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ここが変だよ、日本の女性活躍推進。ソノスタ第3回補足

ソノスタに出演してきましたシリーズ第3回が公開されました。

第3回目のテーマは、「日本の課題を人的資本経営から見る」。

としていますが、改めて、聞き直してみると、話をしていることの大半は、2023年現在での企業が行なっている女性活躍推進活動の実態と、それに対しての私の見立てが1つのメイントピックとなっています。

はじめに正直に断っておきますと、私は、別に女性活躍推進活動がメインの仕事ではなく、また、本領域にとてつもなく強い思いがあって活動しているわけでもありません。

きっと女性としてこの国に生まれて育った人の方が、嫌だなと感じてきたことも多いのではないかとないかと思いますし、私には気づけていない現状の問題も多いのではないかと思います。

ただ、日本の人事課題、組織課題の解決をテーマに取り組んでいくと、必然的に今は避けて通れない状態であることと。

どうも女性社員だけでこの問題に向けて解決しようとすると、それはそれで偏りがでるようで、活動の中に入っていくなかで、私が入ることができる支援もあるようだな、入った方がいいかもしれないなと思うこともあり、今は、もう少し状態が整ってくるまでの間、バトンを受け渡すような想いで、企業が行う女性活躍推進活動の支援に入っています。

私が伝えたい内容の一部は、放送を聞いていただければなんとなく伝わるのではないかと思いますが、今回の放送では伝えられなかった部分を補足しておきますと以下のような形になるかなと思います。

1、現状の日本の多くの組織の労働環境で、従来の日本の男性、女性という性が持つ社会的通念である「男性が社会に出て(猛烈に)働くものである、女性は(仕事をしながらも)男性が外で働いている裏で家事を進めていくものである」という価値観が強く働いている中で、女性が家事に加えて、管理職を目指すというのは、労働に対する負荷が強すぎて、とても難しいのではないか。

2、女性の社会進出が進むのはとても素晴らしいことだと思うが、そのためには、まずは、日本社会で育つと自然ともちがちな、男性と女性の社会的な役割認識をアップデートし、性に限らず、社会や組織の問題も、家庭の問題も両方取り組んでいく必要があるという認識に変化していく必要があるであろう。

3、加えて、生産性の低い仕事を徹底的に排除するなどして、労働への負荷を極力減らしていかないと、男性がなるにせよ、女性がなるにせよ、現状の管理職というロールを果たしていくことは、誰がなっても厳しく、成り手の確保が難しいのではないか。

4、上記の前提をみんなで理解した上で、この課題にも取り組んでいこうという共通認識をもたないままに、単純に、今の枠組みを前提とした中で、女性の管理職を増やそうという営みは、成り手への負荷がかなり強く、機能させようとすると、心労によるバーンアウトや、家庭の崩壊リスクの向上など、いろいろなところに新たな問題が出てきてしまうのではないか。

という点ですね。

プロジェクトの中に入っていくと、こういった前提を持った上で取り組んでいる組織は、まだ活動が前に進みそうな印象ですが、こういった前提をもっていない組織の様子を見ていくと、いったん、プロジェクトは進んではいっているが、これは表向き、そう見えているだけで、実態は全然前に進んでおらず、ただ表層的な話し合いを進めるだけで、課題がそのまま残り、時期だけがスライドしていっているように見えて、これはとても怖いことだなということを感じております。

今回、書いたものは、女性活躍推進を中心としていますが、D&Iの取り組みのせよ、組織の風土改革の話にしても、日本の組織の中では、本音と建前が切り離され、全然本音が取り扱われずに、建前だけで前に進んでいき、時間がたっても中の課題はそのまま、プロジェクトでの成果は全然確認できませんでした、みたいな話がたくさんあるなと思います。

せっかく時間やリソースをかけてプロジェクトを進めていくのだからこそ、また限られた人的資本を有効に活用し、これまでになかった価値を生み出そうと進めていくのだからこそ、対話を通じて、双方の見ている景色を伝え合い、受け取り合いながら前に進めていくことが大事になってくると考えていますというのを伝えられればと思っておりました。

上記の補足も踏まえて、ぜひ今回の放送を聞いてみていただけるとありがたいです。

あらためて、リンクはこちから。

合わせて、過去の2回についてもこちらから聞くことができます。

こちらも併せてお楽しみいただけると嬉しいです。

今日も素晴らしい学びの機会をありがとうございました。


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