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クラシック音楽マニアの頭の中がどうなっているのか

クラシック音楽マニアの頭の中がどうなっているのか、というまったくどうでも良いことについて述べてみます。


数学で出てきた三次元の立方体を頭の中に作ります。
x軸、y軸、z軸というアレです。


x軸は、作曲家を歴史順に並べます。
学校で勉強させられた音楽の歴史です。あのときは無味乾燥に思いましたが、マニアになってみると、やはりあの年代史がわかっていないと、この世界の理解は進まないことがわかります。学校が年代史を勉強させたのは一定の理があると思います。
バッハ・ハイドンの時代から、モーツアルト・ベートーヴェンへと続き、マーラー・ショスタコーヴィチに至ります。
ベートーヴェンの初期の曲はモーツアルトと似ていたり、ブラームスの初期の曲はベートーヴェンと似ていたりするのがわかると、あの平板な年代史がつながって見えるようになります。さらに、フランス革命などの世界史のビッグイベントも並べて勉強すると、音楽が貴族のものから大衆のものに変わっていくなんていうダイナミズムもわかってきます。


y軸は、曲のジャンルです。
交響曲、協奏曲、ソナタ、オペラ、宗教曲・・・と並びます。
天才モーツアルトは、ほぼすべてのジャンルにそのジャンルを代表する秀逸な曲を残しており、さすが天才と思わされます。
一方、マーラーやショスタコーヴィチはほぼ交響曲オンリー、ワーグナーやヴェルディはオペラオンリーという、一本足打法です。おそらくこの手法がもっとも彼らの能力を発揮できると思ったのでしょう。
y軸から、作曲家ごとの得意不得意を知ることができます。


z軸は、演奏家を並べます。
指揮者、ピアニスト、ヴァイオリニスト、歌手、オケ・・・と並べます。
よく、「指揮者によって全然違うんでしょ?」的なことを聞かれますが、あれはウソです。ほとんど違いはありません。ですが、マニア的に聞き比べていくと、微妙な差を感じることが稀にあり、それが好きになるきっかけだったりします。


この3つの軸で立方体を作り、今聞いている演奏をプロットさせます。
この演奏が好きだ!と思ったら、次に、その作曲家が好きなのか、そのジャンルが好きなのか、その演奏家が好きなのか、を分析していく旅に出ることになります。


カラヤン指揮のベートーヴェンの交響曲3番が好きだと思えば、その周辺の演奏を聴きます。つまり、同じカラヤンの演奏を聴き比べる、ベートーヴェンの曲を聴き比べる、交響曲を聴き比べる、ということです。これにより自分の繊細な嗜好性を知ることができます。それで自分の好みの演奏を見つけていきます。


それを数年やっていると、立派なファンになり、20年もやっているとマニアになれます。こうなると抜けられません。この世界は、いざ好きになってからの引き出しが非常に多いのが特徴です。サザンやミスチルとは歴史の厚みが違います(JーPOPも好きですが)。


クラシック音楽マニアになって良かった、と思うことはめったにないですが、無限にある情報を整理して自分の嗜好性を分析していくのはなかなか知的かつスリリングな作業だとは思っています。

『人の生涯は、ときに小説に似ている。主題がある。』(竜馬がゆく) 私の人生の主題は、自分の能力を世に問い、評価してもらって社会に貢献することです。 本noteは自分の考えをより多くの人に知ってもらうために書いています。 少しでも皆様のご参考になれば幸いです。