自然解凍から小分けまで!進化するお弁当用冷凍食品トップ2は?
こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。
過ごしやすい気候になる秋は運動会や遠足、レジャーなどが多い行楽シーズンですね。運動会や遠足と言えば“お弁当”のイメージなのですが、みなさんはいかがですか?普段からお弁当を作られている方もいると思いますが、毎日全部手作りは難しいですよね。
私も会社にお弁当を持って行っていた時期がありましたが、やる気がない日は全部冷凍商品の時も(笑)。
今回はKnowns Bizを用いて、満足度の高いお弁当用冷凍商品について比較分析してみます。
冷凍食品の満足度は?
まず調理済み冷凍食品の満足率を調べると、数多くの商品が出てきて驚きました。認知率では餃子、焼きおにぎり、炒飯が上位に、満足率ではうどんやパスタ、炒飯が上位にきています。
その中でも小分けのカップに分けられている、お弁当での使用を想定した調理済み冷凍食品のみで絞ると満足率では
1位:味の素自然解凍シリーズ
2位:ニッスイほしいぶんだけシリーズ
上記2商品が満足率80%超え、好感度4前後という結果が出ました。
今回は人気の2商品について分析してみたいと思います!
味の素自然解凍シリーズ
味の素冷凍食品株式会社は、2006年以降、ハンバーグ、から揚げなどのメインからグラタンなどのサブのおかずを自然解凍品として発売しています。
自然解凍できる冷凍食品は、2013年の調査で認知率96%、利用率78%と市場に定着し、2014年には新商品やリニューアル商品を充実させ自然解凍品のラインナップを強化し、更に市場の拡大させていきました。
そんな「味の素自然解凍シリーズ」は下記3点が特徴としてあげられます。
①お弁当作りの時間を短縮
冷凍庫から取り出したおかずをそのままお弁当箱に入れるだけ。電子レンジで調理する時間+冷ます時間を大幅にカット。毎朝のお弁当作りの時間が、約25分短縮できます。
②保冷剤代わりに
夏場などの暑い季節は、そのまま保冷剤代わりとして大活躍。「自然解凍シリーズ」の商品2個で30gの保冷剤と同じだけの冷やす能力があります。
(味の素調べ)
③時間短縮しながらエコ
お弁当を作る時間を短縮しながら、実はしっかりエコ活動できるのが「自然解凍シリーズ」。電子レンジでの調理の必要がないので、毎朝使う電子レンジの電力を節約できます。
さらに「味の素自然解凍シリーズ」は、電子レンジ調理に比べて加熱の回数が少ないため、衣の軽さ、食感、香りをより味わうことができます。その点を活かし、"さらにおいしい自然解凍”となるよう、品質向上も実現しています。
毎日作るお弁当、何を入れるかが悩みの種になることも。「自然解凍シリーズ」は、そんな悩みも解決できる、豊富な10種類のラインナップを用意しています。
デモグラフィック分析を見てみると現在購入者の構成比は30代~40代の割合が多く、中でも30代前半の購入者が多いです。
また調理済み冷凍食品全体(グレーのグラフ)と比べてみると、20代後半~50代前半の割合が高く出ています。
年代別比較を見ても30代の認知率・好感率・現在購入率が高く出てます。
7Journeyを見てみるとブランド選好率・顧客率が高めなので、一定のファンがついている商品であることがわかります。未認知や、やや好意的ではありますが最近購入していない巻き戻し層をターゲットに戦略を立てるといいかもしれません。
どんな人に選ばれる?
では、どのような人が「味の素自然解凍シリーズ」を購入しているのか、一番購入者の多い30代前半の年代に絞ってサイコグラフィックを見てみます。
サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は"時間にシビア”、自分の頑張りにプチご褒美を欠かさない"報われ待ち”、そして"時間貧困層”の方が多いようです。
社会価値観は"自分より家族優先”"正義マン”"家族と親密”な方が多く、家族との繋がりや秩序を大切にする方が多く出ています。
消費価値観は"お得感重視消費”"レビュー熟考消費”が上位にあり、商品を選ぶ際にはお得に購入したい、売れ行きや口コミの良いものを選ぶ傾向がありそうです。
消費者の声を見ると、サイコグラフィックでも多く出ていた忙しい人に好まれるようで、自然解凍が時短になることや保冷剤代わりになることに関するものが多かったです。
またキーワードマイニングで大きく出ているグラタンは消費者の声でも「おいしいだけでなくカップに占いがついていて楽しい」との声も。
なんとグラタンのカップは絵柄が全部で144種類あり、当たりが出たらすてきなプレゼントがもらえるキャンペーンが行われることもあるそう。
遊び心があって素敵ですね!
また「味の素冷凍食品」の公式コミュニティ「おべんとhome」では購入者の日々の“おべんとギャラリー”やお弁当や食事の悩みや気になることを相談できるコーナー、商品開発の秘密から心温まるお弁当エピソードまで、お弁当に関するさまざまな情報が得ることができます。
ニッスイほしいぶんだけシリーズ
創業時から水産業が基幹事業のニッスイ(旧:日本水産)は、世界各地から水産物をはじめとした素材を調達できる資源アクセス、素材の力を引き出し高付加価値化するR&D、加工・生産と品質保証、商品を幅広いチャネルに展開できることが強みです。
国内外グループ企業の原料調達力や加工生産技術の強みを生かし、「家庭用・業務用冷凍食品」「缶詰・びん詰」「フィッシュソーセージ・練り製品」など、多種多様な加工食品を製造販売しています。
お弁当向け冷凍食品「ほしいぶんだけ」シリーズは、切り離し可能なトレーを業界に先駆けて1997年に導入、1998年には「ちくわの磯辺揚げ」発売し、以来ロングセラー商品となっています。
そんな「ちくわの磯辺揚げ」は自社の練り製品を使用し、加工食品と冷凍食品の事業を横断する商品開発でした。
現在販売している「ほしいぶんだけ」シリーズはシーフード、鶏肉、クリームコロッケなど商品ラインナップも豊富で、お弁当のおかずはもちろん、家族の食卓での一品やおつまみとしても利用されています。
17商品のうち「CoCo壱番屋監修 カレーコロッケ」「アメリカンドッグ」「白身魚とタルタルソース」「ちくわの磯辺揚げ」「五目春巻」の4商品は自然解凍も可能です。
デモグラを見てみると、現在の購入者の年代は調理済み冷凍食品全体(グレーのグラフ)と比較すると30代~50代前半の割合が高く出ています。
「味の素自然解凍シリーズ」と同様の年代に選ばれているようですが、特に40代前半の購入者が多いようです。
こちらも年代別比較を見てみると40代の認知率・現在購入率が高く出てます。
7Journeyを見てみると認知率・ブランド選好率は「味の素自然解凍シリーズ」より少し下がるものの、ネガティブな非選好率は低めです。満足率を上げるにはまず認知を更にあげることがファンを増やすきっかけになりそうです。
どんな人に選ばれる?
一番購入者の多い40代前半の年代に絞ってサイコグラフィックを見てみます。
サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は"プロセス重視”"柔軟姿勢”"時間にシビア”な方が多いようです。
社会価値観は"自分より家族優先”"対人ストレス過多”"現状満足”な方が多いので受動型・消極的な人が多いようです。
消費価値観は"リピート消費”"ノスタルジー消費”が上位にあり、商品を選ぶ際には自分が気に入ったものや懐かしさから消費行動をする傾向がありそうです。
消費者の声を見ると、小分けでお弁当の隙間に入れるのや量が調節しやすいとの声が多かったです。またキーワードマイニングでも“おかず”と大きく出ていますが、日々の食事の一品としても利用している方が多いようです。
デモグラでは若年層の購入者が少なかったですが、それを打破すべく?ニッスイのほしいぶんだけシリーズはさまざまなコラボやキャンペーンを定期的に行なっています。
2022年にはシンガーソングライター&俳優の松下洸平さんを起用したキャンペーン、2023年上旬は人気アニメ「SPY×FAMILY」を起用したキャンペーンを行ないました。
「スパイファミリー」「ハイキュー」に好感を持つ消費者のデモグラを見てみると、アニメ全体(グレーのグラフ)と比較して10代〜30代の割合が高く出ており、若年層の支持が高いことがわかります。
冷凍食品だけでなく、同じく自社加工食品の「フィッシュソーセージ」や「びん詰」商品も人気アニメとコラボしており、今後認知率や若年層の購入者も増えてくるかもしれません。
また、公式サイトでは「ニッスイほしいぶんだけシリーズ」だけでなく、その他ニッスイ商品を使った“脱・マンネリ”のお弁当レシピも公開されています。どのレシピもとても美味しそうで、普段の食事にも使えそうです。
まとめ
味の素自然解凍シリーズ消費者の特徴
・20代後半~50代前半、特に30代前半に人気
・時短でお弁当を作りたい人に選ばれる
・家族との繋がりや秩序重視
・コスパ、売れ行きや口コミ重視の買い物傾向
ニッスイほしいぶんだけ消費者の特徴
・30代~50代前半、特に40代前半に人気
・小分けでお弁当に入れる量の調節をしたい人に選ばれる
・受動的・消極的な人が多い
・リピート消費、懐かしさから消費行動をする傾向
2ブランドの使い分けは?
それぞれのブランドスイッチ分析を見てみると、現在「味の素自然解凍シリーズ」購入者が他に検討する冷凍食品として選ぶのが「味の素ギョーザ」や「ニチレイ本格炒め炒飯」でした。
お弁当だけでなくおかずや主食として冷凍食品を購入される方が多いのでしょうか?
対して、「ニッスイほしいぶんだけシリーズ」購入者が他に検討する冷凍食品として選ぶのは「味の素自然解凍シリーズ」や「味の素ギョーザ」でした。
「ニッスイほしいぶんだけシリーズ」購入者はお弁当メインで冷凍食品を購入される方が多いのかもしれません。
冷凍食品、どんな時に使う?
今回、お弁当に使う冷凍食品に着目して分析しましたが、実際どんな時に冷凍食品を使う人が多いのでしょうか?
株式会社クロス・マーケティングの「冷凍食品に関する調査(2023年)」によると、全体では昼食用、お弁当、常備食として利用している方が多いようです。女性のみで見ると、お弁当用が最も多く、男性は夕食の主食、メインのおかずとして使っている方が多いそうです。
またどんな時に使うかでは男女ともに「すぐに食べたいとき」が上位で、女性は「疲れていてなにもしたくないとき」「なんとなく料理をする気になれないとき」の割合が高いのも特徴です。ありますよね、何もしたくないとき…!
冷凍食品の選び方では男女とも「その日の目玉商品」が1位で、次位が女性は「決まったメーカーやブランド」に対し、男性は「パッケージの写真が食欲をそそる」で選ぶ方が多いようです。
冷凍食品への不満は?
また冷凍食品に関する悩み・不満については冷凍庫内で嵩張ることやスペースが足りないことや味に関してが多いようです。
確かに冷蔵庫の大きさによっては冷凍食品を入れづらかったり、お得用になればなるほど量も多くなるので、買いだめが難しかったりしますよね。
その点、味の素自然解凍シリーズやニッスイのほしいぶんだけシリーズはカップの切り離しができるので、使った分小さくまとめやすくなっているのはこうした悩みにも対応しているのだと思いました。
筆者のひとこと
今回の分析で、「味の素自然解凍シリーズ」も「ニッスイほしいぶんだけシリーズ」も利用した経験があるのでとても懐かしく思いました。どちらの商品も味はもちろん、見た目も可愛らしくサイズ感もよく重宝していました。
特に「味の素のグラタン」や「レモンとバジルのチキン香り揚げ」は高校生?もっと幼い頃から食べていた記憶があり、今回の分析では出ていませんが、「ニッスイ 自然解凍の和惣菜」はOL時代のお弁当で毎回入れていました。ベトナムにも日本のように美味しい冷凍食品があればいいのに…
みなさんの好きなお弁当のおかずは何ですか?
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