きわプロジェクト

きわプロジェクトでは、「都市像と自然」の関係を思索・知覚する方策を模索しています。 公開トークで登壇予定のゲスト、プロジェクトメンバーとの対話を継続的に進めており、この「ダイアローグ」では、その内容を公開していきます。 HP: http://kiwa-project.org/

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きわプロジェクトでは、「都市像と自然」の関係を思索・知覚する方策を模索しています。 公開トークで登壇予定のゲスト、プロジェクトメンバーとの対話を継続的に進めており、この「ダイアローグ」では、その内容を公開していきます。 HP: http://kiwa-project.org/

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    きわダイアローグ10 手嶋英貴×向井知子 7/7

    ◀︎◀︎◀︎◀︎◀︎最初から ◀︎◀︎◀︎前へ 7. 機が熟すまで待つ/// 向井:わたしがやっていることの表現の総称として、現代アートみたいなものと結びつけられることがありますが、わたし自身はあまりそうは考えていません。もともとが空間のデザインを学んでいたのもありますけれど、身体的に物事を感知したり理解したりするための装置を作っているという感覚があります。そのため、自分自身が「これを伝えたい」とか「これを理解してほしい」「このことを啓蒙しなきゃいけない」といった考えから

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      • きわダイアローグ10 手嶋英貴×向井知子 6/7

        ◀︎◀︎◀︎◀︎◀︎最初から ◀︎◀︎◀︎前へ 6. ミクロを積み重ねる日本社会 /// 向井:新型コロナウイルスへの対応も各国特色がありましたよね。ドイツには各都市に大学がありますから、例えばベルリンに感染症の専門家たちがいたら、地域の大学病院がハブになって、そこから各自治体のクリニックに落としていく。ものすごく構造的です。日本でそれをやろうとしても無理だと思います。それは政治家の質の問題だけではなく、物事の解決の仕方が違うから。日本の最たることに、あるものをすごく細か

        • きわダイアローグ10 手嶋英貴×向井知子 5/7

          ◀︎◀︎◀︎◀︎◀︎最初から ◀︎◀︎◀︎前へ 5. 生命の閾値/// 向井:昨年比叡山を案内してくださったときに、自然の厳しい場所にいると自然のことを考えている暇がないとおっしゃっていましたよね。ゆっくりと寝ることが幸せなくらい自然の中での生活は厳しいものだということや、人間が自然の営みをしようとすると人工的なものがつくられていくといったことがとても印象に残りました。そして、一見話が飛ぶように思えるかもしれないのですが、手嶋さんに死生観について伺いたいと思ったんです。

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          • きわダイアローグ10 手嶋英貴×向井知子 4/7

            ◀︎◀︎◀︎◀︎◀︎最初から ◀︎◀︎◀︎前へ 4.ウェルビーイングのイメージの変化/// 向井:現代の都市生活では「外部世界もすべて認識である」という考え方をしなさいと言われても無理だと思うくらい、細かくたくさんの多様性がありますよね。でも、人間と外部の関係で成り立ったわけではない仏教でも、そこの折り合いをつけざるを得ないと思うんです。今、最先端の仏教はどういうところを目指し、どこに向かっているのでしょうか。 手嶋:日本では、お釈迦さんが説いた教えである仏説が、たくさ

            • きわダイアローグ10 手嶋英貴×向井知子 3/7

              ◀︎◀︎◀︎◀︎◀︎最初から ◀︎◀︎◀︎前へ 3. 都市生活と内面の探求/// 手嶋:インドでは、死んでもなお自分のアイデンティティは残ると考えます。苦悩を抱えたまま死んだ場合、霊魂としてのアイデンティティが残るから苦悩し続ける。だから、苦悩から逃れるためには、自殺は全く意味がありません。生きて、苦悩を滅するための修行をして、涅槃に到達することが大事なんです。そのためには、こういった修行の方法があって、それをもとに、ある考え方を理解して生きていく・修練していくのが大事だ

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              • きわダイアローグ10 手嶋英貴×向井知子 2/7

                ◀︎◀︎◀︎ 前へ 2. 何がウェルビーイングなのか/// 手嶋:「仏教が人間中心である」と言えるのは、自分というものが中心にあって、その反映のなかに外部世界が、つまりある意味で外部世界も、自分の世界の中の一部という捉え方をしていると考えるからです。しかし、現実世界では「人の苦悩をどう解決するか」を考えるわけです。そのために、今言ったようなことを、直接市井の人に言ってはみるものの、ピンとこなかったり、わからなかったりする。本質的なことをすぐに言ったらわからないから、本当の

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                • きわダイアローグ10 手嶋英貴×向井知子 1/7

                  1. 人間が中心の仏教/// 向井:前回のきわダイアローグの際、手嶋さんは「仏教は人間が中心の宗教ですから」とおっしゃっていました。仏さまが、インドの自然と関連する神さまや日本の自然信仰とも関わっているせいか、仏教に対しても自然を扱っているような気がしていましたが、それは人間からの目線なのかなと思ったんです。それから以前「関係性のなかの自分」「現象世界の一部としての自分を認識する」というお話もされていましたよね。今、世界がこれだけ複雑になり、「自己がどうやって世界を捉えてい

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                  • きわダイアローグ09 渡邊淳司×向井知子 4/4

                    ◀︎◀︎◀︎◀︎◀︎最初から ◀︎◀︎◀︎前へ 4. 能動・受動を超えた  「一つのシステムになる」感覚/// 向井:わたしは、自分が映像の演出をする際、「仕掛け」や「メディウム」といった言い方をしていました。今、テクノロジーでつくられている、フレームや仕掛けというものが、いよいよ「Umwelt(環世界)」、わたしたちの環境そのものになっていると思うんです。前回、仕掛けの中に構造だけあってもダメだという話があったかと思います。それは、どういう人が関わっているかという、個々

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                    • きわダイアローグ09 渡邊淳司×向井知子 3/4

                      ◀︎◀︎◀︎◀︎◀︎最初から ◀︎◀︎◀︎前へ 3. 本来は削りたくないところをどうやって残していくか/// 向井:きわプロジェクトのメンバーであるヒルシュは、デジタリティという概念の分析を進めていくなかで、無数の穴をつくっていってしまうと話していたんです。例えばMPEG-4みたいなものでは、もともと人間の耳では聴こえないある周波数を切ってしまっています。そのように、さまざまなもので、人間の知覚未満の部分では関与していた部分が切り取られていることで、わたしたちの感受も鈍っ

                      • きわダイアローグ09 渡邊淳司×向井知子 2/4

                        ◀◀◀前へ 2. 「とりあえず残していたアウトプット」が   出ているからこそ、振り返る意味がある /// 向井:わたしが大学に勤務していた頃、学生に「自分が気になったものの写真を200枚提出させる」という課題を与えていました。好きなものではなく、違和感や嫌悪感も含めて興味を持っていたり、解決していなかったりするものを提示させるんですね。200枚選ぶことは結構難しく、無意識のうちに、自分が意図しないものや解決できないものも出てきます。そうして集まった写真を授業で披露して

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                        • きわダイアローグ09 渡邊淳司×向井知子 1/4

                          1. 言語的な「分かる」ではない感覚を重ねていく /// 向井:ご著書『表現する認知科学』の中で、社会に実装化していくために必要な、伝えやすさ、わかりやすさがある一方、それではこぼれてしまうことの難しさや危うさについて、非常に言葉を選ばれて書いていらっしゃいましたね。 渡邊淳司(著)/内村直之(ファシリテータ)/日本認知科学会(監修)2020年、新曜社 渡邊:この間の心臓ピクニックの話とも関連するのですが、周りの人と一緒に何かをするとき、周囲との関係性に注意を向けるので

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                          • きわダイアローグ08 風を知る〈北九州響灘風力発電所〉 3/4

                            ◀︎◀︎◀︎◀︎◀︎最初から ◀︎◀︎◀︎前へ 3. 自然の息遣い/// 茂松:ここは、北九州市でも地域の人が集まる場所なんです。エコタウンセンターの見学者、小学生、大人、海外の方など、案内するときは必ず風車をお見せしますが、たいていはみなさん「貴重なもの」だとおっしゃってくだいます。そういったものをメンテナンスして、オペレーションして、事故は絶対起こさせないようにする。地域のみなさんの大事なものを預かっていると思うと、やりがいを感じます。 松﨑:この風車は北九州市のラ

                            • きわダイアローグ08 風を知る〈北九州響灘風力発電所〉 4/4

                              ◀︎◀︎◀︎◀︎◀︎最初から ◀︎◀︎◀︎前へ 株式会社エヌエスウインドパワーひびき(NSWPひびき)の事業所で、松﨑さん、茂松さんにお話を伺った後、実際にメンテナンス中の3号機を視察しました。茂松さんと高野俊幸さん(株式会社西日本テクノス)に風車の中や周辺設備をご案内いただき、作業中の西川貴也さんにもお話を伺いました。 /// 4. 生まれたところ、育ったところで風車が見える/// 〈事業所から風車まで車で移動中〉 茂松:この橋から右側に見える風車は3基あります。

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                              • きわダイアローグ08 風を知る〈北九州響灘風力発電所〉 2/4

                                ◀︎◀︎◀︎前へ 2. 地元で人材を育て、地元でメンテナンスできる/// 向井:日本での風力発電や太陽光発電は、人があまりいない、都市から離れた場所に隠されているというイメージがありました。高度経済成長期の発展の一方で、公害などのネガティブなイメージもある北九州市が、今ではエコエネルギーを都市部で活用していると知り、街の成り立ちや自然への取り組み、それから、街の人たちが見ることのできる場所に自然エネルギー施設があることにすごく興味を持ったんです。そこで、どういうお考えのも

                                • きわダイアローグ08 風を知る〈北九州響灘風力発電所〉 1/4

                                  2020年秋、前年に引き続き、北九州市次世代エネルギーパーク *1 を訪れ、響灘風力発電所を視察しました。同発電所では、複数の民間事業者が北九州市の市有地等に風車を建設し、発電事業に取り組んでいます。取材にあたっては、株式会社エヌエスウインドパワーひびき(NSWPひびき)にご協力いただき、発電所所長でもある松﨑出さん、課長の茂松久晃さんに同発電所についてお話を伺いました。NSWPひびきの風車は、海岸沿いに10基並んでおり、ちょうど3号機のブレード(羽根)を下ろしてメンテナンス

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                                  • きわダイアローグ07 埋立地のビオトープを歩く〈北九州市響灘ビオトープ〉4/4

                                    ◀︎◀︎◀︎◀︎◀︎最初から ◀︎◀︎◀︎ 前へ 4. 生き物は希望を持って移動する/// 三上:この響灘ビオトープは、NPOと一般企業2社の連合で共同事業体という形で、市から指定管理者として委託を受けています。NPO法人北九州ビオトープネットワーク研究会というところが、中心企業というか、代表となります。 山本:言うなれば、わたしたちは会社員なので、別に公務員とかではないんです。 向井:ここはどのくらいのスタッフで運営されているのですか。 山本:職員、パート含めて8

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