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アンドロイド・イン・ワンダーランド

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5分で読める短編SFを掲載しています。 AIが管理する超管理社会の片隅でバーを経営するアンドロイド・アリス。そこが政府管理外区だからか、アリスの特殊能力のせいか、いつもバーには厄…
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#短編小説

完璧なウィスキー

 シヴァルは香りを楽しんだ後、氷をウィスキーグラスをの中で転がしながらその涼やかな音を楽…

kitaryuto775
4年前
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墓掘りの男

 男の名はストーンといった。背が高く痩せていていつもくすんだ色のフードを頭から被っていた…

kitaryuto775
4年前
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やんちゃなカクテル

 世界広しと言えど、彼ほど有名な男はそういない。それは額に3つ、うなじに3つの電子の目を…

kitaryuto775
4年前
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風変わりな殺し屋

 老婆はショットグラスのウィスキーをちびりちびりと舐めながら満足気に頷いた。 「こんな辺…

kitaryuto775
4年前
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海月と女

 その客がやって来た時、アリスは延々と続く無意味な会話に終止符が打たれることを知った。 …

kitaryuto775
4年前
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探偵さ

 ブライアント警部補はタバコに火を点けると大義そうに吸った煙を吐き出した。  古めかしい…

kitaryuto775
4年前

短編小説:医者はいずこ

 今日も客は一人きり。深海のカプセルバーは静かだった。  アリスはカウンターの内側で黙ってグラスを磨いていた。  客は時折カクテルを舐めるように味わっている。カクテルの名はオセロ。カクテルグラスの中間に氷の薄膜があり、氷を隔ててラムと黒ウォッカベースのカクテルが注がれている。静かに飲めば二種類の味を楽しめる。だが、薄氷はいつ割れるかわからず上下のお酒が混ざると一気に味が変化する。味の変化が一手でゲームの局面を塗り替えるオセロのようというのが名前の由来だ。  そしてカウン

短編小説「シニガミとウィスキー」

 店内はいつもどおり静かだ。気にならない程度の音量でジャズが店内を満たしている。ボーカル…

kitaryuto775
4年前
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ロック、ダブルで。

 犬がバーの入り口に向かって唸り声を上げた。  アリスはふと思った。  人間はなぜ犬に名…

kitaryuto775
4年前
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犬もあるけばアンドロイドに当たる

 アリスはグラスを磨く手を止めて、自らが経営する深海バーの入り口を少しの驚きと共に見つめ…

kitaryuto775
4年前
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溶けた奴らとGlenfiddich

 アリスはバーの片隅で身じろぎひとつしない客をじっと見つめた。  あれは客というべきなの…

kitaryuto775
4年前
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壊れたバルブ

 アリスは扉を潜りカウンターに近づく男をもう一度見直した。  男が怪訝な表情を作る。 「…

kitaryuto775
5年前

ライダーズ

「呪いはある」  アリスは静かにそう言った。  キャメノスはカウンターに頬杖をついてウ…

kitaryuto775
5年前
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