代やニーズと共に進化している「味の素ギョーザ」は発売50年以上、通算50回以上の改良を行ってきたそうです。
現在は12種類のラインナップを展開していますが、製品を通して『感動』で『笑顔』をお届けするために、“永久改良”を続けています。
購入者層分析
デモグラフィック分析を見てみると現在購入者の構成比は30代~40代の割合が多いです。
また調理済み冷凍食品全体(グレーのグラフ)と比べてみると、30代後半~50代前半の割合が高く出ています。
他のブランドと比較すると既婚者で子供のいる女性の割合が多いです。
年代別比較を見ると30代後半以上からの認知率と次回購入率が高く、商品の歴史の長さを感じます。現在購入率は50代前半が最も高く出てます。
7Journeyを見てみるとブランド選好率・顧客の割合が高めなので、一定のファンがついている商品であることがわかります。
また顧客+離反(購買経験あり)の層も60%以上と、知っているだけではなく実際に食べたことのある人がやや多いようです。
どんな人が購入している?
サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は"時間にシビア”"健康志向”、そして"物欲少なめ”の方が多いようです。
社会価値観は"自分より家族優先”"現状満足”な方が多く出ています。
消費価値観は"良いもの良い価格消費”"お得感重視消費”“リピート消費”が上位にあり、商品を選ぶ際には自分が気に入ったものをよりお得に購入したい傾向がありそうです。
消費者の声を見ると、サイコグラフィックでも多く出ていた忙しい人に好まれるようで、餃子を一から作るよりも手軽で焼く際も水も油もいらないことが時短になり、手軽でおいしいという声が多かったです。
「綺麗に焼ける」との声もある一方で「うまく焼けない」という声もありましたが、公式サイトでは焼き方の動画もアップされています。
また2023年5月にX(旧:Twitter)にて一般の投稿者が、「自宅で味の素冷凍食品の生姜ギョーザを焼いたところフライパンにくっついた」と写真投稿したことに対し、味の素冷凍食品は自社の冷凍餃子が張り付いてしまうフライパンを持っている消費者にそのフライパンの提供を求めたことで話題に。
想定以上の数のフライパンが届き、当初の受付期限よりも早く切り上げられました。届いたフライパンは2000個以上だったそうです。
検証結果の報告では、フライパンには寿命があり、買い替えを検討してもらう必要があることを前提で、コーティングが剥がれたフライパンで調理をする場合は「大さじ1程度の油をひく」または「弱火で10分蒸し焼きする」のいずれかで張り付きが改善できるとのことです。
さすがお客様のニーズに合わせて“永久改良”を宣言をしている会社ですね…!
コロナ禍で拡大した冷凍餃子需要
前回のお弁当用冷凍食品でも少し触れましたが、コロナ禍で利用頻度が増えている冷凍食品。冷凍餃子もコロナ禍を機に進化しています。
味の素×Amazon
消費者の声を元にラインナップも豊富なので食卓やお弁当のおかずとしてもおつまみとしても、さまざまな場面で利用されている「味の素ギョーザ」。
2023年6月にはAmazonと共同企画で高たんぱくと肉汁がジューシーなおいしさを兼ね備えた「SOLIMO PROTEIN ギョーザ 1kg 袋」と味の素の市販用ギョーザの大容量(1kg)パック「SOLIMO ギョーザ 1kg 袋」を発売しました。
「SOLIMO」は、食品や日用品など幅広いカテゴリーを扱うAmazonのプライベートブランドで、同ブランドにおいて冷凍食品を発売するのは初の試みだそう。
消費者の声でも「大容量のものが欲しい」とありましたが、フライバンの件に関してもこちらに関しても、味の素冷凍食品のニーズに応えるスピード感に驚きました!
参考元:https://www.ffa.ajinomoto.com/_var/pdf/20230605.pdf
餃子無人販売店
またコロナ禍で話題と「餃子無人販売店」。人との接触を避けられる販売方法として、各地で増加しました。
帝国データバンクが2023年9月15日に行った特別企画「餃子無人販売店」動向調査によると、「餃子無人販売店」の出店数は2020年で131店、2021年で827店、2022年には1282店舗まで増加し、2023年7月時点では推計としておよそ1400店に上ったそうです。
「餃子無人販売店」の成功は、需要の高い冷凍食品である餃子がコロナ禍の巣ごもり需要に合致したのだと考えられます。
消費者にとって手頃な価格でテイクアウトもしやすく、出店側にとってもスペースや費用の節約、人件費不要の24時間営業が可能などのメリットがあります。コロナ禍で販売不振に悩む中華料理店や冷凍食品メーカーなどが進出し、補助金制度の活用や他の業種からの参入も多かったそうです。
他の冷凍食品を買うなら?
人気の冷凍餃子ですが、現在「味の素ギョーザ」を購入している方が他に検討する調理済み冷凍食品は何でしょうか?
現在「味の素ギョーザ」購入者が他に検討するのは「ニチレイ本格炒め炒飯」や「大阪王将羽根つき餃子」でした。
炒飯と餃子…中華料理の気分の方に選ばれるのが共通点でしょうか。
同じ冷凍餃子ジャンルとして上がっていた「大阪王将羽根つき餃子」とのイメージ競合分析を見てみると、"家庭的・安堵感”が共通して上位に。食べ慣れている消費者に選ばれていそうです。
また「味の素ギョーザ」は次位に"ベーシック・定番的”がきているのに対し、「大阪王将羽根つき餃子」は"期待感・ワクワク”がきています。「大阪王将羽根つき餃子」は実店舗から展開した商品であることから、店舗と同じ味が期待できることが理由かもしれませんね。
まとめ
味の素ギョーザ購入者の特徴
・30代後半~50代前半、既婚者で子供のいる女性が多い
・個人価値観:時間にシビア、健康志向、物欲少なめ
・社会価値観:自分より家族優先、現状満足
・消費価値観:良いもの良い価格消費、お得感重視消費、リピート消費
今回分析をしてみて、味の素冷凍商品は王道の「ギョーザ」の他、時代や消費者のニーズに合わせて、生姜好きのためのギョーザ、ビールにも合う「黒胡椒にんにく餃子」、和風メニューにも合う「シャキシャキやさい餃子」 、「水餃子」「米粉でつくったギョーザ 」「海老大餃子」「おいしく塩分配慮ギョーザ」やレンジで焼いたり蒸したりできる餃子などなど…数多くのラインナップを発売していることを知りました。
ちなみに地域別に餃子の消費量をみてみると、都道府県別・一世帯あたりの餃子支出額は宮崎県が1位だそうです…!
宮崎県は豚肉の飼育頭数が多く、キャベツやニラの生産も盛んな地域です。今後、チキン南蛮やマンゴーなどの特産品だけでなく、農畜産物と相性の良いギョーザも地域の名物として定着を狙っているそう。
また「味の素ギョーザ」購入者の居住地を見ても関東・中部・九州と一世帯あたりの餃子支出額が多い地域が上位にきていました。餃子消費とギョーザ購入は比例していることがわかります。
これこそ王道ということでしょうか。
そんな王道の味の素ですが、味の素公式サイトでは簡単から胃袋をつかむ、外国の風が吹いてる、など面白い且つわかりやすいジャンルのタレレシピや餃子レシピも紹介されています!
王道に飽きて餃子の変わりダネを求める方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?
筆者のひとこと
美味しいけど作るのが面倒な餃子。「味の素ギョーザ」は油も水も不要で焼けるのは本当に便利ですね…!ラインナップも豊富で、全部買ったらちょっとしたパーティーになりそう、と思いました(笑)。
また今回「味の素ギョーザ」の分析で「餃子無人販売店」の存在を知ったのですが、その中でも有名な「雪松」は私の地元の群馬県発祥と知り驚きました。
「ホワイト餃子」や「餃子の王将」の持ち帰りは食べたことがありますが、「雪松」はまだ食べたことがないので、いつか食べてみたいと思います!
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