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営業マンの年末恒例行事

毎年この時期になると、紙袋にカレンダーと手帳を入れて、顧客周りをしているビジネスマンの姿をよく見ます。私もかつて営業マンだった時期はそれをやっていました。

20年ほど前、ちょうどこの時期に来店したクライアントに、「ついでにどうぞ、お持ち帰りください」といってカレンダーと手帳を渡したら、事後に烈火のごとく上司に怒られました。

・カレンダーと手帳を配って回ることで、クライアントを訪問して関係を築く機会になる。

・クライアントの工場や事務所を訪問して様子を見てくることで、決算書に表れない定性情報を入手する機会にもなる。

・という効果を期待して、わざわざ会社が費用を払って作っているのに、その意図を理解せずに、来店時に渡すとは何事か。

という趣旨でした。
それまで、「面倒くさい」「目の前の仕事が忙しい」「こんなことやっても効果がない」「今時ダサい」などと言って斜に構えて真剣に取り組んでいませんでした。目からウロコでした。

それ以後、会社の意図するところをしっかり見極めて理解することで、動きが格段に変わったと思います。

機会を見つけてクライアント(財務部時代は金融機関、法務部時代は弁護士事務所)を訪問して関係構築するようにしました。

独立して五年を越えましたが、お陰さまで順調に事業拡大できているのは、あのときこの足腰が出来たからであると思っています。

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似たような話が、私の愛読する「課長島耕作」にも出てきます。
島耕作の上司である中沢部長の若手担当者時代のエピソードです。
北海道で、大雪の大晦日に、馬車のひくソリに乗ってカレンダーを届けところ、相手の電気屋の老夫婦が感動してくれて、濡れてぼろぼろになったカレンダーを使い続けてくれた、という話です。

ちなみにこの話は、カレンダーで不手際があって謝罪にいった新年会で、酔っ払った偉い人から、島耕作が裸踊りを強要されて困っているときに、その中沢部長が裸踊りを買って出て大喝采を受けるという非常に印象深い回です(知っている人にはわかるネタです)。大長編の島耕作の中でも、私が一番好きな回です。

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コロナで人との関係構築方法はこれまでとは違うフェーズに入りましたが、本質は変わりません。
疾風に勁草を知る。こういう時こそ真価が問われます。

『人の生涯は、ときに小説に似ている。主題がある。』(竜馬がゆく) 私の人生の主題は、自分の能力を世に問い、評価してもらって社会に貢献することです。 本noteは自分の考えをより多くの人に知ってもらうために書いています。 少しでも皆様のご参考になれば幸いです。