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競争はなくなる

「他社に安値つっこまれて負けました」

営業マン時代、よく耳にしたセリフだ。

いまでも現場で交されているかもしれない。

ぼくがブランドに興味を持ったのはこの体験が強かったこともある。

悔しかったからね。

製品品質、施工品質(ALC版ヘーベルの営業してた)、実績、そして長年積み重ねてきた「ヘーベル」ブランドをきちんと表現できなかった自責もあった。

競争とは、「同じ」ことを前提にしてる。

運動会で1年生と5年生が徒競走することないよね?

必ず1年生同士。つまり、「同じ」前提。

コロナでやられちゃった店と手持ちカードを増やした店の違いは「競争していたか・してないか」。

「競争が激しくて、やられちゃいました」

というのは、店にブランド、つまり、個性、違い、とんがりといった「ならではの訴求価値」がなく、世の中によくあるような機能(メニュー、価格、接客・・・)しか提供できなかったから競争したのだ。

ここで競合のコンセプトが大事になってくる。

競争と競合は違う。

競合は、たった1つのニーズに向けて、ならではの価値訴求をする。

同じではない。異業種格闘技だ。

前にも書いたように

新幹線や飛行機(「東京-大阪」間)の競合がZOOMになった。

貸し会議室ビジネスの競合もZOOMになった。

雑誌の競合はスマホだ(時間つぶし)。

居酒屋の競合がオンライン飲み会や「ウチのみ」になった。

ウチのみということは、居酒屋の競合がコンビニの冷蔵庫になったということだ。

コロナでカードを増やした沖縄のtorico(トリコ、那覇市小禄にある炭火焼きとイタリアンのお店)は競合相手をイタリアンレストランなどの飲食店ではなく、「スマホ」だとしている。スマホ見ながら「ウチのみ」するか、トリコに来店してくつろぐか。お客様の限りある「時間」をどう楽しく出来るか。

で、ここからが今日の本題なんだけど。

競争はなくなると思う。

「出世」も死語になる

デジタルは「平ら」にする。

だから現在のピラミッド型組織とDX(デジタルトランスフォーメーション)はめっちゃくちゃ相性悪い。

流行りだからみんなDX、DX言ってるけど、

「それはあなたの肩書(常務、部長、課長・・・)を無力化するんだよ、それでもいいですか?」

と言いたい。

ぼくたちは意外にも、ピラミッド(ヒエラルキー)型組織が大好きなのだ。

10年前からぼくは言ってる。

「会社組織は無力化し、液状化、やがて気化してなくなる。エコシステム化する」

現実にそうなっているのは個人・中小企業だけだ。コミュニティがSNS上に山ほど出来ていて、JOYWOWも実はそのおかげでビジネスできているのだけど、大企業はまだ頑なに組織を守っている。守ろうとしている。自分の肩書を守るため。

大企業のDXが「あれ? 何やってんだっけ?」となりがちなのは、意識そのものを変革しないと意味ないからだ。

組織はなくなる。個人と個人がダイレクトにつながったホラクラシー型アメーバ組織になる。

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で、ホラクラシー型、アメーバ型で、個人と個人がダイレクトに結びついていくと、競争という概念がなくなる。

「いやいや、それこそ、競争がもっと過酷化するのでは?」

しない。

なぜなら、「とんがった」価値提供できる人しか残れない、つながれないから。

競争とは、「同じ」を前提にしている。

お仕事依頼アプリの世界(ココナラ、クラウドワークス・・・)には「価格だけの競争」が残る。

フリーランスがアプリの中で生きていると、「価格だけの競争」で大切な自分の人生の時間を消耗するだけだ。

ここで「いまこの瞬間を何色に染めるか」という意識を持ちたい。

雨上がりの空に虹が出るように、

やがてこれからの社会がデジタル化していくにつれ

競争は消えていく。

いい社会だね。



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