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クロちゃんとミカンちゃん

けっこう、猫を飼ってるお家って、多頭飼いが多いような気がする。

もしかして、猫って一匹飼ったらどんどん増えてくシステム?

一匹目を飼うのすら、なかなか躊躇して、YouTubeで『猫を飼う前に見てほしい動画』とかを片っ端から見ていたけど、

クロちゃん(推定4歳黒猫)が突然うちの近所にあらわれて、うちの子になったのが3/9。

そして、それから5ヶ月後、8/10にミカンちゃん(推定2ヶ月茶トラ)がうちにやってきた。

※月齢はうちに来た時のもの。

猫を飼おう、と決めて、探し始めようと思った時にタイミングよくあらわれたクロちゃん。

これは完全にNNNの仕業だったと思う。

NNNとは、ねこねこネットワークという謎の組織で、ちゃんと保護してくれそうな人のところに、野良猫や捨て猫を送り込むらしい。

わたしはsimicoさんという漫画家さんの、『しみことトモヱ』を読んで知ったけど、どうやら猫好きの間では有名な話みたい。

独身時代はNNNの審査に通らなかったみたいで、猫と縁がなく、こんなに好きなのになぁ、なんて歯痒い思いをしていたのだけど。

そんなこんなで最初にうちに来た元野良猫のクロちゃんは、猫飼い初心者のわたしたち家族にぴったりの、人懐こく穏やかな性格の子。

以前にも人に飼われていたことがあるみたいで、地域猫を示すサクラ耳ではない(台湾でも野良猫の去勢をしたあと耳をサクラ型にカットして地域に戻すらしい)けど、去勢が済んでいた。

人に寄っていって餌をもらうことに慣れていて、うちには毎朝7時ころ餌をねだりにきて玄関先で鳴いていたけど、うちで飼い始めてから、毎日夕方4時ごろ餌をやっていたというおばさんが一度会いに来てくれたことがあった。

近所の小学生もお小遣いで猫缶を買って与えていたらしいし、きっと他にも何人か“愛人”がいたに違いない。

なかなか人たらしな男。それで嫉妬されて他の野良猫からいじめられていたという目撃情報もある。

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↑野良時代のクロちゃん。

最初はわたしたち夫婦の部屋の中だけを自由に歩き回らせていたのだけど、だんだん夏が近づくにつれて気温が上がってきたし、自分で家の中の涼しいところを探して過ごしてもらったほうがいいかな、と思い、部屋のドアを解放した。

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結果、リビングのソファの端っこがクロちゃんの定位置となり、電車で子どもが窓の外の景色を眺めるみたいに、窓からずっと外を見ていたりする。

基本的にここで過ごしているけど、夜12時すぎになると、ちゃんと自分でわたしたちの部屋に戻ってきて寝る。

夜中1時くらいまで戻ってこなかった時に、ちょっと遅いんじゃないの?と注意したら、次の日からちゃんと12時半までには戻ってくるようになった。

そして、朝方になると、部屋の外に出たい!と大騒ぎを始める。大声で鳴き、わたしと旦那さんのどちらかが目を覚ましたら、その耳元で鳴き、それでもどちらも起き上がらないときは、ゴミ箱を倒す。

ゴミ箱を倒すとわたしが慌てて駆け寄ってくるのを知っていてやっているのだ。

しかし、今、クロちゃんはわたしたちの部屋には完全に寄り付かなくなり、夜中も部屋に戻らなくなった。

夜中はみんなそれぞれの部屋で寝てしまうので、一人ぼっちで廊下などで寝ている。

それは、わたしたちがミカンちゃんを飼い始めたせいだ。

ミカンちゃんはどうやら母猫に捨てられたらしく、一匹でずっといたのをある人が保護した元野良猫。

母猫が食べ物を探しにいったりして離れているだけなのを、勘違いした人間が保護して引き離してしまう悲しいケースがよくあるらしいので、ちょっと心配だけど・・・(一度保護すると人間のにおいがつくので、もう元の場所へ戻しても母猫は世話をしないらしい)

保護した人は賃貸に住んでいて飼い続けることができず、譲り先を探している、と保護した人のお母さんにあたるご近所さんからうちに話がきた。

わたしはぜひ飼いたかったけど、クロちゃんとの相性が心配だった。

クロちゃんは野良猫時代にいじめられていたせいか、窓の外を野良猫が通ると、ものすごい声で鳴いて威嚇していたので、きっと猫が嫌いなんだろうと思っていた。

しかし、とりあえず一度見てから決めよう、ということになり、保護した人が子猫を連れてうちにやってきた。

土曜日に連れて来ると聞いていたものの、何時に来るのかわからず、当日、旦那さんと二人で外で夕ご飯を食べていたら、お義母さんから「子猫がきたよ!」と連絡がきて、慌てて帰ったけど間に合わなかった。

そのときお義母さんが撮った写真がこれ。

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かわいすぎる・・・!

クロちゃんと出会って、黒猫推しになったけれど、もともとわたしは茶トラ推し。

子猫より大人の猫のどっしりした安定感が好きだったけど、こうして見てみると、やっぱり子猫もかわいい。

この日、子猫に会えた家族の話によると、クロちゃんは自ら子猫に近づいてにおいを嗅ぎ、子猫にシャーッと威嚇されていたらしい。

クロちゃんのほうが威嚇したんじゃなくてよかった、と思った。

旦那さんもそのうち慣れるよと言い、先方にぜひ引き取りたいと伝えた。

ネットで多頭飼いについて調べると、オス×メスの組み合わせが一番仲良くなりやすいらしく、子猫はメスだと聞いていたのでホッとした。

保護した人のお家には小さな男の子がいて、その子が子猫を手放すのを嫌がっているとかで、本当にうちに来るのか来ないのかハッキリしないまま一週間ほどが過ぎた。

そして8/10。

いきなりお義母さんから、「今日、子猫連れてくるって!」と言われた。

夕方、車に乗って、お父さんと男の子が子猫を連れてやってきた。

子猫を受け取って抱っこしてみると、とっても小さくて軽くてすごくかわいかった。

こんなかわいい子を手放さなきゃならないなんて。

男の子がかわいそうで、ちょっと泣きそうになった。

お義母さんの話によると、もっとかわいい猫を飼ってあげるよ、という嘘で男の子を説得したらしい。

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子猫と一緒に渡されたものは、お気に入りのぬいぐるみや餌入れ、トイレ代わりにしていたというプラスチックの赤いトレイ、余った餌とトイレ砂。

とりあえず今必要なものは全部揃っていた。

まだ小さい子猫は、わたしたち夫婦の部屋の中で飼うことになった。

さて、名前をどうしようか。これがなかなか決まらない。

クロちゃんは黒猫だからクロ、という単純な理由で野良猫時代からすでに名付けていたのだけど、この子は茶トラだ。

メスなのにトラというのは男らしすぎる気がする。

保護した人はミィミィと呼んでいたそうなので、彼らが会いにきた時に名前が変わってるのも寂しいかもしれないし、そのままでもいいんじゃない?と提案したが、旦那さんはミィミィは台湾ではメスの子猫にみんながつける単純な名前だから嫌だという。

結局、中国語ではこういう色の猫は橘貓とか橘子貓とかいうそうなので、橘子を日本語にして、ミカンと名付けることにした。

でも子猫がじゃれついて、よく噛み付いてくるので、やっぱりトラだ!と、小老虎(中国語でトラちゃん)のほうが自然に口をついて出るようになってしまった。

襲ってくる時はトラ、かわいい寝顔を見せている時はミカンちゃん、と二つの名前をつけて、「あ!またトラになった!」と二重人格のように扱った。

そんなミカンちゃんがきて二日目、旦那さんが、「ミカンちゃんは、オスだと思う」と言い出した。

そう言われてわたしもお股を見てみると、たしかにタマタマらしき丸いものがポチッとついている!

次の日、旦那さんが動物病院に検査と予防注射に連れていったとき、お医者さんに確認してもらったら、やっぱりミカンちゃんはオスで、生後2ヶ月くらいとのことだった。

もし、最初からオスだとわかっていたら、ミカンちゃんじゃなくて、トラちゃんという名前になっていたかもしれない。

そんなこんなでオス同士だとわかった、クロちゃんとミカンちゃん。

飼い始めてみると、いつも、一緒に遊びたいらしいミカンちゃんと、しつこく追いかけ回されて困惑し、逃げまどうクロちゃん、という構図。

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クロちゃんがトイレに入れば、早く出てきて〜と言わんばかりに扉を叩き続けるし、ごはんを食べてるクロちゃんのしっぽにじゃれついて噛み付いたりする。

クロちゃんはそんな付きまとってくるミカンちゃんに、シャーっと威嚇したり、猫パンチをお見舞いしたりすることもあるけど、基本的にはただただ逃げている。

クロちゃんは優しすぎる性格なんだろうか。

側から見ていると、クロちゃんが小さいミカンちゃんにいじめられているみたい。

ミカンちゃんが来てから、ミカンちゃんを部屋から出さないためにドアを閉めておかなきゃいけなくなったので、日中は基本的に部屋の外にいるクロちゃんのためにごはん皿とトイレを部屋の外に出し、夜になったらクロちゃんと共にまた部屋に仕舞い込むことになった。

これがいちいち面倒くさいし、クロちゃんも部屋の中でミカンちゃんに追いかけ回されてかわいそうに見えた。

クロちゃんは前みたいに自分から部屋に戻って来なくなったので、無理やり抱っこして部屋に入れる。

クロちゃんにとって、夜中に部屋で過ごす時間がストレスになっているんじゃないか、と心配になってきた。

それで、クロちゃんを無理やり部屋に入れるのはやめ、そのままずっと部屋の外で過ごさせてみることにした。

もし、自分から「入れてー」と部屋に戻ってきたら、ドアを開けてやるつもりだった。

しかし、どうやら自分に一番甘い(よくおやつをくれる)お義母さんとお義父さんの部屋の前でいつも寝ているようだ。

こないだ、お義父さんがトイレに起きた隙に部屋に忍び込み、結局追い出されていた。

やっぱり寂しいんだろうか。

心配になって、「一緒に寝る?」と声をかけてみたけど、わたしたちの部屋には入りたくなさそうな様子。

旦那さんが抱っこしようとしたら、慌てて逃げていった。

居場所を失って、かわいそうなクロちゃん。

最近は、家出を試みるようになってしまった。

玄関の鍵をうっかりかけ忘れると、自分でドアを開けて出て行ってしまう。

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でも、「クロー!」と叫んだら、「やべっ、バレた!」と言わんばかりに、慌てて帰ってきてくれた。

家出じゃなくて散歩したいだけかもしれないけど、台湾はバイクが多くて、道路に飛び出してバイクとの接触事故で亡くなる猫が多いらしいから、外に出さないように気をつけないといけない。

ミカンちゃんはまだまだ赤ちゃんで、クロちゃんにもわたしたちにも飛びかかっては、本気で噛みつく。

クロちゃんが嫌がるのも無理はない。

でも眠くなると、お腹の上に乗ってきて、おっぱいの代わりに人の手を吸いたがる。

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こういうときは、本当にたまらなくかわいい。

早くクロお兄ちゃんと上手に遊べるようになってね。

ミカンちゃんがもうちょっと分別がつくようになれば、クロちゃんと仲良く過ごせるようになるのかな。

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