インタビュープロジェクト第二弾!!苫前町の漁師 小笠原宏一さんを取材しました。
みなさんこんにちは!きた北海道協力隊ネットワーク(KKN)の久保です。北海道では雪が降りはじめ、日に日に寒さが増してきていますね。本格的な冬が到来したな〜と感じています。
さて、今年8月から始まった「きた北海道インタビュープロジェクト」ですが、9月に第2回となるインタビューを実施しました!
今回のゲストは、北海道北部の日本海沿岸にある町、苫前町(とままえちょう)で漁師をされている小笠原宏一(おがさわら こういち)さん。普段は漁のお仕事をしながら、「持続的な漁業」を実現するための取り組みを苫前町で実践しようと、日々奮闘されています。小笠原さんは以前KKNの研修会にも参加してくれたことがあり、とても探究心あふれるアクティブな漁師さんです。今回のインタビューでは、小笠原さんのバックグラウンドから漁師さんのリアルなお仕事の話、将来を見据えた小笠原さんの挑戦やその思いについて伺いました。
作業場にお邪魔します
夏も終わりちょっぴり肌寒い気温の中、小笠原さんの作業場がある苫前漁港にて待ち合わせました。漁師さんは漁港の周辺にお仕事の作業場を構えており、漁に出て戻ってきた後はこの作業場にて魚の網外しや仕分け作業などを行います。今回はこの作業場にてインタビューをさせてもらいました。
「小笠原漁業部」の作業場(新築でピカピカ!)
今回のインタビューは、わたくし久保が満を持して担当させていただきました!小笠原さんはちょうど自分と同い年(平成元年生まれ)で住んでいる町も近いということもあり、KKNの研修会で初めてお会いしてから時々情報交換をしたり、地域おこしや道北地域のことなどについてよく話をしていました。
市場の休市・開市が書かれているカレンダー
教えてほしい!漁師の世界
インタビューの中では、小笠原さんの普段のお仕事内容や仕事でのこだわり、漁師を志したきっかけなどから始まり、漁師さんの1日や漁師になるにはどうしたら良いか、ぶっちゃけ儲かるんですか?など、気になるあんなことやこんなことまで質問させてもらいました(笑)
個人的に印象に残っている話は、自営業の場合の漁師の仕事は自由度が高く、自分の好きなやり方で仕事ができるということ。仕事の予定が天候に左右されたり、とにかく朝早くに(というより夜遅くに)仕事に出なければいけなかったりと大変な面もありながらも、自分の頑張りやその時の海の状況次第でかなりの金額を1日で稼げることもあるようです。自分で自分の仕事をマネジメントしたい、自分の力で稼げる仕事をしたい、という方には適している仕事なのかもしれません。
小笠原宏一さんという人
小笠原さんのお話を伺っていて感じたのは、彼の「率直」で「飾らない」人間性。でもそこに冷たさはなく、すべての人や物事を包み込むような「あたたかさ」と、冷静に話をする表情の裏に垣間見える大きな熱量があるということ。彼がいつもたくさんの人に囲まれ、信頼され、応援されている印象があったのは、こうした彼の人格によって形作られているものなんだと改めて実感しました。私が初めて小笠原さんとお会いした時に「あぁ、この人は将来苫前町や道北地域を引っ張っていくんだろうな」と瞬間的に感じたことを思い出し、彼のたゆまぬ努力と熱い思いに改めて尊敬の念を抱くのでした。
カスベ(エイ)の皮剥き道具でつまむ(リスペクトしてます笑)
まちを、世の中を、動かしていく漁師
インタビュー後半では、小笠原さんが苫前町で取り組まれている「漁業改善プロジェクト」(FIP:Fishery Improvement Project)について教えていただきました。FIPとは、認証取得可能なレベルまで漁業の持続性を向上していくためのプロジェクトのことで、世界的に行われている取り組みです。苫前町でのFIPの取り組みは日本では3例目、なんと北海道では初めての取り組みだそうです。インタビューの中では、苫前町におけるFIPの取り組みや実施するに至ったきっかけ、今後の展望などを踏まえた苫前町の将来について語ってくれています。
こうした先進的な取り組みに着手し定着させていくためには、ともに働く漁師さんやまちの方々の協力が不可欠です。小笠原さんと周囲の方々の間で築かれている信頼の厚さを感じるとともに、一人一人のもとへ足を運び丁寧に事業の説明を行ってきた、小笠原さんの本気の気持ちと関わる人たちに対する誠意がひしひしと伝わってきました。
インタビューに答える小笠原さん 「漁師は怖くないよ!」とのこと
俺の船を紹介します(漁船見学)
インタビューが終わった後は小笠原さんの船「宏恵丸(こうえまる)」を見させていただきました。一般人からしたら船の免許を持ってるだけですごいのに、自分の船まで持ってる。言ってみたい憧れの言葉、「これ、オレの船」(笑)
船上にて(パステルカラーかぶりでコンビ芸人のよう笑)
船が大好き(船舶・機関車系のマシンが好きとのこと)という撮影担当のしぶちゃんは、船長室に入れてもらって大興奮のようでした(エンジン音と吹き出す煙にも大興奮)。
「出港ー!」(かけ声違う?)
商売道具は基本手づくり
船を探検させてもらった後は、小笠原さんが漁の道具をつくっているもう一つの作業場も見せていただきました。基本的に漁業で使用する道具は手作りでつくっているとのこと。
普段使っている水ダコ樽流し漁の道具
水ダコの樽流し(たるながし)漁の道具について説明していただく中で、「いさり」(下の写真)について詳しく教えていただきました。これは、タコが「いさり(ルアー)」を自分の縄張りに侵入したタコだと勘違いして飛びつく性質を利用した、タコを絡めとるための道具。いさりは、地域や漁師さん個人個人によってその形状や素材はさまざま。それぞれの漁場でより多くのタコを獲れるよう、漁師さんは自分なりに工夫を凝らします。ほかの地域で使われているいさりも見せてくれました。
タコの樽流し漁で使用する「いさり」(左側2つが小笠原さんのいさり)
漁師さんが仕事で使う独特のロープの結び方を実演
撮影終了後は苫前町内へ
インタビューと作業場での撮影が終わった後は、小笠原さんに苫前町を案内していただきました。午前中めいっぱい撮影をしてお腹がペコペコになってしまったため、苫前町古丹別(こたんべつ)地区にある居酒屋レストラン「山海幸(さんかいこう)」さんへ。
間違えて「やまうみさち」と読んでいました、すみません
小笠原さんのオススメや気になる料理を頼んでみました♪山海幸さんはメニューが豊富すぎてなかなか決められない!お酒を飲みたくなるようなメニューもたくさんあって今度はぜひ夜に来ようと心に誓ったのでした。
お店の名物料理「山海らーめん」(見るからにダシがすごそう)
特産品として販売もされている「カスベのベーコン」
この日のオススメ料理「カボチャグラタン」(苫前はカボチャも有名)
お腹を満たして古丹別地区から苫前中心部に戻ってきた後は、同じく苫前町にてまちづくりの取り組みに尽力されている西大志(にし だいし)さんと合流しました。西さんは古丹別地区で薬や生活用品などを販売するお店を経営しながら、苫前町の未来を創るさまざまな活動に携わられています。お二人は師弟のような関係でありながらも、まちの未来を思う同志でもあり、また漫才のボケとツッコミのような関係性でもあるのかなと近くで見ていて思いました(笑)お二人の対談はとーっても濃い内容だったため、小笠原さんのインタビュー動画とは別で動画をまとめてもらう予定です(笑)
談笑する小笠原さんと西さん
小笠原さんと西さんの対談が終了した後は、小笠原さんは遠別町のNPO法人えんおこ代表の原田さんと合流され、若干かぶっている服装で滝上町へでかけていきました(笑)
左から原田さん、小笠原さん、しぶちゃん、西さん
最後に
小笠原さんのインタビューを終えてものすごいパワーと学びを得た私としぶちゃんは、大満足で終わる頃にはかなりポワポワした状態になっていました(笑)私もインタビューをしていてついつい話を深掘りしたくなってしまい、「しぶちゃんすまん、編集頑張ってくれ!!」と思いながら、予定よりもかなりの長丁場でお話しさせていただきました(笑)そんなインタビューに快く対応して下さった小笠原さんや、対談に参加して下さった西さんには感謝しかありません!濃密な時間を過ごすことができ、とても幸せでした。改めて感謝申し上げます。
ちなみに小笠原さんは「たこーいち」という名前でYouTubeチャンネルを持っていらっしゃり、日々の漁の様子や魚の魅力などをおもしろおかしく発信されています♪
YouTubeチャンネル「たこーいち」
https://www.youtube.com/channel/UCK4anEbvcw7Ve2MoInoiX_Q/featured
興味を持たれた方はぜひ見てみてくださいね!
また、きた北海道協力隊ネットワークでは、道北地域で活躍されているさまざまな人や取り組みについて取材し皆さまにご紹介していきます。ぜひ今回の取材内容をまとめた動画もご覧いただけると嬉しいです。
YouTubeチャンネル「きた北海道協力隊ネットワーク」
https://www.youtube.com/channel/UC1rrxeMtukoanadJbGUoq0Q
それでは(^-^)/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?