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手鏡日録

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日記です。気まぐれに書いています。
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2024年3月の記事一覧

手鏡日録:2024年3月22日

手鏡日録:2024年3月22日

夏雲システムでの豆の木木曜句会の選句をしている。
いつも100句をやや超えるくらいの句数で、だいたい出句数(10句)と同じくらいを目安にいただく。
今回はそれをややオーバーしてしまいそう。
選の傾向はあまり意識していないのだが、好きだと思う句には「自分がこういうの作りたかったな」と思う句が含まれている気がする。
そういえば、豆の木に参加したばかりの頃だと思うが「楠本さんて選はわりあいにおとなしいの

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手鏡日録:2024年3月19日

手鏡日録:2024年3月19日

ときどき行くチェーンの喫茶店がある。
バイトも社員も、店員の顔を何となく覚えるくらいには通っている。そうは言っても、無駄話をするほどの距離感ではなく、あちらが当方をリピーターとして認識しているのかもよくわからない。
席に着くと、オーダーを取りに来た店員さんに見覚えがあった。以前はよく見かけたが、このところシフトに入っていなかったのか、久々に見る顔だ。
気付くのに間があったのは、その店員の髪色のせい

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手鏡日録:2024年3月17日

手鏡日録:2024年3月17日

祖母に会いに行った。
かつては丘陵であったろう住宅街の、その尾根にあたる道を縫っていくと、周囲の家屋に溶け込んだグループホームがある。
道を挟んで学校と、こぢんまりした団地とがあって、ちょうど団地の前の白木蓮が盛りだった。
グループホームの二階で、祖母は過ごしている。ずっと一緒にいるわけではないのでその暮らしぶりは想像するほかないのだが、きっと桶の水に沈んだビー玉のようなものなのかと思う。
祖母の

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手鏡日録:2024年3月15日

手鏡日録:2024年3月15日

これまでの人生でいちばん気の進まない確定申告を終えた。
いろいろ物申したいことはあるが、税務署への文句など世の中に溢れすぎているだろうから、取り立てて言うまい。
いやひとつだけ。税務署の狭苦しいブースに養鶏場の鶏みたいに並べられ、スマホにかかった医療費をぽちぽち入力させられたのはまあ構わない。僅かばかりの還付金を受け取ることに、そこはかとない浅ましさを認めてしまっているから。入力した数字が通信エラ

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手鏡日録:2024年3月8日

手鏡日録:2024年3月8日

四歳児には、家の中におともだちがいる。名を、チャポーくんと言う。
四歳児と長女が二人で行っているごっこ遊びには、たいがいチャポーくんが登場する。
その正体は、某ブロック玩具に付属していた小さな人形。その名前の由来は定かでなく、二人に訊いても「チャポーくんはチャポーくん」と要領を得ない。
四歳児と年の離れた長女は、よく面倒を見てくれていると思う。四歳児もそんな長女によく懐いているが、やはり遊びの取っ

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手鏡日録:2024年3月1日

手鏡日録:2024年3月1日

今の職場は喫煙者が多い。
かつて喫煙者だった私も、抗しがたい口唇欲求とニコチンへの渇望には覚えがあるので、いつの間にか自席から遊離している同僚たちを白い目で見るようなことはしていない(はず)。
今日も「ちょっと見回りに行ってきます」と気怠く廊下に消えていくニコチン依存症者たちの後ろ姿を、あたたかく見守っている。
今のところスリップしていないのは幸いだが、これまで喫煙行動のストッパーになってくれたの

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