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冬のアイスは雪見だいふく!長年愛されるのは可愛さと限定品の多さ?

 こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。

 寒い日が続いていると思いますが、おうちでぬくぬくしながらアイスを食べるのは至福ですよね。

 冬のアイスと言えば私は「雪見だいふく」なのですが、みなさんはいかがでしょうか?「雪見だいふく」は冬季限定で“厚もち仕立て”の商品が販売されているそうなのですが、残念ながら私はまだ食べたことがありません…

引用元:ロッテ雪見だいふくよりふく企画

 冬季限定で“ふく”の文字がいつもより大きく、年末年始のおめでたさをパッケージ全体で表現したデザインの「雪見だいふく」に、いつもよりおもちを増量した、弾むぷにぷに食感を楽しめる厚もち仕立て。
 とても美味しそうですよね。

 夏季にもアイスについて分析をしましたが、今回は私にとって冬を感じさせるアイス、「雪見だいふく」について分析していきたいと思います!

 以前のアイス分析はこちら。


ロッテ 雪見だいふく

雪見だいふくの歴史

 1981年に発売した「雪見だいふく」は、前年1980年に発売された商品マシュマロでアイスを包んだ「わたぼうし」の開発者が「もっと日本人好みの素材、おもちを使っただいふく風のアイスはどうだろう」と開発した商品だそうです。

 ロッテ自体のアイスクリーム市場への参入は1972年で、当時、市場は雪印乳業、明治乳業、森永乳業の3社に席巻されていました。
 乳業メーカーが主導する市場に後発のロッテが参入するには常識の枠を超えた発想がなければ生き残れない、とアイスが売れない冬にあえて勝負。 
 「夏でなく、冬に売れるアイス」というマーケティング戦略「アイスをやわらかい餅で包む和風テイスト」というアイデア「冷蔵しても硬くならない餅」の開発と独自性を発揮させ、パッケージデザインもあえて暖色系にすることで“冬に食べる日本人好みのアイス”は誕生しました。

 余談ではありますが、発売当時から2個入りが特徴の雪見だいふくですが、1984年から学校給食にも採用されており、こちらは1個タイプのパッケージとなっています。
 おうちで食べるアイスだけではなく学校給食の思い出として印象深い人もいるんじゃないでしょうか。

購入者層分析

Knowns Biz調べ:雪見だいふく
Knowns Biz調べ:雪見だいふくのデモグラ(ウエイトバックあり)

 雪見だいふく消費者のデモグラ構成比をみると40~54歳が多く出ています。男女比では大きな差はなく、若干女性が多いようです。

Knowns Biz調べ:雪見だいふくの7 Journey
Knowns Biz調べ:雪見だいふくのファネル分析

 「雪見だいふく」の7 Journeyを見てみると、認知率が高く、ロイヤル層の顧客も多いことが分かります。ファネル分析では認知からの購入意向も高く、現在購買⇒リピート意向は98.5%とリピーターがとても多いです。
 一方その中でやや好意的ではありますが最近利用していない​​巻き戻し層も高めです。

どんな人に選ばれる?

Knowns Biz調べ:雪見だいふくに好感がある人の個人価値観
Knowns Biz調べ:雪見だいふくに好感がある人の社会価値観
Knowns Biz調べ:雪見だいふくに好感がある人の消費価値観

 サイコグラフィックを見てみると、"倹約家”"健康志向”"報われ待ち”な方が多いです。
 また社会価値観は"自分より家族優先”に次ぎ、"トライブ重視”"家族と市親密”と、家族や他の人との繋がりを大切にする人が多いようです。
 そして消費価値観は"レビュー熟考消費”"トレンド・限定重視消費"が高いことから、人気の高い流行や限定品を購入したい傾向がありそうです。

消費者の心を掴む理由は?

Knowns Biz調べ:雪見だいふく消費者のワードクラウド

 「雪見だいふく消費者」のワードクラウドを見ると"アイス”"美味しい”の他に"もち”"バニラ”“限定”の文字も目につきます。

唯一無二のおもち

Knowns Biz調べ:雪見だいふく消費者の注目の意見

 ワードクラウドでも大きく出ていた“もち”ですが、この雪見だいふくの定番味へのプラスな意見がとても多かったです。長年愛される・リピーターが多い商品であることがわかります。
 ロッテでは雪見だいふくのおもちを自社生産しており、粒子の細かい「羽二重粉」を絶妙な糖分の配合比率し、小ロットで生産することでおもちの弾力が損なわれずにアイスにできるそうです。

期間限定品が豊富

 サイコグラフィックの消費価値観でも人気や流行・限定品を購入する傾向があるとのことでしたが、雪見だいふくも期間限定商品が豊富なのが特徴です。
 季節を意識したものから人気のスイーツを再現したフレーバーまで、今まで発売された期間限定の商品は全部で50種類以上だそう。

Knowns Biz調べ:雪見だいふく消費者の限定品に関する注目の意見

 雪見だいふく消費者の意見は定番味に関する意見以外にも「限定の◯◯味が好き」など限定品に言及したものも多かったです。

可愛らしいイメージ

Knowns Biz調べ:雪見だいふくのイメージ

 「雪見だいふく」のイメージを見てみると、"可愛い・萌え”"家庭的・安堵感”"期待感・ワクワク”が上位に来ています。
 パッケージやアイス自体の丸くてぶにっとしたフォルムの可愛らしさが、長年愛される商品であること、豊富な限定品などがこの結果に繋がっているのかもしれません。

引用元:ロッテ雪見だいふくよりハートのいちご

 また最新の限定品では「雪見だいふく ハートのいちご」を12月11日より発売しています。2019年より季節限定で発売している人気商品ですが、今年は苺ピューレを増量し、さらにいちご感がアップした味わいになっているそうです。
 ピンク色のかわいらしい見た目とハートの形も特徴的ですね。

アレンジレシピも購入のきっかけに

 また消費者の意見でも度々目にした“アレンジレシピ”ですが、公式でも紹介されています。“アレンジにも使えるので冷凍庫にストックしておく”というコメントもあり、そんなに美味しいの?と思いましたが、なるほど、とても美味しそうです…!
 レシピは簡単ですが、しっかりスイーツになりそうなので、流行るのも納得です。

 また過去には「DELISH KITCHEN」とコラボし、“〆雪見”をテーマに家事を終えた主婦、外勤から帰ってきたビジネスパーソン、宿題を終えた子どもといった、日常生活において少し頑張った後に食べられるレシピを公開していました。
 「DELISH KITCHEN」でレシピを公開してから「雪見だいふく」の購入率対前年比が105%伸び、ターゲットの20~40代女性に加えて男性の購入率が伸びたそうです。

まとめ

「雪見だいふく」利用者の特徴
・40~54歳、女性が若干多い

「雪見だいふく」に好感がある人の特徴
・倹約家・健康志向・報われ待ち
・家族や他の人との繋がりを大切にする人が多い
・トレンド・限定重視消費、レビュー熟考消費の傾向

 「雪見だいふく」の7 Journeyではリピーターの割合が高く、特におもちや限定品が選ばれる理由に繋がっていることがわかりました。
 またやや好意的で最近利用していない​​巻き戻し層が高く出ていたことから、今回の冬季限定で“厚もち仕立て”や今まで人気だった限定品の商品が販売することによって、更なるファン層の獲得を狙っているのかもしれません。

雪見だいふく消費者はどんなアイスが好き?

Knowns Biz調べ:雪見だいふくのブランドスイッチ分析

 ブランドスイッチ分析を見てみると、現在「雪見だいふく」を購入している方が他に買うのに選ぶのが「レディーボーデン」、次点に「ロッテ モナ王」が選ばれています。

引用元:暮らしに役立つ情報メディア「さぶろぐ」​​より
「好きなアイスクリームのフレーバー」についてのアンケート​​

 暮らしに役立つ情報メディア「さぶろぐ」​​の「好きなアイスクリームのフレーバー」についてのアンケート​​調査(2023年2月実施)によると、「バニラ」と回答したのは全体の28.0%​​とのことです。
 回答理由としては、定番のフレーバーだけど奥深さがあるからという意見や、バニラ味はだいたいどこにでもあるからといった意見が多かったそうです。

 雪見だいふくのワードクラウドでも“バニラ”が大きく出ていたので、おもちや限定品などの特徴の他、バニラ味のアイスが好きな消費者に選ばれているのかもしれませんね。

 ちなみに世界中にファンを​​持つ「ハーゲンダッツ」でも日本ではバニラ味がダントツで販売数量1位​​だそうです。そして最も売れるのは12月とのことなので、​​冬季は特にバニラ味のアイスを求める人が多いのかもしれません。

筆者のひとこと

 「雪見だいふく」といえば2個入りのイメージも強いですが、これはかつての販売促進のためだったそうです。
 発売当初はスーパーではなく一般的な小売店がメインの販売先だったため、小さい冷凍ケースのなかに各社の商品がたくさん入っていました。1個入りだとその中で埋もれてしまうので、面をしっかり取って目立たせるために2個入りになったそうです。

 子供の頃は「2個よりもっと食べたい!」なんて思っていましたが、今は1個食べてもう1個はとっておこう、という大人の余裕が生まれたので(?)アレンジレシピなど私も今度試してみたいと思います!

≪本記事は新しいバージョンのダッシュボードを利用しております≫

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