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資産運用についての話です

今日は珍しくお金について書いてみます。
noteのfollowerはお忘れと思いますが、金融業界でキャリアをスタートした小職にとっては、実はこれが本職です。

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まずこの質問から始めましょう。


「住宅ローンの金利は変動がよいか固定がよいか」

よく聞かれます。小職の相場観を聞きたいのだと思います。
しかし、金利が上がるか下がるかなんていうことは実は論点ではありません。そんなことを小職が的中できれば、今頃巨万の富を得ています。本質はそんなことではありません。


小職の回答は、「あなたの収入は、景気連動型ですか。景気連動型であれば変動金利、でなければ固定金利で借りるべき」です。
金利は、(一般に)景気が良いときに上がります。景気が良いときに収入も増えるのであれば、金利が上がっても構いません。むしろ、変動金利にして目先の低金利メリットを享受すべきです。その逆に、景気が良くても収入が増えないのであれば、固定金利で借りるのが得策です。
よく聞かれるので冒頭に書きましたが、住宅ローンの金利は実は大した問題ではありません。どっちに振れても、さほど影響は大きくないからです。

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問題はこれ↓です。


「お金はすべて銀行預金で寝ている。株式や不動産に投資するほうが良いか」


これもよく聞かれます。とくに好況期で株価や不動産価値が上がっているときによく聞かれます。数年前は仮想通貨で似たような状況がありました。


資産運用というと、「ポートフォリオ」という専門用語が出てきます。ポートフォリオが偏っているのは良くない、分散投資すべきだという理論です。証券会社や不動産会社の営業マンは100%これを言います。もちろん間違っているわけではありません。
よく、リスクの選好度合いに応じたポートフォリオが提示されます。資産運用本を読めばそう書いてあります。一般に、若い世代はリスクを許容できるのでアグレッシブに、年を経てくれば徐々にコンサバティブにしていくと書かれています。

しかしこの考え方に対しては以前から疑問を覚えていました。
本人の収入の変動性という重要な要素が抜けているからです。
この質問に対する小職の回答は、「あなたの収入は、景気連動型ですか。景気連動型であれば銀行預金のママでよし、でなければ投資をすべき」です。
理屈は住宅ローンの金利のときと同じです。景気悪化時に収入も減って投資も目減りしたら目も当てられません。そんなリスクは取ってはいけません。

年功序列・固定的な報酬体系である公務員は、本来的には積極的に資産運用すべきですが、彼らは性格も保守的なため、あまり資産運用をしません。外資系や起業家などは逆に資産運用は保守的であるべきですが、性格がアグレッシブなため、しばしばリスクを取った運用をしています。うまくいきませんね。

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小職の見るところ、ほとんどの人は、問題は資産運用ではなく(もちろん住宅ローンの金利でもなく)、支出の管理にあります。

普通の会社員で、奥さんが専業主婦・家族で海外旅行に行っている・外車を持っている・子供を私学に通わせている・高額な住宅ローンを抱えている、場合は要注意です。

これらをやっているにも関わらず、資産運用の相談に来る時点で、資産運用は趣味であると思っています。趣味なら年間100万くらい使ってもよい(失敗してもよい)です。ゴルフやクルマが趣味な人はそれくらい使っています。

それくらいお金があるなら、運用して殖やすことよりも、自分にとって幸せなお金の使い方を研究して実際にお金を使う方に集中した方が良いです。

じゃあお前はどうしてるんだ、と聞かれると思いますが、それはこんなところでは開示できません。かなりダイナミックであることだけは事実です。

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『人の生涯は、ときに小説に似ている。主題がある。』(竜馬がゆく) 私の人生の主題は、自分の能力を世に問い、評価してもらって社会に貢献することです。 本noteは自分の考えをより多くの人に知ってもらうために書いています。 少しでも皆様のご参考になれば幸いです。